レナのレッスン ~スレイブのおけいこ(^-^)~

take

文字の大きさ
31 / 52

31 秘書のお仕事


 ぶつかるっ!

 高速道路の追い越し車線を制限速度の二倍以上でぶっ飛ばし、アッパーライトをチカチカさせながら前の車のテールバンパーギリギリにまで接近し、瞬間、隣の走行車線にスライド。一瞬で抜き去る。

「・・・ひ、・・・」

 追い抜きさま、運転手の顔が見えた。

 気違いか・・・。

 そんなことを言っているような気がした。

「とろとろ追い越し車線走ってるからよ。煽るのもアホだけど煽られるのもバカだからよ」

 スミレさんは涼し気にのたまわった。

 一般道に降りても遅い車を蹴散らし何十台も追い越しまくり、ここまでの曲がりくねった山道を激しくドリフトしながら駆け上られて、もう何十回も、レナは死んだ。

 かつてこの国が帝国と呼ばれていたころに建てられたという、館。

 元は軍隊の司令部みたいなところだったらしい。敗戦後その所有者が何度も変わり、ついに解体されるという寸前に、ある華僑系のリゾートホテルグループが買い取り、この別荘地の管理棟になった。

 玄関前に張り出したアプローチにシフトダウンしながら車が昇って行く。スミレさんの右手がようやくギアをニュートラルに入れてくれた。ぶんぶん。アクセルをふかしながら、サングラスの奥でレナを睨んでいる。

「着いたよ。降りて」

「・・・は、はひ・・・」

 スミレさんに何十回もレイプされたような余韻からなかなか立ち上がれずにいた。

 よろよろと足を地面に着けている間に、彼女はさっさと車を降り、代わりにホテルのベルボーイのような制服を着た若い男が運転席に座った。

「何してるの。もたもたしない」

 この人、絶対、マゾじゃない。どエスだ・・・。チビらなかっただけでも偉いと自分を慰めたかった。

 彼女の後を追って管理棟である本館を真っすぐ突き抜ける。高い天井。国会の議場のような風格のある内装。年代物の豪奢なソファーが置かれたラウンジにバー。フロントのカウンターの中から、丁寧ではあるが入館者を厳しくチェックする、目。

 高価そうな絨毯を踏みながら裏手のドアを押すと、元は演習用地だったらしいその広大な空間に、英国の田舎を再現したような田園地帯が広がっていた。農家を思わせる、統一された意匠の家が点在し、その間を小川が流れ、低木が植えられ、それらを縫うように自然石で舗装された小路が家々を結んでいた。

 ただ、空気だけは英国のカントリー風ではなく、蒸し暑い日本の夏そのものだった。

 このクソ暑いのに、そこかしこを麦わら帽を被った老農夫が手押し車を押して歩き、長靴を履いて素肌にオーバーオールを着た若い農夫がロバの引く貨車を御してレナ達の前を通り過ぎた。雑多な人種がいた。半分は東洋人だが、残りは白いのも、黒いのもいる。白黒と、黄色の男女の内四分の三ほどはみな老人だった。

 何かのテーマパークのような、そうでないような。不思議な場所だった。

「年寄りが、ここに住んでる人。若いのは警備員だよ」

 やっと追いついたレナに、スミレさんはそう言って笑った。

「大金持ちなんだよ、みんな。贅沢三昧できるのに、時々、わざわざ、こういう農村で暮して野良仕事するのが好きな物好きなんだ。変わってるよね。因みに日本人は一人もいないよ。

 ここにひと月かふた月ぐらいいて、飽きたら次は南の島とか、マカオのカジノとか地中海のエーゲの島とかに行ったりするの。プライベートジェットでね。でもここ最近は少なくなったよ。猛暑と台風のせいかもね」

 あるレンガ造りの、蔦の這う小さな古城のような家の前まで来ると、スミレさんは左手でレナを制し、スマートフォンを操作した。

 --警備、解除しました--

 無機質な女性の声がどこかから聞こえた。

「うっかりこれ忘れて入ろうとすると、みんな飛んできちゃうんだ」

 外観もそうだが、中はもっと簡素そのものの作りだった。

 もわんと熱気の籠る室内。ワックスで磨きこまれてはいるものの、一様でない、所々ごつごつした継ぎ目は古い「カントリー」の古民家をリアルに再現している。築百年以上は経たないとこうはならないのではないか。わざわざ本物を現地から空輸してきたのか、そういう工夫を凝らして作られたのか。わざと、古風質素を演出している。

 つまり、凝っているのだ。それだけ、金がかかっている。マスプロダクトの成果であるコストパフォーマンスというのは高校生のレナでもわかる。

 スミレさんがまたスマートフォンを弄る。家中の家電が息を吹き返す。電気ポットが湯を沸かし始め、エアコンから流れ出る風が徐々に冷たくなってゆく。

 それらが済むと彼女はスマートフォンをキッチンのカウンターの上に放り出し、服を脱ぎだした。ジーンズの下には何も穿いていなかった。スミレさんの美しい、モデルのような肢体を飾る股間と乳首の煌めくピアスを初めて、見た。

「あんたも、暑かったら脱いでいいよ。レナって、汗っかきなんだね」

 全裸のまま冷蔵庫からペリエを取り出してくれた。

 と、無遠慮にレナの顎を摘まみ、瞳をじっと覗き込み、口の端を歪ませた。

 このまま、この人にレイプされちゃうのかな。何故かそんな妄想が浮かんだ。ちょっと、濡れた。

 レナが冷たい炭酸水を喉に流し込んでいる間、スミレさんは奥のベッドルームに一度引っ込み、無地の白いTシャツを被って出て来て、キッチンの椅子に引っ掛けてあったオーバーオールに脚を通した。

「スミレさんは、ここに住んでるんですか」

「こんな、不便なとこに? ご近所が外人のおじいちゃんおばあちゃんだらけのとこにぃ? まさか」

 肩にストラップをかけながら、また鼻で笑った。

「ここはサキさんが管理してる、まあ、事務所の一つだよ。のんびりしたとこで雰囲気もいいから気分転換になる。それと・・・」

 キッチンの引き出しの横に、調味料などを入れておく縦に長い小引き出しの奥にテンキーボードが嵌めこまれていた。スミレさんの指がそのうえで何度か踊る。

 カチ。

 音がして、本来は鍋釜が入れられているはずの引き出しから、数台のノートパソコンが取り出された。それらがむくのテーブルの上に並べられる。彼女がそれらを片端から立ち上げてパスワードを打ち込んでゆくのをレナは黙って見ていた。

「それと、セキュリティーが万全な事。見たでしょ。警備員があちこちにいる。日本人が入ってくるととても目立つ。それにここのオーナーはサキさんの雇い主の怖さを知ってる人だから」

 パソコンが立ち上がるまでの間、スミレさんは死角になる窓を除いてカーテンを閉めて行く。高い天井の梁の上に空いた明かり取りのお陰で、さほど暗くない。

 立ち上がった順から操作を始めるスミレさんの横で、彼女のフルーティなコロンの匂いにボーっとしていると、

「ここ。クリックしてごらん」

 レナは言われた通りのアイコンを左クリックした。

 動画のソフトが起動しローディングがしばらくあり、レナの良く知る部屋の赤外線映像が映し出された。

「秘書の仕事は、大きく分けて、二つ。一つは、サキさんのアシスト。もう一つは、あなた方スレイヴの、お世話」

 昨日、レナがユーヤとプレイしたままの、汚れた部屋がそこに映っていた。

「気が付かなかった? 誰が掃除してくれてると思った? あなたの出した、潮、マン汁、よだれ、浣腸されて漏らしたうんちと、あの男の子の、精液・・・」

 全く考えてなかった。

「考えたりなんか、してなかったよね。あのね、あなたを責めてるんじゃないの。あなたは、わたしの後任に、秘書になるんでしょ? それなら、現実を知らなきゃ。でなきゃ、サキさんのお手伝いなんか、出来ないよ」

 ハイ、これ。

 スミレさんは黒いスマートフォンをくれた。

「秘書用。お掃除屋さん、ってTEL番があるから、そこに電話して『八番お願いします』それだけ言いなさい。それ以外言わなくていい。それだけで、わかるから。ほら、電話して」

 スミレさんから言われた通りに電話帳を探すと「お掃除屋さん」があった。

 短い呼び出し音のあと、低い男の声が「はい」とでた。

「あ、あの、八番、お願いします・・・」

 通話は切れた。

「彼ら、何でも掃除してくれるし、片付けてくれる。例え人間の死体でもね」

 え?

「これ、冗談じゃないからね」

 そんな恐ろしい言葉をサラッと吐く。スミレさんの彫りの深い、深緑がかった瞳が笑った。この人は白人系のミックスか、クォーターだろうか。

「あなたにはまだサキさんのアシストは無理だから、スレイヴのお世話から始めなさい。そのスマホのネットのブックマークに『ログイン』ていうのがある」

 また、言われた通りに操作する。「ログイン」があった。パスワード入力画面が出た。

「あなたの生年月日の下六けた入れて。そのあとに、『SLAvE』 Ⅴだけ小文字にして。これ、どこにもメモらないでね。記憶して」

 冷房は効き始めているのに汗が噴き出す。

 1から8の番号だけが並んだ画面が現れた。なんとなく、8の数字をクリックしてみる。

 佐々木麗奈。生年月日。住所。家電、スマートフォンのナンバー。高校の名前。家族構成。同居か別居か・・・。レナの個人情報が羅列されていた。

 カレンダーが付いている。

 急にまた顎が摘ままれる。スミレさんに唇を奪われる。フルーティーの香りに犯される。

「・・・あ・・・、ああ」

 彼女の舌がレナの唇を舐め唇で擂られる。ドキドキして、それだけで、感じてしまう。

 オーバーオールの膝がレナの両脚を割り、手がワンピースの裾から太腿を這い上ってショーツにかかる。もう一方の手で首の後ろをキープされ、舌が口の中を犯していて、抵抗する気を奪われる。自然に舌がスミレさんのに応えてしまう。

 指がクロッチをずらして、包皮を剥く。

「ああっ!」

 吐息が漏れる。濡れる。

「レナって、感じやすくて、濡れやすいのね。もうそろそろ、生理じゃない?」

 忘れていた。無性にムラムラするのは、そのせいだったかも・・・。

「生理になったら、そのカレンダーに入力して。そうすると、これからの大体の生理の周期を計算してくれる。・・・そう。じゃあ・・・。あと一週間後、かな・・・」

「・・・え?」

「わたしの、最後のお仕事。・・・お使い」

 そう言ってスミレさんは身体を離し、再びレナの顎を摘まんだ。

「ふふ。・・・なんて眼をしてるの? 虐めたくなっちゃうじゃないの」
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。