遠すぎた橋 【『軍神マルスの娘と呼ばれた女』 3】 -初めての負け戦 マーケットガーデン作戦ー

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04 ヤン議員

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 閣下はその容器の蓋を開けると、中に女の生首が入っていた。

「ゲッ!」 

 カンテラを翳していたリヨン中尉がだしぬけに呻いた。北の野蛮人やチナ兵たちを散々に殺してきたヤヨイだったが、さすがにやはり、息を呑んだ。アサシンのくせに、ヤヨイは血を見るのが苦手だった。

「レディーに首実検をさせるのは気が引けたのだが、海軍にはまだ内密にしたかったのだよ。特使が言うには、これが例のミカサに乗りこんできた女指揮官なのだそうだ。どうだろう、その女に間違いないかね」

 氷室に保管されてはいたものの、それは半ば腐乱して朽ちかけていた。だが骨格からして違うように思えた。最後に戦艦ミカサの艦首で直接対決した折のあの女指揮官ミン・レイはもっと痩せていて、面長だったような気がする。

「・・・違うと思います。なんとなく、ですが」

 とヤヨイは言った。

「わかった」

 そう言って閣下は首桶の蓋を閉めた。

 口直しにと、彼は厨房の給仕にコーヒーとレモネードを注文してくれた。

 一行は氷室を出て内閣府の中にあるヤン閣下のオフィスに向かった。

「あんなものを見せて、済まなかったね」

 彼のオフィスの勧められたテーブルの席に腰かけたヤヨイに、ヤン議員は詫びてくれた。

「いいえ・・・」

 元老院議員であり陸軍中佐という上官でもある。しかも帝国皇帝の養子で、皇帝の名代として外交活動も行う。いわば帝国の「国務長官」とも言えるような殿上人の彼にそこまで言われては、最下等の士官としてはそう言わざるを得ない。

 注文した飲み物を持って来た給仕が去ると、彼はデスクに回り引き出しから一通の封筒を取り出して来てテーブルの上に置いた。

「中を改めてもらえないだろうか」

 と彼は言った。

「キミはチナ語を学んだそうだね。ウリル少将から聞いた。わたしは物心つく前に捨てられたものだから会話も朧気で、文字も読めないのだよ」

「これは、何ですか」

 そう尋ねながら封書を手に取り、中の書簡を取り出した。

「特使が言うには、その女性指揮官が処刑される前に書いた、懺悔の手紙だそうだ」

 手紙は黒々とした墨で書かれた毛筆の文字だった。チナのあの絵のような文字を見て、急に脳が働きを鈍くした。

「もちろん、すでに内容は翻訳させてある。だがキミにも目を通してもらいたかったのだ。それを見て感じるところを率直に教えて欲しい」

 供されたコーヒーを一口含み、なんとか脳を叩き起こしてその絵のような文字と格闘した。

 手紙にはこうあった。

 —自分が親の言いつけを守らず、王国の諫めも聞かずに独断で事を起こし、帝国の戦艦の強奪を図ったことは慙愧に絶えない。この上は甘んじて処刑を受け入れ、一命をもって王国と帝国に対し謝罪するものである—

「あの計画が、あの女一人の独断で為された、というのですか?」

「うむ」

「そんな、バカな・・・」

 チナに亡命を図った帝国海軍の旗艦の艦長が、その手土産に戦艦一隻をくれてやろうとした。

 チナは用意周到にもミカサの推進器を破壊し、計略を用いて積載する燃料を減少させてチナ近海におびき寄せ、これに兵を乗り込ませて秘匿した海軍基地に隠そうとした。

「その女士官は『ミン・レイ』と名乗っていました。たしかに正規軍ではなかったのかもしれませんが、あれだけのことをあの女の一存で遂行しようとしたと言うのは、明らかに無理があります。すでにミカサや第一艦隊の砲撃で粉砕、撃沈しましたが、敵の海軍基地には我が海軍の軽巡洋艦までありました。わが帝国から設計図を盗んで独自に建造していたものです。あれは、間違いなく国家ぐるみの犯罪です。それ以外のなにものでもないと思います!」

 ヤヨイは言い切った。

「それは私も思った。特使の言い分には、無理があり過ぎる」

 ヤン閣下は言った。

「だが、私は証拠が欲しいのだ。あの首桶の中身や、この手紙が噓偽りであるという証拠が。

 我が海軍の要塞にも等しい、最新鋭の戦艦を強奪しようとしたというだけで宣戦布告には十分な理由になる。だがさらに、それを嘘で糊塗しようとしたという証拠があれば、我々の大義名分はゆるぎないものとなる。この一件がチナの一豪族の独断ではなく、国家ぐるみの陰謀であるという証拠が欲しいのだ」

 ヤヨイはその手紙を穴のあくほどじっと見つめた。そこで、ふと、閃いた。

「ひとつ、ありました」

「ほお。それは?」

 ヤヨイは手紙を広げてヤン議員に示した。

「我々は文字をペンや鉛筆で、左から横に書きます。ですが、チナ語は違うのです。チナ語は筆で縦に、右から改行して左に続けて書くのです」

「うむ。それは知っている」

「しかも、必ず右手で書きます。チナ語を教えてもらったチナ人街の人に不合理ですね手が汚れないのですか、と訊いたことがあります。目上の人に読ませる文章ならなおのことなのだそうです。左手で文字を書くのは失礼に当たり、もし、目上の人に左手で書いた手紙を送ったりすれば、場合によっては罰せられることもあるのだそうです。

 もしこの手紙がミン・レイが書いたものだとするなら、この手紙にはチナ人としての誠意が全くないか、特使が嘘をついている証拠になります」

「というと?」

 閣下は身を乗り出した。

「ミンには、彼女には右手が無いのです。わたしが半月刀で切り落としたからです」

 クールに、きっぱりと断言した。

 ヤン閣下は目を見開いた。

「それだ! 」

 と頷き、指を鳴らした。

「ありがとう、少尉! 一個軍団の増援を得た思いだよ」

「いいえ・・・」

 一下級士官としては謙遜せねばならない。

 隣の「マーキュリー」は相変わらず空気で、レモネードをちゅうちゅうと吸っていた。

「時に、ウリル少将は変わりなかったかね」

「はあ・・・。まあ・・・」

 叱られたことを思い出し、ヤヨイは歯切れ悪く語尾を濁した。

「なにか、少将にご懸念でもおありなのかな?」

「いえ、あのう、機嫌が悪かったです。・・・たぶんわた、小官が遅刻したせいだと思います」

 途端に「マーキュリー」がヤヨイの脇腹を小突いた。

「遅刻だって?」

 ヤン閣下は苦笑しながらヤヨイの説明を促した。

「はい。航空偵察の写真を届けるのが二日遅れまして・・・」

「ああ、そうだった。貴官は飛行機の操縦もできるのだったね。航空偵察で、何かトラブルでも?」

「エンジンが不調になり、それで止む無く不時着して帰還が遅れたのです」

 話が面倒になるので例のパイロットの反逆は言わなかった。

「なるほど。それはチナの攻撃で、かね?」

「高射砲は撃たれましたが、エンジンの不調はそれが原因ではなかったです」

「ほう・・・。チナは高射砲まで持っているのか。因みに、どのあたりで、かね?」

「ちょうど、アルムの村の、港町の撮影を終えてすぐの地点です。今回だけでなく北の第二軍の侵攻予定地を撮影した折にも攻撃を受けましたが、射程が短すぎて偵察機の高度には達しませんでした。やはり侵攻予定の最も深奥部の地点です」

「なるほど・・・。首都防衛に注力しているようだな。奥に行くほど厚い防衛体制を敷いているということか・・・」

 ヤン閣下は何かを思案するようにテーブルの上の空気を見上げた。


 


 

 特務機関の二人が帰ったあと、ヤンは思案から舞い戻ってデスクの上のベルを鳴らし隣室の秘書官たちを呼んだ。

「お呼びでしょうか」

 金髪をクールにまとめ上げ、女性らしい長めの丈のテュニカを着てお洒落なミリタリー風のひざ下まである編み上げサンダルを履いた秘書官がオフィスの戸口に立った。

「マーサ、まだいたのかね」

 彼女はオフィスに入りドアを閉めた。

「ええ。他の方はみんな帰られました。でも、閣下がおいでになるのに、帰れません」

「そうか。それは申し訳なかった」

 ヤンはデスクの引き出しに書簡をしまうと立ち上がってクローゼットに歩み寄った。

「それでは帰り際に警備の詰所によって言伝を頼む。チナ人街のクーロン飯店に行ってワン特使に『至急おいでいただきたい』と使いしてくれ、と」

 そう言って軍服のベルトを外し、白のテュニカとトーガを選び始めた。

 マーサと呼ばれた秘書官は頬を緩めた。

 彼女はバカロレア出の才媛でヤンが懇意にしている貴族の議員の娘だった。才覚のある女だがそれを鼻に掛けることもなく、もちろん貴族の娘であることをひけらかしたりすることもない。よく気が付くし、時にはヤンの及ばないような深い洞察からくる示唆を与えてくれることもあった。

「これからお会いになるのですか。それでは帰るわけには行かないじゃありませんか。クーロン飯店にはわたしが警備兵を同伴してまいります」

 帝国とチナとは法的には停戦状態にある。だから互いに大使館などの出先機関は設けていない。用があれば相手の使節を呼びつけるかこちらから出向くかする。チナの特使であるワンという男の一行は、チナ人街にある最高級のチナ風ホテルに滞在していた。

「そうか、済まないな、マーサ」

「では、行ってまいります」

 着替えをしながらチナの特使を追い詰める算段を考えていると、ここ数日のストレスが少しは発散できるような気がした。

 ひと月前、ノール王国に交渉と調印のために出張した帰途、北の諸軍団の牽制作戦成功の報に接した。万事予定通りだと気を良くしていたらワン特使の再訪の報を受けたのだった。

 特使にはミカサ事件の直後に会ったばかりだった。チナの首都との距離を考えると早馬を飛ばして訓令を仰いだのだろう。あんな偽物の首桶などを持ってきてすぐ見破られるような小細工するぐらいだ。明らかに、チナは焦っている。

 30年前の交戦以来、帝国とチナとは休戦協定を結び政府間の交際はないものの民間ルートでの貿易は続いていた。

 それを停止したのだ。

 先月、ミカサ事件を受けて断交を通告した折のワン特使は傍で見ていてもわかるほど狼狽していた。

「断交とは戦争を意味するのか」

 通訳の声を横に聞きながら、ヤンはワン特使の脂の浮いた顔に穿たれた細い眼を凝視し続けていた。

「断交は戦争ではない」

 ヤンはそう答えただけだった。今はそれ以上言を与えるべきではないと思ったのだ。

 部隊を動かし始めてから進撃準備完了まではどうしても二か月はかかる。そして帝国全土に戦時動員をかけるのは宣戦布告後でなければならなかった。十個軍団以上もの大部隊を動かせばどれほど秘匿しようとその動きは知れる。すでに全ての国境は閉ざしたが、チナはそれを察して焦って特使の尻を叩いているのだろう。

 だが、まだ早い。もう少し時間が欲しい。

 白のテュニカに着替えたヤンはデスクの電話を取り上げた。

「統合参謀本部のシュタイン中将を」

 交換が繋いでくれるのを待っていると、相手はすぐに出た。

「ヤンです。今日はご苦労でした。実はこれからチナの特使と会います。そこで攻撃準備完了の見通しをもう一度確認したいのだが、機甲師団の燃料はあとどれほどで予定の量に達しますか。・・・そうですか。わかりました。ありがとう」

 ヤンは電話を切った。

 やはりあと一か月か・・・。

 それまではのらりくらりと時間を稼ぐの一手だ。首桶の一件もあまり虐めないようにしてやらなくては。あと二往復ほどは本国に訓令を仰がせるように持っていけばいい・・・。

 ドアがノックされた。先刻使いに行ったばかりのマーサがもう帰って来た。

「先方は一時間ほどで伺うとのことです」

「こんな時間に呼びつけたのにかね。あのホテルの満漢全席でも愉しんでいるかと思いきや、随分と気ぜわしいことだな。そうか。では思い切り歓待してやろう。貴賓室の手配を頼む。それと、軽食の用意もな。それこそ、チナ産の七年物の逸品でも振舞うとしようか」

「わかりました。閣下、トーガの着付けはお手伝いしますよ」

「そうか。いつもありがとう、マーサ」

 そう言って秘書のマーサはドアの向こうに去った。

 ふと、先ほどまでいた特務機関の少女を思い出し、ヤンは再び電話を取った。

「クィリナリスのウリル少将を」

 特使を迎える前に、ぜひ彼の意見を聞いておかねば。まだ陸軍少佐だった帝国皇帝に引き取られて育てられたヤンは、皇帝の甥であるウリル少将とも縁戚関係にある。家族と言ってもいいぐらいに古く深い間柄だった。

 電話口に彼が出ると、親しみの籠った言葉をかけた。

「まだおいでだったのですね、おじさん」


 

 ああは言ってみたものの、やはり、750万マルクの飛行機を壊した言い訳のために、士官になりたての世間知らずを一人で行かせるのには気が引けた。

 ウリルは配備されたばかりの電話を大いに活用した。

 まず、飛行場付属の航空工廠の責任者を呼び出し、偵察機の不時着とパイロットの造反を伝え、代替機の手配とパイロットについての調査を至急行うように依頼した。次いで憲兵隊にも連絡し、航空工廠の調査とスタッフの身元確認、そしてこれ以上の機密漏洩を阻止することを指示した。

 その電話を終えて間もなく、

「閣下、元老院のヤン議員からです」

 交換が伝えてきた電話を取ると、心安らぐ声が聞こえてきた。彼、ヤンが「おじさん」と呼び掛けて来る時は、いつも疲れている時だったのを思い出した。

「そちらこそ。こんな時間にまだ執務中だったのですか」

 ウリルにとって、ヤン議員は叔父である帝国皇帝の養子だから義理の甥っ子になる。彼とは第十軍団の官舎住まいだったころから親戚づきあい以上の間柄で、多忙な軍務の合間を縫ってはヤンと同じく「盾の子供たち」として引き取って育てていたタオと一緒に公衆浴場へ行ったり、市民用のギムナジウムで汗を流したり、丸一日かけて汽車に乗りターラント近くの海水浴場に連れて行ったりしたものだった。タオを喪った今、妻にも早世された独り身のウリルにとっては息子のように思える存在だった。

「今、『マルス』たちが帰りました。おじさんに叱られたとしょげていましたよ」

 今日一日緊張の続いていたウリルの顔にやっと微笑が浮かんだ。

「はは・・・。しょげていましたか、あの娘は」

 息子のような存在とはいえ、今は帝国皇帝を支える有能なブレーンの一人になっている。ウリルは若き元老院議員に対する礼はいささかも失わなかった。

「彼女に首実検をしてもらったのです。例のチナの特使が持って来たものです。若いレディーにはちょっと酷かと思いましたが、おかげでチナの焦りを確認できました」

「やはり、替え玉でしたか」

「はい。おじさんは優秀なエージェントを手に入れましたね」

 ウリルはその賞賛には応えずに、電話をしてきたヤンの真意を探ろうとした。

「で、その対応にお悩みになっておられるのですな」

「はい。実は、そうなのです。『マルス』からおじさんが『怒っている』と聞いて、やはり昼間のことが気にかかりました」

「・・・そうですか」

 ウリルは深い溜息と共に言葉を吐いた。
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