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予定通り始まった王妃教育は、まずは私がこれから学んでいくべき事柄の全体像の説明から始まった。
長年に渡って、侯爵家の中しか知らない私の想像を絶するほど広い範囲のことを学ぶことになると知った。これまでもそれなりに受けてきた淑女教育とは比べ物にならない量だ。
苦しい日々が始まるのかもしれないと思うと不安だけど、第一王子の婚約者に選ばれたからには、リザリオン侯爵の名に恥じない優秀さを見せてみせるわ。
教師の方々との顔合わせも行って、王妃教育初日の予定は終了となった。本格的な王妃教育は明日から始まる。皆、私に期待してくれていると感じる。それも嬉しくて、更にやる気が出てきたわ。
今日はこの後は、王妃様とお茶をする予定だけね。せっかく王宮に参ったのだから、王子殿下にもご挨拶してから帰りたい。
王宮の侍女に案内されて、小さなテラスへと辿り着いた。お茶会の準備は終わっているようだけど、王妃様の姿はまだない。侍女に促されて先に席について、王妃様を待っていると、十数分後に王妃様がお越しになった。
話し相手が欲しかったのだと王妃様が仰っしゃられて、お茶会はにこやかに始まった。王妃様のお話相手に選ばれたというのは、将来家族になるということを踏まえても嬉しいと思う。
「王妃教育が始まったんだっけ?」
「はい。今日はおおまかな説明を受けました。明日から本格的に始まります」
続けて意気込みを語ろうとしたけれど、王妃様が口を開かれたため、私は言葉を止めた。
「別にあれやらなくていいから」
「・・・と言うのは?」
「あなたは王子と結婚しないから、やるだけ無駄だもん」
場が凍りついた。私の聞き間違いかとも思ったけれど、給仕や護衛のために控えている使用人達も戸惑っているみたいだから、王妃様の言葉に驚いているのは私だけではないのだわ。
「王妃様、私は昨日、第一王子のエリオット殿下と婚約をいたしました。私達の婚約は国王様と王妃様もお認めになってくださったはずです。私が王子殿下と結婚しないというのはどういうことでしょうか?」
「もう、焦らないで。私が話したかったのはここからなんだから」
「・・・はい。申し訳ありません」
「いいのよ」
謝ってしまったけれど、今のは本当に私が悪いのかしら。王妃様はお気になさらない様子ではあるから、これ以上は何も言わないけれど。
皆が困惑している一方で、王妃様は得意げな表情のまま話を続けられた。
「愛を知らずに孤独に育った王子様は運命の人と出会って真実の愛を知るでしょ?それで初めて幸せになれるんだから、王子様の運命の人が侯爵令嬢なわけないじゃない」
「・・・王子様の、運命の人、ですか?」
「そう!やっぱりここは元平民の男爵令嬢とか、まぁ、よくて子爵令嬢かなぁ」
本当は平民っていうのが一番なんだけどねぇ、と王妃様はいきいきと話される。
眼の前の人が何の話をしているのか分からない。私達の婚約の話ではないの?王子様って言い方は何?運命の人?王子の結婚相手は下位貴族が理想と言うこと?つまり、王妃様は殿下と私の婚約を本当は認めていないということなの?
「王子殿下に運命の人が他にいるなら、何故私と婚約をさせたのですか?」
「だって、王子様の運命の恋はドラマティックなのが常識でしょ?そのためには悪役が必要じゃない!傲慢で我儘な位の高い貴族のお嬢様。偽りの愛を押し付けられて、王子様は婚約者にうんざりするのよね。ふふっ、ちょうどいいのがいてよかった!」
ちょうどいい?何を言っているの、この人は?待って、分からない。
おかしい。絶対におかしい。ドラマティック?悪役?恋愛小説の話でもしているの?
私のことを、ちょうどいい悪役と言ったの?そのために婚約をさせたと?
私のことを、好き勝手に扱っていいお人形だとでも思っているの?
私は、リザリオン侯爵家の令嬢よ。こんな、こんな侮辱があっていいはずないわ!
この屈辱を許してはならない、と反撃をする気持ちで口を開いて息を吸い込んだ時、尊敬する人の一人が私を制止した。
『ローゼリア、いつでも微笑みを忘れてはいけないわ。心は顔に現れるものよ。笑顔でいられるというのは、心にゆとりがあるからこそよ。冷静さを保つ者は、困難な状況でも的確な判断を下せるの』
母上の言葉が脳裏をよぎる。人は怒鳴るから腹立たしくなり、涙を流すから悲しくなるのだ。だから、いつでも笑って、心に余裕を持つことで、あらゆる場面で強者になりなさい。そうやって教え込まれたのだったわ。
深呼吸をして、力んで握りしめていた手の力をゆっくりと抜いていく。
落ち着いて、落ち着くのよ、ローゼリア。どれだけ侮辱されても、相手は王妃。迂闊な発言は私の身を滅ぼしてしまうわ。
私は母上と父上の娘だもの。どのような状況に合ったって、上手に対応できるのよ。
「だから、どうせ無駄にしかならない王妃教育なんかしなくていいのよ。ほら、王妃教育って言葉だけですごい大変そうじゃない?私も難しいこと全然分かんなかったから、結局やらなかったし」
王妃は変わらずにこやかで、私って優しいでしょう?という言外の言葉が聞こえてくる。
母上の言葉を思い出して多少落ち着けたからか、腹立たしさが多少鳴りを潜めて呆れる気持ちが出てきた。怒っていいと思うけれど、怒ったら負けな気がしてきた。
この方、王妃教育を受けなかったと言われたわね。発言やふるまいに品を感じられなかった理由がよく分かったわ。元平民だと聞いていたから、染み付いた習慣が抜けないのかと思ったけれど、自身が変わる気がなかったということね。
こうなると、今日顔を合わせた教師達の私への期待の意味が重くなってくる。彼らの王妃教育に対する姿勢は本気だったように思う。侯爵令嬢として、この期待を裏切るわけにはいかないわ。
恋愛劇の悪役を宛がうために婚約させられたなんて聞かされたのだから、正直なところ、今すぐにでも婚約解消を願い出たいけれど、そしたら私に不利益な情報を社交界に撒かれかねない。いくら無礼だとは言ってもこの人は王妃だもの。社交界のリアルを知らない今の私が、目指すべき結末を決めるのは、時期尚早だと思う。
「悪役が必要と仰っしゃられましたけど、王妃様は、私にどのような令嬢であってほしいと思われるのですか?」
「それはもちろん我儘で傲慢な令嬢よ!というか、なってほしいなんて思ってないよ。侯爵令嬢なんだから、我儘で傲慢なことは分かってるんだから」
既に私が我儘で傲慢な人間だと言うこと?本当に失礼な人ね。私に限らず、高位貴族の令嬢皆が我儘で傲慢だと言っているように聞こえるけれど、偏見にも程があるわ。
それにしても、これだけのことを言われているにも関わらず、王妃から私に対して、嫌悪感や悪意が感じられない。それがとても恐ろしい。
こんな人が王妃殿下だっただなんて。父上と母上の言葉の意味がよく分かったわ。
「王妃様は先程、私に王妃教育を受けなくてよいと仰ってくださいましたね」
「ええ、そうよ」
「でも、私、王妃教育のおかげでこうして王宮に参ることができるようになったのです。この機会を逃すのは耐え難いですわ。折角ですもの、王妃教育の名の下、王宮には何度でも足を運ばせていただきたいと思います」
「まぁ!・・・しょうがないね。来たいって言うのをダメって言うことは私はできないもん」
「お心遣い感謝いたします」
王妃が驚きながらもどこか満足そうにして、席を立ち、テラスを去っていった。
王妃お望みの嫌な令嬢のような発言ができたということかしら?不服だけれど、この方針で今後は対応していかなければならないということね。
今日の予定はこれで終わり。王子殿下と顔を合わせるだなんて、そんな気は失せてしまったわ。むしろ、会いたくないくらいかもしれない。国王陛下や王子は王妃のこの話を知っているのかしら?
一先ず、今日は、この場に居合わせてしまった、可哀想なくらい青い顔をした使用人達が、どちらの味方か確認をして帰ることにしましょう。
長年に渡って、侯爵家の中しか知らない私の想像を絶するほど広い範囲のことを学ぶことになると知った。これまでもそれなりに受けてきた淑女教育とは比べ物にならない量だ。
苦しい日々が始まるのかもしれないと思うと不安だけど、第一王子の婚約者に選ばれたからには、リザリオン侯爵の名に恥じない優秀さを見せてみせるわ。
教師の方々との顔合わせも行って、王妃教育初日の予定は終了となった。本格的な王妃教育は明日から始まる。皆、私に期待してくれていると感じる。それも嬉しくて、更にやる気が出てきたわ。
今日はこの後は、王妃様とお茶をする予定だけね。せっかく王宮に参ったのだから、王子殿下にもご挨拶してから帰りたい。
王宮の侍女に案内されて、小さなテラスへと辿り着いた。お茶会の準備は終わっているようだけど、王妃様の姿はまだない。侍女に促されて先に席について、王妃様を待っていると、十数分後に王妃様がお越しになった。
話し相手が欲しかったのだと王妃様が仰っしゃられて、お茶会はにこやかに始まった。王妃様のお話相手に選ばれたというのは、将来家族になるということを踏まえても嬉しいと思う。
「王妃教育が始まったんだっけ?」
「はい。今日はおおまかな説明を受けました。明日から本格的に始まります」
続けて意気込みを語ろうとしたけれど、王妃様が口を開かれたため、私は言葉を止めた。
「別にあれやらなくていいから」
「・・・と言うのは?」
「あなたは王子と結婚しないから、やるだけ無駄だもん」
場が凍りついた。私の聞き間違いかとも思ったけれど、給仕や護衛のために控えている使用人達も戸惑っているみたいだから、王妃様の言葉に驚いているのは私だけではないのだわ。
「王妃様、私は昨日、第一王子のエリオット殿下と婚約をいたしました。私達の婚約は国王様と王妃様もお認めになってくださったはずです。私が王子殿下と結婚しないというのはどういうことでしょうか?」
「もう、焦らないで。私が話したかったのはここからなんだから」
「・・・はい。申し訳ありません」
「いいのよ」
謝ってしまったけれど、今のは本当に私が悪いのかしら。王妃様はお気になさらない様子ではあるから、これ以上は何も言わないけれど。
皆が困惑している一方で、王妃様は得意げな表情のまま話を続けられた。
「愛を知らずに孤独に育った王子様は運命の人と出会って真実の愛を知るでしょ?それで初めて幸せになれるんだから、王子様の運命の人が侯爵令嬢なわけないじゃない」
「・・・王子様の、運命の人、ですか?」
「そう!やっぱりここは元平民の男爵令嬢とか、まぁ、よくて子爵令嬢かなぁ」
本当は平民っていうのが一番なんだけどねぇ、と王妃様はいきいきと話される。
眼の前の人が何の話をしているのか分からない。私達の婚約の話ではないの?王子様って言い方は何?運命の人?王子の結婚相手は下位貴族が理想と言うこと?つまり、王妃様は殿下と私の婚約を本当は認めていないということなの?
「王子殿下に運命の人が他にいるなら、何故私と婚約をさせたのですか?」
「だって、王子様の運命の恋はドラマティックなのが常識でしょ?そのためには悪役が必要じゃない!傲慢で我儘な位の高い貴族のお嬢様。偽りの愛を押し付けられて、王子様は婚約者にうんざりするのよね。ふふっ、ちょうどいいのがいてよかった!」
ちょうどいい?何を言っているの、この人は?待って、分からない。
おかしい。絶対におかしい。ドラマティック?悪役?恋愛小説の話でもしているの?
私のことを、ちょうどいい悪役と言ったの?そのために婚約をさせたと?
私のことを、好き勝手に扱っていいお人形だとでも思っているの?
私は、リザリオン侯爵家の令嬢よ。こんな、こんな侮辱があっていいはずないわ!
この屈辱を許してはならない、と反撃をする気持ちで口を開いて息を吸い込んだ時、尊敬する人の一人が私を制止した。
『ローゼリア、いつでも微笑みを忘れてはいけないわ。心は顔に現れるものよ。笑顔でいられるというのは、心にゆとりがあるからこそよ。冷静さを保つ者は、困難な状況でも的確な判断を下せるの』
母上の言葉が脳裏をよぎる。人は怒鳴るから腹立たしくなり、涙を流すから悲しくなるのだ。だから、いつでも笑って、心に余裕を持つことで、あらゆる場面で強者になりなさい。そうやって教え込まれたのだったわ。
深呼吸をして、力んで握りしめていた手の力をゆっくりと抜いていく。
落ち着いて、落ち着くのよ、ローゼリア。どれだけ侮辱されても、相手は王妃。迂闊な発言は私の身を滅ぼしてしまうわ。
私は母上と父上の娘だもの。どのような状況に合ったって、上手に対応できるのよ。
「だから、どうせ無駄にしかならない王妃教育なんかしなくていいのよ。ほら、王妃教育って言葉だけですごい大変そうじゃない?私も難しいこと全然分かんなかったから、結局やらなかったし」
王妃は変わらずにこやかで、私って優しいでしょう?という言外の言葉が聞こえてくる。
母上の言葉を思い出して多少落ち着けたからか、腹立たしさが多少鳴りを潜めて呆れる気持ちが出てきた。怒っていいと思うけれど、怒ったら負けな気がしてきた。
この方、王妃教育を受けなかったと言われたわね。発言やふるまいに品を感じられなかった理由がよく分かったわ。元平民だと聞いていたから、染み付いた習慣が抜けないのかと思ったけれど、自身が変わる気がなかったということね。
こうなると、今日顔を合わせた教師達の私への期待の意味が重くなってくる。彼らの王妃教育に対する姿勢は本気だったように思う。侯爵令嬢として、この期待を裏切るわけにはいかないわ。
恋愛劇の悪役を宛がうために婚約させられたなんて聞かされたのだから、正直なところ、今すぐにでも婚約解消を願い出たいけれど、そしたら私に不利益な情報を社交界に撒かれかねない。いくら無礼だとは言ってもこの人は王妃だもの。社交界のリアルを知らない今の私が、目指すべき結末を決めるのは、時期尚早だと思う。
「悪役が必要と仰っしゃられましたけど、王妃様は、私にどのような令嬢であってほしいと思われるのですか?」
「それはもちろん我儘で傲慢な令嬢よ!というか、なってほしいなんて思ってないよ。侯爵令嬢なんだから、我儘で傲慢なことは分かってるんだから」
既に私が我儘で傲慢な人間だと言うこと?本当に失礼な人ね。私に限らず、高位貴族の令嬢皆が我儘で傲慢だと言っているように聞こえるけれど、偏見にも程があるわ。
それにしても、これだけのことを言われているにも関わらず、王妃から私に対して、嫌悪感や悪意が感じられない。それがとても恐ろしい。
こんな人が王妃殿下だっただなんて。父上と母上の言葉の意味がよく分かったわ。
「王妃様は先程、私に王妃教育を受けなくてよいと仰ってくださいましたね」
「ええ、そうよ」
「でも、私、王妃教育のおかげでこうして王宮に参ることができるようになったのです。この機会を逃すのは耐え難いですわ。折角ですもの、王妃教育の名の下、王宮には何度でも足を運ばせていただきたいと思います」
「まぁ!・・・しょうがないね。来たいって言うのをダメって言うことは私はできないもん」
「お心遣い感謝いたします」
王妃が驚きながらもどこか満足そうにして、席を立ち、テラスを去っていった。
王妃お望みの嫌な令嬢のような発言ができたということかしら?不服だけれど、この方針で今後は対応していかなければならないということね。
今日の予定はこれで終わり。王子殿下と顔を合わせるだなんて、そんな気は失せてしまったわ。むしろ、会いたくないくらいかもしれない。国王陛下や王子は王妃のこの話を知っているのかしら?
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