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ジーンは笑って頷いた。
「じゃあまず寝室の中から案内してもらおうかな。ベッドの使い心地も確かめないと」
「もちろんだ。一緒に確かめよう」
フロアひとつぶんの物件だけあって、家の中は広い。ベッドに向かうまでにいくつもの扉があったけれど、ルームツアーはパスしてしまったので、特に何の説明もなくザックはまっすぐに主寝室に向かった。
「ここが僕たちの寝室だよ」
主寝室は、ウォールナットカラーをベースに揃えたインテリアが落ち着いた印象だ。ベッドリネンが淡いブルーとグレージュで揃えてあるため、全体的に雰囲気は優しく柔らかい。ホテルの客室はラグジュアリーさとはまた違った様子に、新鮮味を感じる。
しかし部屋の中をじっくり観察する間もなく、ジーンはベッドに押し倒された。
あまりの性急さに、ジーンは笑ってザックの首に腕を絡めた。
「朝からがっつきすぎじゃないの?」
「昨日からずっと我慢していたんだ。褒めてほしいくらいだよ」
「そうだった。ああ、ザックはいい子だね」
からかい混じりの声音に反し、ジーンは愛しげにザックの頬を撫でた。ザックが嬉しそうに目を細める。
「いい子にしていたご褒美をもらわないと」
「うん……」
ジーンの返事は途中でザックの唇に呑み込まれてしまった。
服の上から、ザックの大きなてのひらがジーンの体を撫で回していく。たったそれだけでジーンの体は期待に震え、自ら体を押し付けるように身を捩らせた。
「ふ……あ、ふぁ……んっ」
口付けの合間に漏れる自身の吐息がやけに艶っぽく聞こえて、羞恥を覚えると同時に興奮した。待ちきれないのは自分も同じだ。ジーンも負けじと、既にスラックスを押し上げているザックのものに手を伸ばす。輪郭を確かめるように昂ったそれを指でなぞっていると、ザックに片手で制されてしまった。
「全部僕にさせてくれ」
一瞬どうしようかと迷ったが、ザックにすべてを委ねることにした。ジーンはただされるがままだ。
全身を撫で回しながら、ザックは1枚1枚焦らすようにジーンの衣服を剥いでゆく。いよいよ一糸纏わぬ姿になったジーンの体を、ザックは上から下までしみじみと見つめて「綺麗だ」と呟いた。
ただ触れられてキスしただけなのに、ジーンのそこはゆるく立ち上がり、期待でよだれのように雫を零していた。綺麗なわけあるか、と思いながらも、ザックにそんな目で見られることが誇らしいような気持ちになる。
歓喜のあまりふるりと震えると、ジーンの体に魅入っていたザックは弾かれたように自身も服を脱ぎ捨てた。あっという間に裸になったザックはジーンを包み込むように抱き締めた。
「すまない、寒かったかな」
部屋の中はセントラルヒーティングであたたかい。全裸でベッドに横たわっていても、寒いと言うことはなかったが、ザックの体はあたたかく、抱き締められるとホッとする。性的な興奮とは別の部分で、胸の奥が熱くなるのを感じた。
「じゃあまず寝室の中から案内してもらおうかな。ベッドの使い心地も確かめないと」
「もちろんだ。一緒に確かめよう」
フロアひとつぶんの物件だけあって、家の中は広い。ベッドに向かうまでにいくつもの扉があったけれど、ルームツアーはパスしてしまったので、特に何の説明もなくザックはまっすぐに主寝室に向かった。
「ここが僕たちの寝室だよ」
主寝室は、ウォールナットカラーをベースに揃えたインテリアが落ち着いた印象だ。ベッドリネンが淡いブルーとグレージュで揃えてあるため、全体的に雰囲気は優しく柔らかい。ホテルの客室はラグジュアリーさとはまた違った様子に、新鮮味を感じる。
しかし部屋の中をじっくり観察する間もなく、ジーンはベッドに押し倒された。
あまりの性急さに、ジーンは笑ってザックの首に腕を絡めた。
「朝からがっつきすぎじゃないの?」
「昨日からずっと我慢していたんだ。褒めてほしいくらいだよ」
「そうだった。ああ、ザックはいい子だね」
からかい混じりの声音に反し、ジーンは愛しげにザックの頬を撫でた。ザックが嬉しそうに目を細める。
「いい子にしていたご褒美をもらわないと」
「うん……」
ジーンの返事は途中でザックの唇に呑み込まれてしまった。
服の上から、ザックの大きなてのひらがジーンの体を撫で回していく。たったそれだけでジーンの体は期待に震え、自ら体を押し付けるように身を捩らせた。
「ふ……あ、ふぁ……んっ」
口付けの合間に漏れる自身の吐息がやけに艶っぽく聞こえて、羞恥を覚えると同時に興奮した。待ちきれないのは自分も同じだ。ジーンも負けじと、既にスラックスを押し上げているザックのものに手を伸ばす。輪郭を確かめるように昂ったそれを指でなぞっていると、ザックに片手で制されてしまった。
「全部僕にさせてくれ」
一瞬どうしようかと迷ったが、ザックにすべてを委ねることにした。ジーンはただされるがままだ。
全身を撫で回しながら、ザックは1枚1枚焦らすようにジーンの衣服を剥いでゆく。いよいよ一糸纏わぬ姿になったジーンの体を、ザックは上から下までしみじみと見つめて「綺麗だ」と呟いた。
ただ触れられてキスしただけなのに、ジーンのそこはゆるく立ち上がり、期待でよだれのように雫を零していた。綺麗なわけあるか、と思いながらも、ザックにそんな目で見られることが誇らしいような気持ちになる。
歓喜のあまりふるりと震えると、ジーンの体に魅入っていたザックは弾かれたように自身も服を脱ぎ捨てた。あっという間に裸になったザックはジーンを包み込むように抱き締めた。
「すまない、寒かったかな」
部屋の中はセントラルヒーティングであたたかい。全裸でベッドに横たわっていても、寒いと言うことはなかったが、ザックの体はあたたかく、抱き締められるとホッとする。性的な興奮とは別の部分で、胸の奥が熱くなるのを感じた。
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