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11.妊娠
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「お嬢様の保釈が決定しました」
若木家の顧問弁護士八ヶ岳信郎は満面の笑みを浮かべた。
「冷た…」
居間のソファーで若木芙美子は顔を赤らめ座り直した。
「どうかしましたか?」
股の奥から乙芽の吐き出した体液がトロリと溢れ出たのだ。
「あ、いえ。それはもう伺いましたよ」
「そうですね。保釈金700万とは随分吹っかけられました」
「端た金です。他に何か?」
この場に夫の若木猛がいない事が少々不自然に思えた芙美子は訊いた。
「実は、早苗さんは妊娠しておられます」
「え、まさか…」
「本当です。送検された後の検査で判明しました。すでに4ヶ月を過ぎていて堕胎はよした方が良いというのが医師の意見です」
「どうして…」
「胎動があるまで気付かないケースもままあるようです」
芙美子は絶句した。履き替えたばかりのパンティーが乙芽の粘液で汚れていくのも気にならなかった。
「留置管理の責任者には一般水準の医療を受けさせる責任があるので、それを理由に拘留執行停止を申し出る事も出来たのですが早苗さんの方から断られました」
「どうして?」
どうして、何故。そんな単語しか出てこない。
「それとこれとは話しが別だからと」
「変な所で頑固なのよ…」芙美子は溜息を漏らした。誰に似たのだか。
「父親は誰なの?」
「お嬢様と同時期に逮捕された尾形という男のようです」
「ああ、どんな素性の男なの?」
「最悪ですね。横領以外にも余罪あり、前科あり。短くても10年は食らうでしょう」
「主人はその事を?」
「昨夜遅く、報告済みです」
それで帰って来なかったのか。何処かで憂さ晴らしをしてるに違いない。
そう言えば乙芽が出かける時、「五反田に行かなくちゃ」と言っていた。
またあのオカマの所だと芙美子は予想をつけた。
「犯罪者と結婚させるわけにはいかないわね…」芙美子は呻いた。
「仰しゃる通りです」
八ヶ岳信郎は紅茶と一緒に出されたバウムクーヘンに手を伸ばした。
若木家の顧問弁護士八ヶ岳信郎は満面の笑みを浮かべた。
「冷た…」
居間のソファーで若木芙美子は顔を赤らめ座り直した。
「どうかしましたか?」
股の奥から乙芽の吐き出した体液がトロリと溢れ出たのだ。
「あ、いえ。それはもう伺いましたよ」
「そうですね。保釈金700万とは随分吹っかけられました」
「端た金です。他に何か?」
この場に夫の若木猛がいない事が少々不自然に思えた芙美子は訊いた。
「実は、早苗さんは妊娠しておられます」
「え、まさか…」
「本当です。送検された後の検査で判明しました。すでに4ヶ月を過ぎていて堕胎はよした方が良いというのが医師の意見です」
「どうして…」
「胎動があるまで気付かないケースもままあるようです」
芙美子は絶句した。履き替えたばかりのパンティーが乙芽の粘液で汚れていくのも気にならなかった。
「留置管理の責任者には一般水準の医療を受けさせる責任があるので、それを理由に拘留執行停止を申し出る事も出来たのですが早苗さんの方から断られました」
「どうして?」
どうして、何故。そんな単語しか出てこない。
「それとこれとは話しが別だからと」
「変な所で頑固なのよ…」芙美子は溜息を漏らした。誰に似たのだか。
「父親は誰なの?」
「お嬢様と同時期に逮捕された尾形という男のようです」
「ああ、どんな素性の男なの?」
「最悪ですね。横領以外にも余罪あり、前科あり。短くても10年は食らうでしょう」
「主人はその事を?」
「昨夜遅く、報告済みです」
それで帰って来なかったのか。何処かで憂さ晴らしをしてるに違いない。
そう言えば乙芽が出かける時、「五反田に行かなくちゃ」と言っていた。
またあのオカマの所だと芙美子は予想をつけた。
「犯罪者と結婚させるわけにはいかないわね…」芙美子は呻いた。
「仰しゃる通りです」
八ヶ岳信郎は紅茶と一緒に出されたバウムクーヘンに手を伸ばした。
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