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2022
論客さんたちのこと
しおりを挟むあいかわらず忙しい日々でございまして、なかなか「遠すぎた橋」の更新が出来ていないのにこういう駄文を綴るのは不誠実かと思うところもあるのですが、「何ものかを発表して世に問う」アマチュア物書きの端くれである以上、自分の立ち位置のようなものを確認する意味においても一言あるべきと思い筆をとった次第であります。
前置きが長くなりましたが、例のウクライナの一件です。
ヒドイですね。
一般のマスコミが報じない記事もユーチューブやSNSは教えてくれます。
そういう記事に接した多くの人の感想を一言で言い表すなら、
「今って、本当に二十一世紀なの?」
ではないかと愚考します。
もう二十世紀までに散々にやり尽くされたあらゆる非道が行われている。それらの記事や映像が連日のように世界中に流れています。
一刻も早くロシアが諦めて撤退し、ウクライナに平穏が訪れ、人々が幸せに毎日を送ることが出来るようになることを願ってやみません。
詳しいこと、具体的なことは敢えて書きません。それはマスコミの仕事です。筆者の仕事ではありません。もしマスコミがそれらを全て正しく伝えないなら、もう報道機関のカンバンを下ろすべきです。
さて、そんな中で気になったのは日本の論客と言われる人たちの言動です。あまりなその内容に絶句してしまいます。今も猛烈なロシアの攻勢に耐えて反撃しているウクライナの人々に対して言うことか、と。
やれ、「早く降伏しろ」だとか、逃げるのも選択肢だとか、あのゼレンスキーという大統領もちょっとおかしい、だとか。
具体的なその人たちの名前や発言の内容は書きません。
ですが、彼らの発言はいずれも恐ろしく日本的で、ロシア周辺の国々に生きる人々の現実や過去数百年にも遡る長年のロシアへの不信、憎しみ、恐怖、ロシアの許から脱してヨーロッパに加わりたいという強い願望がわからないのだ、としか感じられません。要するに、論客という端くれを自認するならば、もっと勉強してから言えと言いたいのです。
私事ですが、今書いている「遠すぎた橋」は、女殺し屋を主人公にしたスパイもの、戦記物、ミリタリーものを書きたくなって去年から投稿しているシリーズものの3作目になります。
設定は遥かな未来。今の文明が滅び、僅かに生き残った人々が再び国を作って争い合ったりしている世界です。主人公である20歳の女の子が暮らす「帝国」は周辺に野蛮で狡猾な国々や民族を持ち、常に軍備を維持しこれに対しています。
「帝国」の北に棲む「野蛮人」。
いくつかの部族に別れ、部族同士で抗争に明け暮れ、捕虜を取ったり取られたり、捕虜の首を切ったり皮を剥いで部落の入り口に飾ったりする。
読んでいただければわかりますが、そんな「北の野蛮人」のモデルはロシア人です。もちろん、今回のウクライナ侵攻を予想して書いたものではありません。
ロシアという国はソビエト解体の前、帝政ロシア、それ以前からずっと、周りの国を脅かし、力で服属させて残虐の限りを尽くしてきた国なのです。甘事を言って相手を油断させて不意打ちをくらわし、約束は必ず破る。
日露戦争の時、外務大臣を務めた小村寿太郎はこう言っています。
「ロシアとの協約などナンセンス。山賊の手練手管に騙され、縛られて手籠めにされて肝心の結婚など簡単に反故にされ捨てられる村の小娘と同じ」
現に日本も1940年にソビエト・ロシアとの間に「日ソ不可侵条約」を結びましたがそれを一方的に破り満州樺太千島に侵攻してきて未だに北方領土と南樺太を返してくれていません。
その本質は旗の色が赤から三色に変わった今も全く変わっていないのです。
二十一世紀に入ってからだってすでに、2008年グルジア、ジョージアへの侵攻、2014年にはウクライナのクリミア半島への侵攻を強行しています。
ああ、この国はまたやるだろうな。
そう思ってモデルにしたのです。
憲法にまで「将来はEU・NATOに加盟する」と謡っているウクライナ、グルジア・ジョージアだけではなく、フィンランドも「ロシアのくびきから脱してヨーロッパに属したい」と模索していると聞きます。旧ソ連崩壊後、チェコ、ポーランド、ハンガリーと言った、かつて「鉄のカーテン」の向こう側「ワルシャワ条約機構」に属した国々が合いついてNATOに加盟しました。バルト三国と言われる国も、スロバキア、ルーマニアなどその後も加盟国が増え続けています。
周辺の国々を力でねじ伏せ、殺戮、暴行、強制連行といった蛮行をもう何百年も繰り返している。今回のウクライナでも同じでした。
ロシアという国はそれほどまでに憎まれ、恐れられているのです。ポーランドもチェコも、かつてはロシアに抑えつけられ、国土を滅茶苦茶にされた国です。今回のウクライナ侵攻に際し早々に難民を受け入れウクライナに武器を供与しています。決して他人ごとではない。明日は我が身。ともにロシアと戦おう、と。そうした深い想いがあるのでしょう。
論客というほどならば、ちょっと調べればわかるそうした現実くらいは踏まえて発言するべきです。安全な日本に籠って軽はずみなことを言ってはいけません。
日本だってすぐそこに危機を抱えているのですから。
尖閣諸島が奪われれば台湾はやられますよ。そうしたら次は沖縄ですよ。その場合でも、台湾や沖縄の人たちに「逃げるのも選択肢だ」というつもりなのでしょうか。そして沖縄がやられたら、日本全てがいずれ確実に「中国・ロシアのくびき」の辛酸を嘗めることになってしまいますよ。
中国・ロシア相手に暢気な日本の価値観は通用しないと思います。「手籠めにされて結婚も反故にされて捨てられる村の小娘」になってから後悔しても遅いと思うのですが。
もう一昨々年になるのですが、ラグビーワールドカップのオーストラリアとジョージアの試合を観戦した折のことが今でも印象に残っています。
うちの幼い娘が習いたての英語で隣の席のオーストラリア人と交わしている拙い会話に微笑ましく耳を傾けていたらすぐ後ろの席で、
「ジョージア! ひゃっほー、ワーオ!」
もう、うるさいことうるさいこと。
振り返ると毛むくじゃらの大男の横に日本女性らしき人がいましたから奥さんの国で暮らしている人なんだろうなと察しました。自分の国が強豪のオーストラリア相手に善戦しているのに昂奮してしまったんだな、と。そう思うと同時に、自分の国の名前を大声で叫ぶことが出来る喜びを満喫しているのだな、とも感じました。
娘がオーストラリア人のご夫婦に気を遣って、
「オーストラリア、ガンバレー! ファイトーォ!」
負けじと声を張り上げていました。
ラグビーであれサッカーであれ野球であれ、そうした対戦なら大歓迎なのですが。
最期にもう一度言います。
ウクライナの人々に一日も早く平和が訪れることを願ってやみません。
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