明日の君へ

RYZU

文字の大きさ
9 / 13

親の威厳

しおりを挟む
悟「瑠璃が生まれたあの日、俺は仕事だった」

「病院から連絡が来て、急いで車を走らせたよ。」

「車の中で、生まれてくる子供達の名前を考えた。」

「病院に着いてからは、絶望的だった。娘二人を亡くしたんだ、」

「幸い瑠璃だけは、助かった、いや、ほとんど危なかった。瑠璃は生きても一年と持たないと言われた。」

幸人「そんな、」

悟「信じられないだろ?今じゃあんなに元気なんだ。」

「瑠璃の身体があんな風になってしまったのは、小学生の時だ、母やからの遺伝なんだろう。末期の癌が見つかった。」

「それからというもの、手も足も動かず、外に出る事さえ、難しくなった。」

「瑠璃の治療費を払うために、俺は毎日、朝から晩まで毎日のように働いた。かえるのはいつも、夜中だったな。」

「瑠璃には、寂しい思いをさせてばかりだ。私は、父親失格だよ、、」

幸人「そんなこと、、、そんな事ないと思います!」

悟「なんで、そう思うんだい?」

幸人「余計なお世話かもしれないですが、瑠璃にとっては、世界でたった一人の親が、悟さんだからです」

悟「、、、ぷっ、あっははははは!!」

幸人「言っちゃだめでしたか?」

悟「いやー~、幸人君は面白いね、瑠璃が君を好きな理由がわかった気がする」

幸人「瑠璃が、俺をですか?」

悟「なんだ、知らなかったのか?」

幸人「初めて、知りました。」

悟「まぁ、君になら、瑠璃を任せてもいい、瑠璃を頼んだよ、幸人くん」

幸人「え、でも、そんないきなり、、、」

悟「君は男気ないな、そこは、はい!幸せにします!くらいは言わないと」

幸人「俺に、できるでしょうか、」

悟「それは、君が考えることだ、」

幸人「はい!俺、瑠璃に伝えてみます!」

悟「おう!」



日和「瑠璃も、もう大人の女性なのね、」

悟「、、、っ!!ひより、」

日和「あなた、久しぶりね。」

悟「なんで、ここに、」

日和「あなたと、最後に話をしたかったの。」

悟「最後って、、、」

日和「ダメかしら?」

悟「ああ、少し話をしよう。」

日和「瑠璃は、元気にしてる?」

悟「ああ、恋の真っ只中だ」

日和「いいわね、私たちにもそんな頃があったわね。」

悟「なぁ、日和、、俺は、うまくやれてるだろうか、父らしい事を何もしてやれてない。」

日和「大丈夫、、、ここまで育ててくれたのも、あなたのおかげよ。」

悟「まだ先は長いが、いずれは、また君を探すよ、そして向こうで二人で幸せに暮らそう」

日和「あなた、何を言ってるの?5人での間違いでしょ?」

悟「ああ、そうだな」



     悟と日和の話し声



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。

雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。 その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。 *相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

優しく微笑んでくれる婚約者を手放した後悔

しゃーりん
恋愛
エルネストは12歳の時、2歳年下のオリビアと婚約した。 彼女は大人しく、エルネストの話をニコニコと聞いて相槌をうってくれる優しい子だった。 そんな彼女との穏やかな時間が好きだった。 なのに、学園に入ってからの俺は周りに影響されてしまったり、令嬢と親しくなってしまった。 その令嬢と結婚するためにオリビアとの婚約を解消してしまったことを後悔する男のお話です。

処理中です...