魔技大戦記

黒犬狼藉

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第一章 第八戦線での戦い

第一話 『到着』

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「到着した。
貴様ら、早く出てこい。」

兵士はそういうと扉を開ける。
中にいる人々は固まった体を動かして馬車から出る。

「う、、、ううん、、、」

少年は軽く体を伸ばし眠たそうに眼を擦りつつ意識をはっきりさせて行く。

「此処は、、、」

あたりを見渡し漂う鉄臭い匂いによって理解してゆく。

「戦、、、場?」
「ああ、そうだ。
此処は、最初に言った第八戦線。
すなわち、貴様の死に場だ。」

いつの間にか後ろに立っていた最初の説明をしていた兵士がそう喋る。

「失礼なっ!!僕は死にません!!」
「フンっ、俺の気配にも気づけない奴が大口を叩くな。
それに、此処はまだ後方だ。
本当の戦場はまだまだ先だぞ。」

彼は、嘲笑うような笑顔を少年に向けこの程度で臆する少年を馬鹿にするように話す。

「本物の戦場は血と腐肉の山の上に存在する。
貴様のような餓鬼に耐えれるものかな?」

そういうと兵士は、近くにあったテントに向かって歩いて行く。
少年は、しばらくその方向を見たあと自分の手に持つ銃と冊子に眼を落とす。
安易な考えで向かった戦場の空気に当てられたと言っても良い。
自分が死ぬわけがない。
そんな傲慢な考えを持つものが先に死ぬ。
まるでそんな考えを肯定するかのように一際強く風が吹き、鉄と腐った肉の匂いがより強く鼻腔をくすぐった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「では、こちらの状況を説明させてもらおう。」
「了解しました。アルゲン少佐。」

先程、少年に声を掛けた兵士、、、否、アルゲン少佐が会議の司会進行をする。

「では、一つ質問を」
「何かね?ハバード大尉」
「今回の貧民街の者達の招集の意味はあるでしょうか?
私見になりますが今回の招集は非常に意味が無いものと思えるのです。
移動馬の費用も無料ではありません。
なぜ、ゴミどもの為だけにこのようなことをしなければならないのでしょうか。」
「確かに、その意見には私も賛成です。」
「ですね、わざわざ距離にして数千キロ。
ここまで費用を無駄にするのは賛成しかねます。」
「ふむ、確かに、真っ当な意見だ。
一見、この行動は意味のないようなものに見えるだろう。
まあ、その説明をするために君たちにここに集まってもらったのだ。
では、ライテル少尉。
例の資料の提示と説明を頼む。」
「はい、了解しました。」

そういうと、近くにあった台に置いてある紙を手に取り後ろに置いてあった黒板に髪を張り付けて行く。
そして、席に座っている10人に説明を始める。

「今回の貧民街の者達の招集の発案は私による物です。
その理由としては戦力不足に対しての備えであります。」
「一つ質問を。
今回の奪還作戦においての人員は問題なかったはずだ。
なぜ、招集を?」
「その質問には私が答えよう。
実は最近、レーマ帝国が新型の魔導中を開発したとの噂が存在していた。
まあ、確証が無かった為、私も頭の片隅に留めていたのだが、、、
設計図が確認された。
それが、この図だ。」
「へぇ、術式の簡略化に魔法の属性切り替えと、確かに画期的だが、、、
この理論では連射速度と魔法消費量に対しての問題が残るのでは?」
「本当にそう思うかね?マルゲータ中尉
確かに従来の物であればその問題が残るだろう。
しかし、この銃はその問題をクリアしている。
その為、急遽人員補給を行なったのだ。」
「確かに、それなら納得もできるものだ。
しかし、そのような兵器の設計図を手に入れたのならばこちら側も、、、ああ、そういう事か。」
「作成に特殊な機材が必要となり本国では作成はかなり難しいことになるはずです。」
「と、いうわけだ。
昨日の細かい説明はライテル少尉が」
「はい、まず魔法術式に記されている・・・」

こうして会議は進んでいく。
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