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1時限目 始業式
しおりを挟むその高校の生徒会室には
4人の男子生徒がいる。
生徒会長 星野 直樹
通称 レジェンド
学年 3-1
副生徒会長 月島 翔
通称 アイアン
学年 3-1
書記 太陽 光
通称 チェリー
学年 3-3
会計 空川 永礼
通称 ヴィーナス
学年 3-2
皆普通の人間ではあるが、
それなりに存在感のある奴らだ。
*
*
*
*
星「てことでぇ、
まぁ生徒会長になったからには
八割主義者として
全力を尽くさせてもらいまぁす。」
校「こら!何が八割主義者だ!!」
星「おっと、校長。
そんなに怒らないで下さいよ。
これでも本気なんですわ。」
軽い口調で右手をヒラヒラさせながら
星野は校長に言った。
彼の右脇には3人の男子生徒が控えている。
近い順に、
月島、太陽、空川。
皆星野を深く慕っている。
校「それでも生徒会長か!!」
星「校長に言われたら終わりだわ!」
皆「ぎゃはははは!!!」
A「流石、レジェンドは違うわ!」
校「こらぁぁ!!」
*****
春。
大学受験やらを控える年、
星野は月島らを横に呟いた。
星「お前ら今日ヒマ?」
月「何で。」
星「いや、ゲーセン行きたいから。」
太「今日、生徒会じゃなかったけ?」
星「あぁ~~、そっかぁ~~!
俺生徒会長かぁ~!!」
空「レジェンド、
生徒会長イヤなのぉ~??」
星「ん~。ネタで立候補したら
マジでなっちゃったんだよなぁ」
星野の答えに
月島は眼鏡を掛け直す。
星「んじゃま、
生徒会室行くべ」
空「だねぇ~♪」
*********
奥にある生徒会長が座るべく立派な椅子に
星野はドカリと座り込み、
クッションの伸縮性を試していた。
星「これ、やわらけぇ~!」
空「あぁ~!レジェンドだけズルい!」
星「俺は生徒会長だから良いんだよ!!」
太「こういう時だけ言うのな。」
星野と絡む空川を眺めながら、
太陽は腕を組み言った。
空川を片手で遠退け、
星野はニヤリと笑う。
星「まぁ、
これから、よろしく頼みますわ!」
ウィンクしながら言う星野に対して、
アイアン以外の2人はニコリと笑った。
太「こちらこそ。」
空「レジェンドもしっかりしてよね♪」
月「ダメな生徒会長を
僕らが美化しといてあげるから、
よろしく」
星「げっ。
アイアン、相変わらずの毒舌……」
月「思った事を言ってるだけ」
星野、月島、太陽、空川。
皆お互いを深く理解している
良き友であり、良き理解者だ。
ニカリと笑い、星野は言う。
星「楽しもうな!!」
カバンから、
星のステッカーの貼られた
赤いヘッドホンを取り出した。
空「あぁ~!!
生徒会長、
早速不要物持って来てるぅ~!」
月「生徒会長なんだから、
生徒会長なりに頑張ってよ」
星「だってヒマだもんよ!」
太「おい、校長来るぞ」
星「マジかよ!!?」
カバンにヘッドホンを入れ
チャックを閉める。
ガラガラ
校「おぉ、早速いるな」
星「当たり前っスよ、校長!
俺、生徒会長だもん」
校「その言葉、信じるぞ?」
星「う゛っ」
すると、いきなりハゲの男子生徒が
焦った様子で走って来た。
魚「おい、レジェンド!!」
星「おん?誰だおめぇ?」
魚「お前と同クラの魚坂だよ!」
星「お、ハゲか!
どうしたよ。」
魚「これは剃ってんだよ!
なぁなぁ、聞いてくれ!
俺の本が消えたんだ!!」
星「あぁ?ハゲの本??」
魚「ハゲ言うな!
おう。薄くて写真が多いんだ。」
校「雑誌か??」
魚「え、ち、ちげぇよ!!
なぁ、レジェンド!
見てねぇか??」
魚坂の真剣な質問に
星野はニヤリと笑い言った。
星「見たぜ?」
魚「えっ!見たのか、お前!!」
星「おめぇさんあんなのが趣味とか、
マニアックだなぁ!!」
校「ん?何の事だ??」
星野は太陽に指を鳴らした。
星「チェリー、走って
南館3階のトイレのゴミ箱にある本
取って来い。」
太「お?南館3階のトイレ??」
星「人気のない方だ。」
太「お、分かった。」
校「何だ、知ってたのか。」
魚「え、お前いつそれ見たんだよ!」
星「お前とトイレで入れ違う時、
落としたの見たんだよ。
声かけたけど、
オメェ無視るしさ。
要らねぇのかと思って捨てたわ。」
魚「あっ………
だ、誰にも言ってないよね??」
頬杖をつきながら、
星野はニヤニヤと笑った。
星「おう」
*****
太「取ってきたぞ!!」
星「おう、サンキュー。
チェリー、お前はどう思うよ」
太「ん?………あぁ。
かなりハーダーな内容だと思うぜ?」
星「だよな」
星野は紙袋にそれをそそくさと入れると、
魚坂に渡した。
星「こういうのは、
誰にもバレねぇようにヤレよ?」
魚「お、おう。世話になったな。
じゃっ!!」
魚坂は台風の様に部屋を後にした。
星野と太陽はニヤニヤ笑い合った。
星「で、校長。
まだ用があるんスか?」
校「………いや、何も。
お前、わりかし役に立つな。」
星「いえいえ~。
それほどでも~」
校長が出て行ってから、
太陽は空川に聞いた。
太「なぁ、ヴィーナス。
さっきの見たか?」
空「うん。」
太「どう思う?」
空「ちょっとあれは無いかなぁ~」
星「………ちょっとか?」
空「いや、正直に言えば……」
太「ん?」
空川は口を袖で隠し、
ゲッソリと言った。
空「ないわぁ……」
太「ヴィーナスが珍しく重低音に!?」
星「本気で軽蔑してるぜ、これは」
黙々と本を読む月島に
星野はニヤリと笑い聞いた。
星「アイアンはどう思う?」
月「…………興味無い」
星「ははっ!アイアンらしいぜ!!」
午後1時26分。
正午より少し斜めがかった太陽が
生徒会室を明るく照らした。
*********
午後5時30分。
最終下校時刻に4人は校門を出た。
星「ふぅぁ!!
やっと終わったぜ!」
星野は伸びをしながら言った。
月島は眼鏡を掛け直し、
星野に言った。
月「行こう?」
星「おうよ!じゃあな、お前ら!」
空「うん。まったねぇ~!!」
太「明日は何時登校だ??」
星「7時半だよ、バァカ!」
太「バカ言うな!!」
星「カァバ!」
太「クッソー!!」
星「じゃあな~~」
星野はニヤニヤ笑い、
2人に手を振った。
星「アイアンは明日どうする?」
月「何を?」
星「一緒に登校すんべ?」
月「………うん。」
月島は口数が少なく、
笑う回数も少ない。
寧ろ、
笑う筋肉が備わっていないと言っても
過言ではない。
だから皆からは、鉄仮面、
アイアンと呼ばれている。
ぱっつん前髪で手足の長い星野と
背が高くヒョロヒョロの月島。
2人は夕陽の照らすアスファルトを
話しながら歩く。
星「お前、今日晩メシ何ぃ??」
月「……ハンバーグ」
星「うひょ~~!!
お前ん家行っていい?!」
月「…………良いよ。」
星「サンキュー、アイアン!」
対照的な2人は仲が良い。
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