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51話 大地の断罪
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そうして、はっとする。
そうだ、『邪龍の使徒』は、上位鑑定士ぐらいの腕前じゃないと見付けられないのだ。
エマは『邪龍の使徒』だけをピンポイントで引き抜くべく、スキルを使う。
しかし、いつまで経っても反応がない。
仕方がないと一度謝罪してイザークのアビリティから全てを引き抜いていく。次々と土属性の魔法攻撃名の後に『(使用不可)』が添えられたウィンドウが現れては消える。他にも探索向きの魔法も習得していたそれも、全て。
まるで彼の努力を嘲笑っているように思えた。
『イビルティアーの毒素を入手しました』
「イビルティアーの毒素!?」
いやでも、多分これを引き抜いておけばイザークは問題ないはずだ。
すぐに彼にヒールを施して、今スキルで取ったばかりのアビリティを返却すべく、自分のステータス画面を開いて、スキル名を確認する。一つだけ奪うならまだしも、一気に大量に奪ったアビリティは全て覚えられなかった。
「くそっ! ここまでバレてしまったのなら仕方がない!」
ローブの人間の一人が、黒い龍が口に赤い玉を咥えている杖を高らかに掲げた。
「我らがファフニールよ、愚かな人間共に大地の断罪を!!」
かっと赤い玉が光を放つ。
ぐぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!
轟音と共に、立っていられなくなるほどに地面が縦に揺れた。
それはまるで、苦しむドラゴンが咆哮を上げているように聞こえた。
憎い、幸せそうなアリアが。生きているアリアが許せない。何で私を苦しめておいて生きているの。教会での生活が罰だなんて絶対に嘘! あれは『浄光』を持ってる、きっと聖女だと喜んで引き取られたんだ! アイツはあっちで幸せになれるのにどうして私だけこんな怖い目に遭うの?! ロレンスもそう、何であんな奴が保護されてるの?! カッサーと一緒に奴隷にすれば良かったじゃない!! 何で、酷い目に合わされた私より楽そうに生きてるのよ!! あの犯罪者共に私は苦しめられたの!! 何で私より苦しい思いをしいの?! これが罰だっていうの?! あり得ない!! アイツラは私を苦しめた! それなら、私よりずっとずっと何杯も何杯も苦しめられて当然じゃない!! 私は正しかったのよ?! 何も間違ってなかった!! それなのに、何で!!
「喧しいわね!」
叫ぶ。
「エマは私が幸せにするって決めたの!! 外野は引っ込んでろ!!」
いつの間にか座り込んでいたエマの胸に、ばんっ! と自分の掌を叩き付ける。展開する魔法陣は『キュア』。
あぁそうだ。状態異常解除ができる魔法で毒素を浄化できるはずだ。
数秒して、ウィンドウが目の前に現れる。
『イビルティアーの毒素を浄化しました』
そうだ、『邪龍の使徒』は、上位鑑定士ぐらいの腕前じゃないと見付けられないのだ。
エマは『邪龍の使徒』だけをピンポイントで引き抜くべく、スキルを使う。
しかし、いつまで経っても反応がない。
仕方がないと一度謝罪してイザークのアビリティから全てを引き抜いていく。次々と土属性の魔法攻撃名の後に『(使用不可)』が添えられたウィンドウが現れては消える。他にも探索向きの魔法も習得していたそれも、全て。
まるで彼の努力を嘲笑っているように思えた。
『イビルティアーの毒素を入手しました』
「イビルティアーの毒素!?」
いやでも、多分これを引き抜いておけばイザークは問題ないはずだ。
すぐに彼にヒールを施して、今スキルで取ったばかりのアビリティを返却すべく、自分のステータス画面を開いて、スキル名を確認する。一つだけ奪うならまだしも、一気に大量に奪ったアビリティは全て覚えられなかった。
「くそっ! ここまでバレてしまったのなら仕方がない!」
ローブの人間の一人が、黒い龍が口に赤い玉を咥えている杖を高らかに掲げた。
「我らがファフニールよ、愚かな人間共に大地の断罪を!!」
かっと赤い玉が光を放つ。
ぐぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!
轟音と共に、立っていられなくなるほどに地面が縦に揺れた。
それはまるで、苦しむドラゴンが咆哮を上げているように聞こえた。
憎い、幸せそうなアリアが。生きているアリアが許せない。何で私を苦しめておいて生きているの。教会での生活が罰だなんて絶対に嘘! あれは『浄光』を持ってる、きっと聖女だと喜んで引き取られたんだ! アイツはあっちで幸せになれるのにどうして私だけこんな怖い目に遭うの?! ロレンスもそう、何であんな奴が保護されてるの?! カッサーと一緒に奴隷にすれば良かったじゃない!! 何で、酷い目に合わされた私より楽そうに生きてるのよ!! あの犯罪者共に私は苦しめられたの!! 何で私より苦しい思いをしいの?! これが罰だっていうの?! あり得ない!! アイツラは私を苦しめた! それなら、私よりずっとずっと何杯も何杯も苦しめられて当然じゃない!! 私は正しかったのよ?! 何も間違ってなかった!! それなのに、何で!!
「喧しいわね!」
叫ぶ。
「エマは私が幸せにするって決めたの!! 外野は引っ込んでろ!!」
いつの間にか座り込んでいたエマの胸に、ばんっ! と自分の掌を叩き付ける。展開する魔法陣は『キュア』。
あぁそうだ。状態異常解除ができる魔法で毒素を浄化できるはずだ。
数秒して、ウィンドウが目の前に現れる。
『イビルティアーの毒素を浄化しました』
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