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第四章

調査隊 帰還

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 「え?畑のにいちゃんガキが生まれたのか?」
フゥが真っ先に政宗に聞く。政宗は

「あぁ、ほうじゃ。生まれた時は村の皆んなで喜んだんじゃが‥あれから三ヶ月くらい経ってから赤子をみせんなってな?そのあと気になって聞こうとしていた時にあの出来事が起こったんじゃ」

それが元凶なのでは、多分あの男生まれたばかりの赤子を捨てたのではないだろうか、だってあのモンスターが現れた時期と合うのであれば確定だ。多分それをあの土地神が気付き、いまあのように顕現したのだろうな

「自分のガキを捨てるなんて‥ありえねぇ‥」

フゥが怒りを込めた声を出す。その怒りはもっともだ、例えどんな理由があろうとも子を不幸にするのは一番の重罪だ。邪神の私でもそう思うのだから間違いない。

「‥急ぎましょう!早くしないと我々も潰されてしまいます!」

そう言ったエレナの後に続き我々は村の入り口まで走る。‥そういえばあの蜘蛛達がいないではないか、周りに生命反応があるかを探知すると全てあの土地神の元に向かっているではないか。後ろを振り向くと土地神が背中の腕で蜘蛛共を潰している。あれらは仲間ではなかったのだ。

「土地神が蜘蛛を潰していませんか?」

「え?」と言いながら私の発言を聞いたエレナが後ろを見る。その光景に驚いているようで「仲間ではなかったの?」と呟く。

だがこれは「チャンスです。いまのうちに逃げましょう」そう言った私は歩みを進める。今度は皆が私の後に続くように走りだした。

           ※※※※※※※※※※

 村の入り口に着いたあと土地神を見ながらエレナは転移魔法の詠唱をする。私がしても良かったのだが、あのラッパがいつのまにか消えているため、MPの無駄遣いを避けるためエレナに任せることにした。彼女が詠唱してるのを隣で聞きながらあの土地神を見る。

「ォォォォォォォ‥ォォォォ‥」

さっきらずっと嘆いている、そんな様子を見た政宗は昔話と違うと思ったらしく、あれが本当に厄十の神と言われているものなのか疑問に思っている。だが、あれは間違いなく【人類に脅威をもたらす神だ】ならば討伐されるのは運命だろうな。すると詠唱が終わったため、私達の体が光だしワープする。そこは一面緑とあの歪な神の姿がある風切り村ではなくギルド正門前にいたのだった。

「「はぁ~」」

一同から疲れが出たのか重いため息が出る。しかしエレナはすぐに立ち上がると「すぐにマスターに連絡してくるのでお待ち下さい」と言って走り出す。

「死ぬかと思った!」とアディが開口一番に話す。確かに死ぬかと思っただろうな、だが今からが"本番"だ。なにせただのモンスターだと思っていたものがまさか土地神に化けるとは私だって予想していなかったからな‥

「みな、よく帰ってきてくれた。エレナから聞いておる、まさか土地神が討伐対象になろうとはな‥」

ギルドマスターがギルドから出て来て、私達を労う。だが事態の深刻さに頭を抱えているようだった。当たり前だろうな土地神は確かに"私達"から見れば小さいが"人間"から見るとかなり大きな存在だ。しかも討伐すれば間違いなく周辺の山々の植物は死滅する。再生はするが年月の話ではないのだ。

「すぐにでも、議会を開始する。各自十分な休息を取りながら情報をまて」

そのギルドマスターに「はい!」と答えるフゥとアディ。私は疲れたので一刻も早く眠りたい‥そうして解散となった。

あの後色々話をしていたがなんの話をしていたか覚えていない。疲れと眠気が一気に来たため、全て生返事で答えていたからだ。最後にギルドマスターから「では、明日に‥」みたいなことを聞いたがなにを言っていたのか分からない。

屋敷に着くやいなや私は風呂に入り、軽く食事をしてフゥのわがままを無視して眠りにつく。フカフカのベットが私をすぐにへと眠りへと誘う、あの魔導書に早くなれないといつまでたっても、この情けない状態を繰り返しだ。そんな風な事を思いながら私は眠る。

次の日フゥがドタドタと走りながら、私を起こしにくる。

「アルフ!そろそろ起きろ!お前議会の立ち会いにいくんだろ」

「は‥い?俺そんなこと言ったっけ?」

まだ、朝なのに元気なフゥを見て無理矢理起こされた俺は不機嫌そうな声を出す。そんな俺の様子を見て

「はぁ?お前さ自分の発言にはちゃんとしろよな?ギルマスがお前に議会を聞くようにて言ったとき「ふぁい」て欠伸しながら返事しただろ?」

えぇ‥そんなこと言ってたっけ?あの老害。あ~行きたくねぇ‥でも生返事でも"来い"に否定しなかったしなぁ‥怠い‥行きたいない‥

「もう!早くしろよな!行かないと女神様には会えねぇぞ!」

あぁ‥思い出した‥俺はあの【イカれた慈愛の女神に会う為クエストを受けたんだ】‥頭が冴えてきた。フゥの姿をしっかりと見た俺はフゥに尋ねる

「集合まであとなん時間ですか?」

「約束通りあと1時間だ」

はい、お利口さん、ちゃんと俺との"約束"を守ってるじゃないか






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