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第四章

新たなる力

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 紫色の炎に当たり害虫共が燃えてゆく。その隙に酸で溶けた尻尾を回復し、防護魔法をかけて再度潰す。レベルが上がったおかげだろうか尻尾の数が今では30本ほどある、先程よりも多くの害虫駆除が出来るようになった。

「ハハッ!どうですぅ?殺すと息巻いていた者が目の前でどんどん強くなっていく光景は?素晴らしでしょう?体が震えるほど」

そう聞くと害虫共が後ろに下がる。あぁ、最高にいい気分だ。最初は殺気を放ちながら突っ込んでいたのに、いまでは敵前逃亡する者達も現れた。まあ、逃さないが

「そこ、逃げない」

そう言って私は逃げる蜘蛛に尻尾を伸ばし潰す。逃がすわけないでしょ?私は貴方方を一匹残らず駆除するつもりなのですから。

「テッタイ!テッタイ!ミナジブンノイノチヲダイジニシロ!」

おやおや?急に撤退命令をだすではありませんか、そんなことさせわけがないでしょう?

「目を逸らすな、お前達が仕留めなければならないものがここにいる」

自分に挑発効果を付与する魔法をかける。この魔法を付与した途端撤退命令に従おうとしていた蜘蛛達が私に襲いかかる。その蜘蛛共を燃やし、潰す私の姿を見て害虫の親玉は「ヤメロ!ヤメテクレ!」と目から酸性のある涙を出しながら泣き叫ぶ

「なにが、止めてくれだ?お前達だって人間が止めてくれと叫んでいても寄生をするのを止めるのか?止めないだろ?それと同じだ。叫んでいる暇があるのならさっさと駆除されにこいお前だけだぞ?戦わずに泣いているのは」

そんな挑発をしても親玉は動かないそれどころか"震えている"ではないか!こいつ私が怖いのだ。こんな奴が上に立つ者とは呆れてしまう。‥いいやメインデッシュにしようと思っていたが

「悪魔に作られし赤き槍よ、我が前に立つ者を貫け」

その瞬間泣いていた害虫は槍に串刺しにされた。親玉が死んだ途端子蜘蛛達もパタリパタリと次々に死んでゆく。

「ん?親玉が死ぬと自滅するように作られてるのかこいつら?‥なんてあっけない20分しかたってないぞ?」

そんなことを言いながら自分のレベルが20になっていることに気がつく。すると専用アイテムなるものが入手出来た。それは22枚のタロットカードだった。私はそれをスプレッドしながら適当にカードを引くと正位置の審判のカードが出た。タロットの正位置の審判の意味は確か

【今までの頑張りを良かったと思えるような出来事が訪れる】だったか?そうか‥私の頑張りが報われるかも知れないのか‥それは、良いことをだな。するとカードはラッパに変化した。まるで自分の頑張りを知らせろと言わんばかりに。
"どうやらカードを引くとその効果に合った武器に変化するようだ"
審判の場合はどうやらラッパらしい。ならばと思った私はそのラッパを吹くラッパからは楽しげな高い音が鳴り響くと私の消費していたMPが一気に満タンになった。

なるほど?武器よって与える効果違うのか‥ならば、とまたタロットカードをスプレッドして引こうとするがカードは真っ白になっていた。時間制限なのか‥あまり連続で使えるような代物ではないなまあレベルが上がれば使えるようになるのかも知れないが。
‥あ、そうだMPが回復したのなら自分に【呪文が無詠唱になる永続魔法をかけよう】いままでは、周囲にどのような影響を与えるのか分からなかったため使えなかったが、レベルが上がったことによりデメリットはなくなったのだ。それなら一回一回恥ずかしい詠唱を唱えなくてもいいし時間の短縮にもなる


「我は奇跡を体現するもの、その奇跡を叶えるのに言葉は不要」

そうゆうと私の体に何重にも魔法陣がかけられる、それが体の中に入る。それを確認した上で火の魔法を想像すると目の前にあった穴だらけの蜘蛛が燃える

「わーお、思ったより便利ですねこれ、これならポンポンと魔法を使える」

そう言いながら再びラッパを吹きMPを回復する。すごいなこれMPを気にせず、魔法が使えるじゃないか。さてとそろそろフゥ達の様子を見に行きましょうかね。死んでないといいけど

私は赤い槍とゆう魔法を想像し尻尾に6本の槍を持たせる。あとはフゥ達がいる森を目指すだけだ。

           ※※※※※※※※※※

 散歩気分で森を目指す。そこら辺には人間の皮が落ちており、大量の蜘蛛が闊歩している。私を見るなり襲いかかってくるが槍に貫かれた挙句叩き潰されてしまう、オーバーキルも良いところだ。

作り直した魔導書を確認する。覚え残しがないといいのだが

『‥ん?ページが増えている?』気づくた私はそのページをめくるそこには星級魔法と殲滅魔法が書かれている

簡単にゆうと無詠唱は出来ないし、大量にMPを消費してしまうが
"消費した魔力で星を作ることが出来る魔法のようだ"いや、これはとんでもない魔法だぞ?これがあれば異世界だって作れることが出来る。もうちょっとMPが多くなったら使って星を作ってみようか

続いて殲滅魔法だ。これも、星級と同じ条件だが壊すことに特化している。基本魔法にはロックがかかっており呪文を使い、そのロックを外すとゆう行為を常にしているらしい。しかし、これは唱えた魔法のロックを全て外した状態で具現させるため、威力がとんでもないだから"殲滅"なんてついているのだ。

『いや、でもこれ無詠唱出来ないのかぁ‥うーん使う機会は少なそうですねこれ。確かに、強いとは思うが私的には長い詠唱を唱えるのは嫌なのでさっさとレベルが上がって無詠唱出来ればいいのですが』

そんな事を思っていると森の近くまでやってくる。すると10匹程度の蜘蛛が入り口を塞いでる。そこから魔力障壁が見えるのでフゥ達があそこにいると確信した私は尻尾の槍を投げて彼女達の前に現れる。


「「アルフ!!」」

とフゥの嬉しそうな声が私の耳に響いた。

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