プラトニックな彼女の愛で方

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通学路は愛の語り場 その2

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「ねぇ、聞いているの?佐藤君?」

「はい……聞いていますとも……?」

 坂を上る手前の路地に差し掛かると、高校に通う生徒たちでごった返している。僕たちは高校までずっと真っすぐに歩くだけなのだが、大半の生徒は列車を利用するため、最寄りの北浦駅からやってくる。そのため、最初の内は古びた田舎道を何度も右往左往しながらやってくることになる。僕らにとっては幼き日々の遊び場であったのだが、新参者には少し厳しいようだ。

「だからね……その……そうだ、予算よ、予算……!」

 これでも芽衣ちゃんは生徒会長をやっている。僕は写真部の部長をやっている。麗和高校の場合、部活の予算は生徒会の裁量で全て決められる。部活といえば普通運動部だから、そちらへ重点的に配分されるはずだ。

 しかしながら……まあ、ご察しの通りで……全部活予算の20パーセントが写真部に注ぎ込まれる。勿論、トップシークレットだけれど……。

「佐藤君!」

「はいはい、分かってるよ……」

 だから……別の話題はないのかな?

 芽衣ちゃんはどうやら、僕のことを気に入らない生徒会長を演じたいらしい。でも、逆に言えば、このことがあからさまになると、芽衣ちゃんの立場が崩れると思うんだけど……。だいたい、自分が提案したことなのに……。

「この予算……どうするつもりなの?」

 芽衣ちゃん……他の生徒が見てるよ……。変に注目浴びちゃってるし……。

「佐藤くーん!」

「…………」

 校門にたどり着くまで、ぎこちない第二会話が延々と続く。
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