Maria

エターナル★

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支度途中

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ア「マリア様これを。」
マ「あらどうも♪」

服の支度は大雑把おおざっぱに終わらせれば
後は侍女のアフロディーテに整えさせる。
今回はコスチュームの皺を抜き、
首元に大きな黒いマントを付け、
王冠を被せるのみ。
アフロディーテはマリアに言った。

ア「貴方様の美しさは素晴らしいものです。
  貴方を見て恋に落ちぬ男など
  いないでしょう。」
マ「言葉のお上手なこと。
  でもアフロディーテ。
  あなたもとても美しいわよ?
  何故下着なのかは知らないけど。」
ア「趣味です。」

そう。
彼女アフロディーテは美の女神。

勿論本名ではない。

彼女、マリアがつけたのだ。

***********

アフロディーテは初め、
独り身の女泥棒であった。
どうも夫が
どこかへ消えてしまったそのショックで
始めたらしい。

実はその夫、
我が組織『キリシャ』の幹部
ヘルメスだったのだ。
ヘルメスからは
よく昔の妻の話を聞かされていた為、
マリアはその妻の容姿を知っていた。

ある日、
巧みな身のこなしの泥棒がいるという話を聞き
マリアは面白そうなので
無理矢理キリスト一行に着いていき
泥棒の正体を見に行った。
場所は高層ビルの屋上。
キリスト一行はヘリコプターに乗っていた。
マリアは窓の外を覗いた。
と、そこには。
金髪でゆるいカールの帯びた長髪をなびかせ
軽々と障害物を避けていく
裸姿の女がいた。
彼女には覚えがある。
マリアが驚いたその瞬間、
ヘリコプターの操縦者
アルテミスとハデスが銃を乱射し始めた。
その1発が彼女の太股に当たる。

マ「あ!待って!!」

マリアはそう叫ぶと、
キリスト一行の乗っているヘリコプターから
わざと落ちていった。
キリスト一行が青ざめる中、
彼女は彼らに嘲笑を向けて
銃の乱射されている方へ走った。

ア「うわぁぁ!!!」
ハ「マリア様っ?!」

アルテミスとハデスは驚いて銃を止めた。
マリアが標的の泥棒を庇ったのだ。
マリアは美しい裸の女性を揺する。

マ「ねぇ、ねぇ、大丈夫?」
ア「あなたは…誰……」
マ「私はマリア。
  あなたの夫を知ってるわ!
  だから死なないで?」
ア「夫を、夫を知ってるの!?」
マ「えぇ、知ってるわ。
  夫の名は……」

***********

アフロディーテに支度を整えてもらい
屋敷を出ると、
そこにはキリスト、エロス、
デメテル、クロノスらが
バイクに乗ってこちらを振り返っていた。

ク「遅いぞ、マリア」
マ「あら、ごめんなさいね。」

反省した態度も見せず、
マリアはキリストの後ろに乗った。
腰に腕を回し、
彼女は大声で叫んだ。

マ「Let's Go~!!」
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