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2023

うまれかわり

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 16歳で天寿を全うしたラブラドールのラブが天国に行って、早いもので一年になります。

 我が家に来てくれたミックスのミッキーも早いもので1歳になりました。

 ラブがなくなってからミッキーが来てくれたので、この2人には「のりしろ」がありません。

 ですが、この2人、どうにも似ているところがあるのです。

 ラブはチョコの犬、ミッキーはグレーのネコなのに・・・。


 

 

 前にも書きましたが、ラブはとても人懐こいイヌでした。イヌやネコには警戒するのに、ヒトには全くの無警戒、かむかむえぶりばでぃ状態で、とても番犬などは勤まらず、夜近所を徘徊するタヌキやイノシシがコワくて夜は家の中で寝かせていたものです。

 いっぽうのミッキーはというと・・・。

 実はコイツも人懐こいネコなんです。

 「ネコは場所につく」と聞いてましたが、コイツはどこにでもくっついてきます。

 膝の上、パソコンはしょっちゅう。ふとんの中、人が読んでる新聞の上、読みかけの開いた本、人が観てるTVの前、果てはトイレにまで入って来ようとします。

 しかも、噛みます。「カムネコ」という種類か、と思うぐらいです。

「ミッキーは可愛いなあ」

 小生が彼女の頭を撫で、首筋をこちょこちょし、背中を撫で、お腹を撫でようとすると・・・。

「かぷ」

 容赦なく、噛みます。「飼い犬に手を噛まれる」という言葉を思い出します。ラブは一度だって噛まなかったのに・・・。

「いてて」

「あお~ん!」

 どうも、吠えてるつもりらしいのです。

 ネコって、吼えるのか?

 ライオンは、吼えますね。

 ラブは滅多に吼えなかったのに・・・。


 

 ずっと、ネコは「にゃあ」だけだとばかり思ってましたが、コイツはよく、吼えます。

 しかも、しゃべります。ネコ語で。


 

「おはよう、ミッキー」

 首筋をわしわしと撫でてやると、

「おおい」

 あくびしながら応えます。小生の手をペロペロ舐めますので、噛む気はないようです。

 で、グルグル言いながら小生の足元にまとわりつきます。

「おお、そうか。じゃ、朝のおやつな」

「んわっ!」

 ホントにそう言います。

 で、グルグル言いながら小生の手のひらからおやつを食べます。

 で、ゴロン、です。

「・・・んあお」

 要するに、朝っぱらから、「遊んでくれ」と言っているわけです。

 冗談じゃありません。朝は忙しいのです。ネコの相手してるヒマありません。ネコの手も借りたいほどなのです。

 無視していると、ゴロンの位置を我が家の人間どもが歩く導線に移動します。何が何でも遊んでくれ、というわけです。

 それも無視して、邪魔な時は彼女を跨いでスタスタしていると、やがてムッとしたのか、

「んにゃ(# ゜Д゜)!」

 怒ったように窓際に行ってネコ草をはむはむし始めます。

 やれやれ・・・。

 イヌの100倍疲れるな。

 

 やがて我が家の人間どもが起き出して、彼女の相手をし始め、彼女のエサとか水とかトイレのお掃除をし始めるとリビングで最も高い場所、つまり、本棚の上に昇って「召使いたち」の仕事ぶりを監督し始め、それが終わるや、

「うにゃ!」

 おもむろに降りてきて、ご飯を食べてお水を飲んで、出すものだして、やっと、落ち着きます。

 

 前にどこかのマンガ家さんがおっしゃっておられましたが、

「犬は人間の下僕で、人間は猫の下僕だ」と。

 つまり、ネコの飼い主は、ネコのドレイだ、というわけです。

 ミッキーを見ていると、その言葉に大いに頷けます。


 

 人間どもがそれぞれ仕事や学校にでかけているあいだのことはよくわかりませんが、小生が帰宅すると必ず出迎えてくれます。

 そういうとき、小生は思い出します。

「ああ、ラブも必ず出てきてお出迎えしてくれたっけなあ・・・」

 ラブは無口でしたが、必ずちぎれるほどにしっぽを振っていました。犬にも喜怒哀楽の表情がありますが、そういう時のラブはいつも笑顔でした。その顔にいつも癒されていました。

 でも、ミッキーは、というと・・・。

 お出迎えそうそう、

「うなっ! わにゃあ!」

 何やら怒っているような声を上げます。あえて訳語を付けるとすれば、

「こんな遅くまでどこほっつき歩いてたのよ、この、グズ!」

 そんなカンジでしょうか。

「どうしたの、ミッキー?」

 小生が話しかけると、つ~ん、というカンジで、奥に引っ込んでしまうのです。

「んな、怒んなよ。ね?」

 ご機嫌を取りつつ、ナデナデしようとすると、

「かぷ」

 噛みます。

 それなのに、小生が自室に引き上げて机に向かっていると鈴の音が響いて来て、いつの間にか、シレッと膝の上に乗ってきたりします。

 もう、ツンデレ。

 我が家のミッキーは、その最たるもの、だと思います。


 

 で、リビングで人間どもがTVを観て寛いでいるときなど、

「あれ、ミッキーは?」

「知らない。どっかにいるでしょ」

 そんな会話をして、再びTVの続きを観ていたりすると、いつの間にか、すぐそばにいたりします。

 偶然かどうか、よくわかりませんが、その場所はかつてラブがいたころに、彼女がよく座っていたお気に入りの場所なのです。彼女が最後に息を引き取ったのも、その場所です。

 そこに、ミッキーがゴロンしていました。

 あやうく、

「ラブ!」

 そう呼びかけそうになり、慌てて、

「あ、ああ、ミッキー。来てたのか」

 と言うと、

「うなっ!」

 そう返事するかのように唸り、また、ゴロンしたりします。


 

 繰り返しますが、2人の間に「のりしろ」はありません。

 時として、もしやミッキーはラブの生まれ変わりジャマイカ?

 そんなふうに思うことがあります。


 

 で、小生の膝の上でゴロゴロ喉を鳴らすミッキーをナデナデしながら、こういう駄文を認(したた)める、今日この頃なのです。
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