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お久しぶりです?
02
しおりを挟む他に買う物もなく、すぐにレジへ行き会計を済ませて、イートインコーナーへと急いだ。
「あれ?」
イートインコーナーを見回しても、橘さんはいなかった。
まだ来てないのかな。
そう思い、空いてる席に座って待つことに。
暫くすると、橘さんがこちらに向かって来るのが見えた。
「わり、待たせた。」
「い、いえ…」
「俺そんなに怖ぇ顔してっか?」
「…え」
いちいちビクビクしているせいで不快な思いをさせてしまったのかな…。
そもそも顔って言うか、不良の雰囲気そのものが怖いだけなんだけど、それを言うのも怖いからやめておく。
言い淀んでいると、「ま、いーけど。」と、私の前の席に座った。
「この前のを目の前で見てりゃそりゃビビるだろうし。」
「いえ…あの時はありがとうございました…。」
そもそも何で私とこうした時間を設けているのかが不思議。
どういうつもりか分からないから、私から話題を振るのも危険行為な気がしてならないのが苦しい…。
沈黙…。
ただただ沈黙の時間が流れた…。
えー、本当になんの為にここに呼び出したのこの人ー!
誰か助けてー!
この沈黙の間、凄く私を見てる。見られている。
一体私の何をそんなに見てるのー!?
私の顔に何か付いてますかー!?
もしかして朝ご飯に食べたモノでも付いてますかー!?
「なぁ、あんたと俺、どっかで会ったことねぇか?」
「……へ?」
やっと長かった沈黙が破られたと思ったら、斜め上を行く質問が来て思わず間抜けな声が出てしまった。
「いや、俺多分あんたのこと知ってる気がするんだよな。」
多分やら気がするやら、ハッキリしないところは置いておいて…。
私はもちろん橘さんのことは記憶にない。
数少ない記憶の引き出しを開けまくって引っ掻き回しても見当たらないので、あの時が初対面に違いない。
「き、気の所為かと…。橘さんとは、この前が初めましてだと思います…すいません…。」
「んー…そうか…。」
落ち込み方が凄い。
漫画やアニメだとズーーンとかっていう効果音がつきそうな落ち込み方をしている。
そんなに自分の直感が外れたのが悔しいのかな…。
いやでも、本当に知らない。
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