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初夜
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「転生してきました……と言って、信じて頂けますでしょうか……???」
そのつぶらな令嬢は、初夜を迎える婚約者に向かって言いました。婚約者もまた、初めての経験なのでした。
「どうしたのですか???いきなり、そんなことを言い出して……」
婚約者は少し困惑した素振りを見せましたが、元々この令嬢が非常にミステリアスな装いで登場したことを考えれば、大して驚く話でもありませんでした。
「なるほど……そうだとしても、私は別に驚きませんよ……」
婚約者はそう言って、令嬢を安心させようとしました。
「ありがとうございます……」
令嬢は礼を言いました。
「私はあなたの両親を殺しました……なぜならば、あなたの両親は、私たちの婚約に反対したからでございます……」
こう言われますと、婚約者は再び困惑することになりました。
「なるほど……それは不可解ですねえ。私の両親はまだ健在なのですが……」
事実でした。
「ええ、存じております。ですから、将来的に、私はあなた様の両親を殺すことになるのでございます……」
にわかには信じられない話でした。でも……婚約者は、それについても特に疑おうとはしませんでした。
「だとすると……私とはやっぱり婚約できませんよね???」
令嬢はそう言いました。
「なるほど……確かに難しそうですな……」
婚約者はこう答えました。
「分かりました。それでは、もう一度やり直したいと思います……」
令嬢は自ら命を絶とうとしました。すかさず、婚約者が止めに入りました。
「どうしたのですか???あなた様が死ぬ必要なんてないんじゃありませんか???」
「でも……これが運命でございますから……私はもう一度やり直すしかないと思うのです……」
すると、婚約者は令嬢のことを抱きしめました。
「あなたの愛は偽りなのですか???それとも……真実なのですか???」
これに対して、令嬢は、
「分かりません……」
と答えました。
「よろしい。それでは、私はあなたとの婚約を約束しましょう」
婚約者はこのように答えました。
「いいんですか???」
令嬢はかえって戸惑いました。
「決して面白さからではありません。ただ……こんなつまらない命をあなたみたいな人に捧げてみるのも悪くないと……そう思ったわけでございます……」
そう言って、婚約者は、令嬢にキスをしました。令嬢はその時、初めて人間に戻った心地がしました。ずっと止まっていた時間が少しずつ動き出すように、そして、涙がとめどなく溢れてくるのでございました。
そのつぶらな令嬢は、初夜を迎える婚約者に向かって言いました。婚約者もまた、初めての経験なのでした。
「どうしたのですか???いきなり、そんなことを言い出して……」
婚約者は少し困惑した素振りを見せましたが、元々この令嬢が非常にミステリアスな装いで登場したことを考えれば、大して驚く話でもありませんでした。
「なるほど……そうだとしても、私は別に驚きませんよ……」
婚約者はそう言って、令嬢を安心させようとしました。
「ありがとうございます……」
令嬢は礼を言いました。
「私はあなたの両親を殺しました……なぜならば、あなたの両親は、私たちの婚約に反対したからでございます……」
こう言われますと、婚約者は再び困惑することになりました。
「なるほど……それは不可解ですねえ。私の両親はまだ健在なのですが……」
事実でした。
「ええ、存じております。ですから、将来的に、私はあなた様の両親を殺すことになるのでございます……」
にわかには信じられない話でした。でも……婚約者は、それについても特に疑おうとはしませんでした。
「だとすると……私とはやっぱり婚約できませんよね???」
令嬢はそう言いました。
「なるほど……確かに難しそうですな……」
婚約者はこう答えました。
「分かりました。それでは、もう一度やり直したいと思います……」
令嬢は自ら命を絶とうとしました。すかさず、婚約者が止めに入りました。
「どうしたのですか???あなた様が死ぬ必要なんてないんじゃありませんか???」
「でも……これが運命でございますから……私はもう一度やり直すしかないと思うのです……」
すると、婚約者は令嬢のことを抱きしめました。
「あなたの愛は偽りなのですか???それとも……真実なのですか???」
これに対して、令嬢は、
「分かりません……」
と答えました。
「よろしい。それでは、私はあなたとの婚約を約束しましょう」
婚約者はこのように答えました。
「いいんですか???」
令嬢はかえって戸惑いました。
「決して面白さからではありません。ただ……こんなつまらない命をあなたみたいな人に捧げてみるのも悪くないと……そう思ったわけでございます……」
そう言って、婚約者は、令嬢にキスをしました。令嬢はその時、初めて人間に戻った心地がしました。ずっと止まっていた時間が少しずつ動き出すように、そして、涙がとめどなく溢れてくるのでございました。
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