56 / 65
Maria*reverse Ⅰ
夢
しおりを挟む「ねぇねぇ、○○くん!」
「ん?なぁにぃ~?」
「あたちね!
将来○○くんのおよめたんに
なるのぉ~!!」
「およめたんってなぁに?」
「えぇ?えぇ~っとねぇ~~!
おかあたん!!」
「××がぼくのおかあたんになるのぉ?!」
「そう!○○くんはおとうたんね!!」
「うぅ~ん……」
「なによ!!あたちじゃいや?」
「ふーふになるってこと?」
「うん!そぅ!!」
「わぁ~!!うん!なる!
ぼく××好きだもん!!!
だいじにするからね!」
「うん!」
「こまってたらぜったいにたすけにいくね!」
「うん!」
「おい」
***********
「おい!」
「んぁ?」
朝の窓からの光を背に
金髪のオールバックの男が
どこか面倒くさそうにこちらを見ていた。
「起きろ、アダム。」
「んぁ?………あぁ、麒麟か。」
アダム。
かなり豪華な名前だが、
これは本名ではない。
勿論、向こうの男も本名は
『麒麟』なんていう、
めでたい本名じゃない。
2人は、
というより彼らの組織では
本名は使われない。
それはまぁ、
言うなれば裏社会でそんな本名使ったら
ろくな事がないからだ。
ア「なんだよ。
まだ朝の……9時………遅い方だな。」
麒「だから言ってんだ。」
ア「あぁ、そうかよ。
ご苦労さん。」
麒「嘘だよ。」
ア「んだよ。ウソって……
じゃあ、なんかあったのかよ。」
麒「キリシャが動き出した。」
ア「!」
麒「と言っても、あのキリシャだ。
あそこに計画性なんてねぇだろうが……」
ア「……」
麒「………人気のねぇ南の大道路の11番道路。
数台のバイクで通るらしい。
メンバーは
キリスト、マリア、エロス、
デメテル、クロノスだ。」
ア「………マリア……」
麒「……キリストの後ろに座ってるよ。」
ア「っ…………行くぞ。」
麒「そのつもりさ。」
黒の革ジャン、黒のジーンズ、
黒のワイシャツに黒のサングラス。
黒、黒、黒、黒……
黒ずくめの姿で部屋を出る。
麒「急いだ方がいい。
文昌帝君から聞いたところ、
残りあと15分らしい。」
白黒のハーリキンチェック柄の床を歩き、
シャンデリアの美しさを受けながら
2人はエレベーターに乗る。
ア「わかった。
鳳凰、白澤、天照、天帝らも起こせ。」
麒「もう起きてるよ。」
ア「え?はぁ…早起きだな。」
麒「お前がおせぇんだ。
ボスのくせに夜遅く
エロ本とか読んでるから。」
ア「それは白澤だろ。」
麒「あいつ、性に関しては積極的だからな。」
ア「元気な証拠さ。」
麒「お前の方が年下だろ。」
ア「俺はそこら辺が枯れてる。」
麒「枯れてるって……」
***********
チーン
エレベーターが一階についたようだ。
出ると、
あぁ麒麟の言う通り。
そこにはくるくるの赤髪の鳳凰(♂)、
金色の瞳を持つ美青年の白澤(♂)、
長い黒髪を一つにまとめる、色白の天照(♀)、
ちょび髭を生やす
いかにも中国人らしい顔の爺天帝(♂)らが
バイクに乗ってこちらを振り返っていた。
白「おそいねぇ、ボス。」
天「心配しましたわよ?」
天「下痢か?」
鳳「おぉ?
朝から下痢とはボス、
なかなかやるねぇ」
ア「違うわ、アホ」
彼らは我が組織『日中書記』の四天王。
皆武器の腕はピカイチだ。
筋肉量は天照が少し劣るが、
皆とても強い者達だ。
隣の麒麟は『日中書記』のボス、
『アダム』の補助だ。
ア「皆、遅くなってすまない。
蛇と格闘していたよ。」
麒「面白くない。
さっさと俺のに乗れ。」
ア「はいはい。」
眉間に皺を寄せる麒麟のバイクの
背後座席に乗り、
ヘルメットをかぶる。
…………マリア……
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる