23 / 50
第二十三話『森の魔女、再び。PART1』
しおりを挟む
窓から差し込む光は淡く、朝の冷気がまだ部屋に残っていた。机上の暦に指を滑らせ、婚姻出立まで残り三日であることを改めて確認する。胸の奥で、微かな高揚と緊張が入り混じる。――今なら、行ける。
女官たちの動きや王の呼び出しの間隔を頭の中で組み立てる。王は「準備をしなさい」とだけ言った。この三日間、口を封じてしまえば城を抜けても気づかれはしない。
私はゆっくりと左眼ネクロサイトを開いた。淡い光が視界を染め、廊下に控える女官たちの意識へと滑り込む。「王女は自室で嫁入り準備中」――その幻惑を深く刻み込む。女官たちは微笑み合い、何の疑念もなく持ち場へ戻っていった。
扉の前で直立するゴリアテの前に立つ。
「何者も近づけるな」
低く短い命令に、巨躯の戦士は黙って頷く。鎧が小さく鳴り、廊下全体に圧迫感が広がった。その姿は城の防壁そのもののようだった。
背後から、柔らかな足音とともに声が降ってくる。
「ご主人様、森に行くなら私も行きますよ」
振り返れば、黒猫の姿をしたニールが尾をゆっくり揺らし、金色の瞳を愉快そうに細めている。
「ヴァルセリア様、相変わらず深い話をしてくださるでしょうから。それに、あの森の空気はご主人様にも良い影響を与えると思います。最近はずっと城暮らしでしたからね」
「お前も、あの森が恋しいのか?」
「ええ、もちろんです。それに……ご主人様がどんな話を持ち帰るのか、興味があります。きっと、また私の知らない面白いことを知ってくるでしょう」
「お前は情報屋みたいだな」
「誉め言葉として受け取っておきます」
私は口元をわずかに緩め、視線を合わせた。あの魔女に会えば、知りたいことが山ほどある――そして、手に入れたいものも。
馬車の車輪が王都の石畳を離れた瞬間、硬質な響きが途切れ、代わって土を踏みしめる鈍い低音が耳に響いた。背後に遠ざかる喧騒は、風が草原を撫でるざわめきと、時折きしむ轍の音に溶けていく。御者台には、私の左眼ネクロサイトで操られた従者が無表情のまま座り、手綱を正確に操っていた。窓の外には整然と並んだ畑や、煙を上げる農家の屋根が広がっていたが、それもやがて途切れ、野花や背の高い雑草が風に揺れる荒れ地へと変わっていった。
昼を過ぎた頃、ふいに空気が変わった。頬をかすめる風に湿り気が混じり、土の匂いが一層濃く、重くなる。遠くの地平にぼんやりと影を落とす森が見え始め、その輪郭は空と地の境を曖昧に溶かしていた。森の手前には薄い霧が帯のように漂っている。
「……霧が出てきましたね」
使い魔の姿に戻ったニールが、継ぎ接ぎだらけの指で窓辺を軽く叩きながら外を覗く。金色の瞳が霧の向こうに潜む何かを探っていた。
「森が近い証拠だわ」
そう返すと、ニールは片方の口角を上げて笑った。
「ご主人様、婚姻相手の第一王子殿下って、どんな方なんでしょう? 私も存じませんし……ですが、隣国の情勢なら少し調べてありますよ」
「ほう……聞かせてちょうだい」
「隣国ヴァルデンシュタインは現国王が老齢で、政権の実権はほぼ第一王子殿下の派閥が握っています。派閥には軍務卿と財務卿がついていて、敵に回せば補給線も財布も締め上げられる。民の支持は厚いですが、反対派も根強く、暗殺未遂も過去に三度……」
「ずいぶん物騒ね」
「ええ。ただ、彼は冷徹というより合理的な方らしい。不要な争いは避けるが、必要とあれば迷いなく切り捨てる、と」
森が近づくにつれ、鳥のさえずりが途絶え、耳に残るのは私たちの移動音だけになった。風は低く渦を巻き、木々の影が視界の端で形を変える。枝葉が揺れるたびに、人影のような輪郭が一瞬現れては消える。
「……やっぱり、この森は相変わらず歓迎が厳しいですね」
「歓迎、か……そうならいいけれど」
ニールは意味深に笑い、霧の向こうの森をじっと見据えていた。その瞳には、湿った匂いと異界の気配が揺らめいていた。
森の奥へ進むほど、霧は濃さを増し、足元の湿った土が靴底にまとわりつく。木々はねじれた枝を絡ませ、まるで侵入者を拒むように道を狭めていく。やがて、木漏れ日すら届かない暗がりの中、異様な色彩が目に飛び込んできた。
黒々とした蔓が地面から這い上がり、壁のように絡み合っている。その合間から覗くのは、血のように濃い紅色の花々。花弁はまるで生きているかのように微かに震え、甘くもどこか鉄臭い香りを漂わせていた。
「……着いたわね」
私が呟くと、隣のニールが金色の瞳を細める。
「ええ。ヴァルセリア様は、もうこちらに来られる頃合いでしょう」
蔓の壁に近づいた瞬間、それはまるで意思を持つ生き物のようにゆっくりとほどけ、私たちのためだけに狭い通路を作った。湿った空気が流れ込み、奥に佇む小屋が姿を現す。
小屋は黒い木材と苔に覆われ、屋根からは更に蔓が垂れ下がっていた。窓は小さく、そこから漏れる橙色の光が霧の中でぼんやりと揺れている。その扉が静かに開き、影の中から細身の女性が現れた。
漆黒の髪が霧に溶けるように揺れ、唇にはわずかな笑み。紅玉のような瞳が私を見据える。
「よく来たね、私の可愛い見習い魔女」
その声は、予め私の訪れを知っていたかのような温かさと含みを帯びていた。胸の奥で、あの夜の記憶が静かにざわめいた。
扉を押し開けた瞬間、湿り気を帯びた空気と薬草の濃密な香りが鼻腔を満たした。橙色の灯りが揺らめき、壁や天井に影がゆらゆらと這う。暖炉の前、背の高い椅子に腰掛けていたヴァルセリアが、ゆっくりと立ち上がる。
「まあ……よく戻ってきたじゃない。王城の羽根布団は、さぞ寝心地が良かったでしょう?」
その声音は皮肉とも冗談ともつかず、挑発の色を帯びていた。私はわずかに口元を上げる。
「ええ、とても快適でしたわ。でも……たまには、この森の湿った匂いが恋しくなりますの」
ヴァルセリアは薄く笑みを浮かべ、私の方へ歩み寄る。その視線は私の髪、顔立ち、纏う空気を舐めるように辿り、最後に左眼で止まった。その眼差しはすべてを見透かすように冷たく深い。
「……また、人から遠くなったわね」
囁く声は温度を持たない刃のように胸に触れる。否定はしなかった。むしろ褒め言葉に近く感じられ、私は静かに息を吸い、薄く笑った。
「あなたにそう言われるなら、間違いないのでしょう」
ヴァルセリアは短く笑い、さらに一歩踏み込んできた。
「お城で、関係のない者まで手にかけたようね。……いい傾向だわ」
私はわずかに眉を動かす。彼女は楽しげに目を細め、さらに言葉を続けた。
「だいぶ魔女としての貫禄が出てきたじゃない。ただし——私に軽口をたたくと殺すよ」
冗談か本気か判別できないその声音に、背筋を冷たいものが撫でる。やはり、ヴァルセリアは底知れず恐ろしい——そう思わざるを得なかった。
「……心得ております、ヴァルセリア様」
私がそう答えると、ヴァルセリアは愉快そうに唇を吊り上げた。暖炉の火がぱちぱちと音を立て、橙色の光が彼女の横顔を妖しく照らし出していた。
ヴァルセリアは暖炉の光を背に、ゆったりと椅子に腰掛けて顎に手を添え、私を見据えていた。橙色の揺らめきが銀髪を金色に染め、影が長く床を這う。
「それで? 今日は何を求めに来たのかしら。まさか、ただ世間話をしに来たわけじゃないでしょう?」
その声音は、好奇心と試すような冷ややかさがないまぜになっている。私はゆっくりと息を吸い、視線を逸らさず答えた。
「瓶詰の食材を、また分けていただきたくて……赤子の血の乾燥片を」
ぱちぱちと暖炉の炎が爆ぜ、薬草と鉄錆のような乾いた血の匂いが鼻腔を満たす。ヴァルセリアは薄く笑みを浮かべ、その瞳がわずかに細まった。
「ふふ……やはり、あなたはますます“こちら側”の味に馴染んできたようね」
「……ええ。あれがあれば、効率も精度も上がりますもの」
「効率、ね。昔は震える手で瓶を受け取っていたあなたが、今では当然のように求めに来る」
「それは、あなたの教えがあったからです」
「お世辞はやめなさい。ただ、そうやって口が滑らかになるのは悪くないわ。……で、どれくらい必要?」
「できれば三瓶。婚姻の旅路で腐らぬよう、封印処理を施したものを」
ヴァルセリアは顎に指をあて、愉快そうに笑った。
「ずいぶん計画的じゃない。……いいわ、用意してあげる。その代わり、向こうで手に入れた血の話を詳しく聞かせてもらう」
「もちろんです、ヴァルセリア様」
彼女の笑みが、炎の影とともにより深く妖しく揺れた。
女官たちの動きや王の呼び出しの間隔を頭の中で組み立てる。王は「準備をしなさい」とだけ言った。この三日間、口を封じてしまえば城を抜けても気づかれはしない。
私はゆっくりと左眼ネクロサイトを開いた。淡い光が視界を染め、廊下に控える女官たちの意識へと滑り込む。「王女は自室で嫁入り準備中」――その幻惑を深く刻み込む。女官たちは微笑み合い、何の疑念もなく持ち場へ戻っていった。
扉の前で直立するゴリアテの前に立つ。
「何者も近づけるな」
低く短い命令に、巨躯の戦士は黙って頷く。鎧が小さく鳴り、廊下全体に圧迫感が広がった。その姿は城の防壁そのもののようだった。
背後から、柔らかな足音とともに声が降ってくる。
「ご主人様、森に行くなら私も行きますよ」
振り返れば、黒猫の姿をしたニールが尾をゆっくり揺らし、金色の瞳を愉快そうに細めている。
「ヴァルセリア様、相変わらず深い話をしてくださるでしょうから。それに、あの森の空気はご主人様にも良い影響を与えると思います。最近はずっと城暮らしでしたからね」
「お前も、あの森が恋しいのか?」
「ええ、もちろんです。それに……ご主人様がどんな話を持ち帰るのか、興味があります。きっと、また私の知らない面白いことを知ってくるでしょう」
「お前は情報屋みたいだな」
「誉め言葉として受け取っておきます」
私は口元をわずかに緩め、視線を合わせた。あの魔女に会えば、知りたいことが山ほどある――そして、手に入れたいものも。
馬車の車輪が王都の石畳を離れた瞬間、硬質な響きが途切れ、代わって土を踏みしめる鈍い低音が耳に響いた。背後に遠ざかる喧騒は、風が草原を撫でるざわめきと、時折きしむ轍の音に溶けていく。御者台には、私の左眼ネクロサイトで操られた従者が無表情のまま座り、手綱を正確に操っていた。窓の外には整然と並んだ畑や、煙を上げる農家の屋根が広がっていたが、それもやがて途切れ、野花や背の高い雑草が風に揺れる荒れ地へと変わっていった。
昼を過ぎた頃、ふいに空気が変わった。頬をかすめる風に湿り気が混じり、土の匂いが一層濃く、重くなる。遠くの地平にぼんやりと影を落とす森が見え始め、その輪郭は空と地の境を曖昧に溶かしていた。森の手前には薄い霧が帯のように漂っている。
「……霧が出てきましたね」
使い魔の姿に戻ったニールが、継ぎ接ぎだらけの指で窓辺を軽く叩きながら外を覗く。金色の瞳が霧の向こうに潜む何かを探っていた。
「森が近い証拠だわ」
そう返すと、ニールは片方の口角を上げて笑った。
「ご主人様、婚姻相手の第一王子殿下って、どんな方なんでしょう? 私も存じませんし……ですが、隣国の情勢なら少し調べてありますよ」
「ほう……聞かせてちょうだい」
「隣国ヴァルデンシュタインは現国王が老齢で、政権の実権はほぼ第一王子殿下の派閥が握っています。派閥には軍務卿と財務卿がついていて、敵に回せば補給線も財布も締め上げられる。民の支持は厚いですが、反対派も根強く、暗殺未遂も過去に三度……」
「ずいぶん物騒ね」
「ええ。ただ、彼は冷徹というより合理的な方らしい。不要な争いは避けるが、必要とあれば迷いなく切り捨てる、と」
森が近づくにつれ、鳥のさえずりが途絶え、耳に残るのは私たちの移動音だけになった。風は低く渦を巻き、木々の影が視界の端で形を変える。枝葉が揺れるたびに、人影のような輪郭が一瞬現れては消える。
「……やっぱり、この森は相変わらず歓迎が厳しいですね」
「歓迎、か……そうならいいけれど」
ニールは意味深に笑い、霧の向こうの森をじっと見据えていた。その瞳には、湿った匂いと異界の気配が揺らめいていた。
森の奥へ進むほど、霧は濃さを増し、足元の湿った土が靴底にまとわりつく。木々はねじれた枝を絡ませ、まるで侵入者を拒むように道を狭めていく。やがて、木漏れ日すら届かない暗がりの中、異様な色彩が目に飛び込んできた。
黒々とした蔓が地面から這い上がり、壁のように絡み合っている。その合間から覗くのは、血のように濃い紅色の花々。花弁はまるで生きているかのように微かに震え、甘くもどこか鉄臭い香りを漂わせていた。
「……着いたわね」
私が呟くと、隣のニールが金色の瞳を細める。
「ええ。ヴァルセリア様は、もうこちらに来られる頃合いでしょう」
蔓の壁に近づいた瞬間、それはまるで意思を持つ生き物のようにゆっくりとほどけ、私たちのためだけに狭い通路を作った。湿った空気が流れ込み、奥に佇む小屋が姿を現す。
小屋は黒い木材と苔に覆われ、屋根からは更に蔓が垂れ下がっていた。窓は小さく、そこから漏れる橙色の光が霧の中でぼんやりと揺れている。その扉が静かに開き、影の中から細身の女性が現れた。
漆黒の髪が霧に溶けるように揺れ、唇にはわずかな笑み。紅玉のような瞳が私を見据える。
「よく来たね、私の可愛い見習い魔女」
その声は、予め私の訪れを知っていたかのような温かさと含みを帯びていた。胸の奥で、あの夜の記憶が静かにざわめいた。
扉を押し開けた瞬間、湿り気を帯びた空気と薬草の濃密な香りが鼻腔を満たした。橙色の灯りが揺らめき、壁や天井に影がゆらゆらと這う。暖炉の前、背の高い椅子に腰掛けていたヴァルセリアが、ゆっくりと立ち上がる。
「まあ……よく戻ってきたじゃない。王城の羽根布団は、さぞ寝心地が良かったでしょう?」
その声音は皮肉とも冗談ともつかず、挑発の色を帯びていた。私はわずかに口元を上げる。
「ええ、とても快適でしたわ。でも……たまには、この森の湿った匂いが恋しくなりますの」
ヴァルセリアは薄く笑みを浮かべ、私の方へ歩み寄る。その視線は私の髪、顔立ち、纏う空気を舐めるように辿り、最後に左眼で止まった。その眼差しはすべてを見透かすように冷たく深い。
「……また、人から遠くなったわね」
囁く声は温度を持たない刃のように胸に触れる。否定はしなかった。むしろ褒め言葉に近く感じられ、私は静かに息を吸い、薄く笑った。
「あなたにそう言われるなら、間違いないのでしょう」
ヴァルセリアは短く笑い、さらに一歩踏み込んできた。
「お城で、関係のない者まで手にかけたようね。……いい傾向だわ」
私はわずかに眉を動かす。彼女は楽しげに目を細め、さらに言葉を続けた。
「だいぶ魔女としての貫禄が出てきたじゃない。ただし——私に軽口をたたくと殺すよ」
冗談か本気か判別できないその声音に、背筋を冷たいものが撫でる。やはり、ヴァルセリアは底知れず恐ろしい——そう思わざるを得なかった。
「……心得ております、ヴァルセリア様」
私がそう答えると、ヴァルセリアは愉快そうに唇を吊り上げた。暖炉の火がぱちぱちと音を立て、橙色の光が彼女の横顔を妖しく照らし出していた。
ヴァルセリアは暖炉の光を背に、ゆったりと椅子に腰掛けて顎に手を添え、私を見据えていた。橙色の揺らめきが銀髪を金色に染め、影が長く床を這う。
「それで? 今日は何を求めに来たのかしら。まさか、ただ世間話をしに来たわけじゃないでしょう?」
その声音は、好奇心と試すような冷ややかさがないまぜになっている。私はゆっくりと息を吸い、視線を逸らさず答えた。
「瓶詰の食材を、また分けていただきたくて……赤子の血の乾燥片を」
ぱちぱちと暖炉の炎が爆ぜ、薬草と鉄錆のような乾いた血の匂いが鼻腔を満たす。ヴァルセリアは薄く笑みを浮かべ、その瞳がわずかに細まった。
「ふふ……やはり、あなたはますます“こちら側”の味に馴染んできたようね」
「……ええ。あれがあれば、効率も精度も上がりますもの」
「効率、ね。昔は震える手で瓶を受け取っていたあなたが、今では当然のように求めに来る」
「それは、あなたの教えがあったからです」
「お世辞はやめなさい。ただ、そうやって口が滑らかになるのは悪くないわ。……で、どれくらい必要?」
「できれば三瓶。婚姻の旅路で腐らぬよう、封印処理を施したものを」
ヴァルセリアは顎に指をあて、愉快そうに笑った。
「ずいぶん計画的じゃない。……いいわ、用意してあげる。その代わり、向こうで手に入れた血の話を詳しく聞かせてもらう」
「もちろんです、ヴァルセリア様」
彼女の笑みが、炎の影とともにより深く妖しく揺れた。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
悪役令嬢、休職致します
碧井 汐桜香
ファンタジー
そのキツい目つきと高飛車な言動から悪役令嬢として中傷されるサーシャ・ツンドール公爵令嬢。王太子殿下の婚約者候補として、他の婚約者候補の妨害をするように父に言われて、実行しているのも一因だろう。
しかし、ある日突然身体が動かなくなり、母のいる領地で療養することに。
作中、主人公が精神を病む描写があります。ご注意ください。
作品内に登場する医療行為や病気、治療などは創作です。作者は医療従事者ではありません。実際の症状や治療に関する判断は、必ず医師など専門家にご相談ください。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私が、
魔王討伐の旅路の中で、“本当の自分”を見つけていく――。
ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる