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罰ゲーム (ホラー)
しおりを挟む「ジャラ、ジャラジャラ」
屋敷内に響き渡る麻雀牌をかき混ぜる音。
旧山崎邸宅では毎年恒例の麻雀大会が行われていた。
今は分けあって屋敷の持ち主は代わってしまったが、麻雀大会の主催者は山崎邸の元オーナーである山崎正美氏だった。
大会の参加者は16人で4卓に別れて麻雀を楽しんでいた。
大会のルールで、麻雀では絶対に【お金はかけない】って事である。
それは、主催者である山崎氏のポリシーで、単純に麻雀を楽しみたい。お金のやり取りをすると、負けたものが楽しくなくなるということからだった。
ただ、それでは味気ないので、トップになったものが最下位に対して、出来る範囲での罰ゲームを指示することが出来るようになっていた。
そして、半日ほどにわたって繰り広げられた麻雀大会も終わり、勝者が発表された。
勝者は主催者の山崎氏だった。
「いやぁー、皆さんすいません。主催した私が一番になってしまって、やや場がしらけますが……」
勝者の挨拶でどっと笑いが起こった室内。
「それでもルールなので、罰ゲームを言いますよ。罰ゲームは一階のキッチンに行って皆さんの為に冷えたビールを持って来てください。ただ、この屋敷は出るんですよ! お化けがね」
そう、この屋敷は近所でも出ると噂のお化け屋敷だったりするのだった。
「それじゃ、皆さん喉も乾いていると思いますので加藤さん罰ゲームに行ってきてくださいね」
最下位の加藤氏は主催にそう言われて、青い顔をしながら部屋から出ていく。
加藤氏は、「まじ、最悪。ここ本当に出るんだよな」と思いつつ、長い廊下を歩いて一階にあるキッチンに向かって歩を進めた。
加藤氏が、ちょうど一階に向かう西洋風の階段についた時に寒気に突然襲われた。
嫌な予感がする。
しかも、下からは何やらお経めいた男の唸り声が聞こえてきて、加藤氏はその声が聞こえた瞬間に身体が動かなくなってしまった。
そう、加藤氏は金縛りになってしまったのだ。
金縛りになった時から、階下からはお経以外にも女性の声も聞こえだし、どうやらその声の持ち主はこちらに向かって階段を登ってきてるようだ。
それが証拠に階段をゆっくりと登ってくる「コツ、コツ」と音が加藤氏に迫ってきていた……。
一方、一階では、カメラを従えた女性お笑い芸人がリポーターになって心霊番組のロケを行なっていた。
芸人は番組内の罰ゲームで心霊スポットに行き、一番霊が現る2階にある娯楽室に行かなければならなかったからだ。
「今、あたしは以前に火災により16名が亡くなった現場に来ております。火災で亡くなった人達の多くは、二階の娯楽室で一酸化炭素中毒で亡くなっており――。この屋敷に入った時から、ジャラジャラとかラップ音がなったり、突然笑い声が聞こえたりしてるんですよ。番組のご覧の皆様にも聞こえたんじゃないの?」
リポーターの女性お笑い芸人はそのように言ってブルブルと震えて言った。
なだめるかのように、後ろにいる霊能者が言う。
「今のところは大丈夫ですよ。確かにただならぬ霊の存在は感じますが、ちゃんといざとなれば除霊しますので、さぁ、行きましょう」と……。
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