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Maria*reverse Ⅰ
日記、そして21年前
しおりを挟むIf that is the case then
this will be a further momentum.
-それが事実なら、
これは更なる勢いになるだろう-
If so, I may be happy in a sense.
-もしそうなら、
ある意味において
私は幸せ者なのかもしれない-
Well,
it is not sure
because it is a story of "if" to the last.
-まぁ、
あくまでも『もしも』の話だから
確実ではないのだが……-
Anyway, I am probably happy.
-とりあえず、
私は多分幸せ者だ-
No,
-いや、
how about that.
それはどうだろうか-
***********
キリストに渡されたのは、
マリアが死ぬ最後の日まで書き続けた
日記だった。
キリストが言うには、
最後から読んでいけば
彼女の死ぬ間際までの行動理念が
わかるらしい。
今読んだのが、
最後に書かれていた内容だ。
***********
可能性はある。
しかし、
確実でなければ怪しまれるだけ。
一回の行動で成功させなければ、
これは無駄な行いになってしまう。
***********
紅色の革製のそれは
かなりの分厚さがあった。
微かに、ほんの僅かに、
甘い香りが香ってくる。
窓の外はもう夜になっていた。
キリストは
マリアと自分の出会いを話したあと、
仕事があると帰っていった。
21年前。
その日のことは
自分の頭の中でくっきりと残っている。
***********
子供頃。
細かく言うと、
アダムが6歳、マリアが5歳、
キリストが7歳の頃のこと。
アダムは1人で街をうろつく孤児であった。
キリストと違い、
アダムのいた街には孤児院がなかった。
それどころか
ビジネス街であった為、
誰一人自分を構ってくれなかった。
アダムの両親は
アダムが小さい頃に
アダムの失敗によって火事で死んだ。
かなり身分の高い子供であったようだが、
引取り先がいなく
放ったらかしにされてこうなってしまった。
ビルの合間から、
太陽の光が差してくる。
ア「………」
子供は働けない。
だから、
自分は親切な誰かに引き取られるか
慈悲を貰うか、
死ぬか、
その三択しかなかった。
死にたくはなかった。
『死』は『無』へと繋がる。
自分は『無』になど
帰りたくはなかった。
ア「……………死にたくない」
すると
先程からの太陽の光を遮る何かが、
ふと、
自分の前にしゃがみこんだ。
こういう場合、
大体はたんをかけてくるのがオチだ。
希望のない眼差しを相手に向ける。
ア「っ!」
「へ?」
てっきり大人かと思った。
が、違った。
そこには、
金髪の長い髪を地面につけながら
こちらを丸々とした瞳で見つめる
1人の女の子がいた。
5歳くらいの子だ。
パッと見ただけで、
彼女が身分の高い人間だとわかった。
高価な白いワンピースを着ているからだ。
アダムは驚いて壁に後ずさった。
あまりにも可愛かったからだ。
「ん??どぅちたの?」
ア「お……お前こそ何だよ!」
「あたちね、いぶって言うの!!
今日はおとうたんとおかいもの!!
綺麗なもの、
いーっぱい買ってもらうの!!」
何だ。
自慢しに来たのか……
イ「でね、今日はとってもいい日なの!
でもね、今は違うの。」
ア「………なんでだよ。
欲しい物なら何でも手に入るんだろ?」
イ「だってね。
あなたがかなちんでるもの!」
***********
思い出にふけりながら
日記を片手に暖炉の火を見つめるアダムに、
麒麟はコーヒーを持ってきた。
麒「もう寝ろ。
明日もキリストが来るんだろ?」
ア「………あぁ」
麒「じゃあな」
ア「……………麒麟」
麒「あ?」
ア「何故イヴが死んだ事、
俺に言わなかった?」
アダムは怒る気もないようだ。
なんとなく、
と言ったところだろうか。
麒「………お前に気を使ってだ。
その日は、
キリシャから収集がかかっていたから
お前に睡眠薬を盛って皆で行った。」
ア「あぁ………あの日か」
麒「ん?」
ア「いや、
妙に眠いから変だなと思ったのを
覚えてる。
………それに…」
麒「今度は何だ?」
ア「いや、何でも無い。
今日はもう寝るよ。
疲れた」
麒「だろうな。」
書斎の扉を開くと、
麒麟はアダムに
先に部屋を出るよう促した。
***********
ねぇ……聞こえてるかな
………誰だ
……………8年経ってしまったから……
忘れてしまったのですか?
………マリア?
…………以前、
そう呼ばれていました。
イヴ………何で?
………あぁ、あなたに会いたかった…
…………どういう事だ?
………そのうちわかる。
私は………
この世界に長くいてはいけないから……
今は無理だと思うの。
…??………何のことだ?
何故いれない?
***********
ア「あ゛っ!!?」
ガバリとベッドから起き上がり、
汗だらけの体を落ち着かせる。
今のは………イヴ……か?
『長くいてはいけないから』
どういう事だ?
意味がわからない。
窓の外を見る。
あぁ、ベガ星が輝いている。
汗を流す為に、
アダムは風呂に向かった。
この屋敷には自分以外誰もいない。
だから、
裸で歩き回ろうが
誰にも見られる心配はない。
ア「………寒っ…」
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