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そんな……嘘っ!
遠乗り馬車の構造は電車のボックス席の様な貴族用馬車とは違う。
天井と壁で覆われた荷台の中で壁側に沿って2列の長椅子が並んでいる形である。
いわばトンネルの前後に扉があって、通常は頑丈な後ろ側扉はロックされている。
今、アーサーは唯一空いている前方の御者側の扉から身を乗り出していた。
「中に入っていろ!」
「外に出るな!」
御者達の怒鳴り声が聞こえる。
先程の悲鳴は致命傷とかではなかったらしい。
無事みたいで良かったけど、続けて何かを跳ね返す様な金属音が聞こえる。
御者達が何かと戦っているのだろうか。
荷台の中に戻ったアーサーが私達に声を掛けた。
「壁から離れて! 真ん中に固まれ!」
遠乗り馬車の箱組の壁の材料は軽く硬い木で出来ている。
炎を弾く魔石顔料で仕上げられているけど装甲馬車程丈夫ではない。
アーサーの指示は壁越しに貫通武器で傷つけられない様にする為だった。
私は慌ててレーナと共にユリアを抱き寄せて荷台中央に固まる。
それを確認してからアーサーは御者台側の入り口前に立った。
「奥様、一体何が……」
「お義母様」
「わからないけど、大丈夫。大丈夫よ!」
私は根拠なく二人に語り掛けた。
すると、すかさず大きな音が後方からした。
ドカン!
「あっ!」
「!」
「きゃあっ!」
馬車の後方、後ろ側の扉が吹き飛ばされた。
辛うじて丁番が繋がっているが最早扉としては機能しないだろう。
装甲馬車程ではないけどそれなりの強度がある扉だ。吹き飛ぶなんてあるのか。
驚いていると開いたこちらへの空間に間髪入れずに炎魔法が飛んで来た。
「くっ!」
「奥様! お嬢様!」
レーナが後方に背を向けて私達を庇う様に後方開口部の前に入る。
後方に振り返ったアーサーも氷魔法のカウンターを放ち火の玉が馬車に入って来るのを防ぐ。
あんなものが撃ち込まれたら逃げ場が無い私達は丸焼けだ。
そのままアーサーは私達を飛び越えて今度は後方の私達の盾になる位置に立った。
だが、連続で攻撃が来ると思ったがそこで静寂が戻る。
「……襲ってこない?」
アーサーが呟いた通り静寂が続く。何らかの金属音も物音ももう聞こえない。
それっきり謎の襲撃は終わった様だった。
「レーナ、ユリア、大丈夫!?」
我に返って私は慌てて二人の無事を確認する。
「……はい、奥様……少しかすりましたが……」
「ユリア?」
「……」
ユリアの返事が無い。私の腕の中でぐったりしている。
ユリアのお腹の端を何か抉った様な跡があった。
その先を見ると馬車の荷台の床に矢のような物が急角度で斜めに刺さっている。
私の背中を凍る様な感覚が走った。
「そんな……嘘っ! ユリア!」
「お嬢様!」
「……お……かぁ……さま……」
「駄目だ、リーチェ! 動かすなっ!」
「ユリア、ユリアっ……」
目から流れ出る涙が止まらない。
情けない事に泣くしかできない。
レーナが床に敷いた着替えの服を敷物代わりにしてユリアをゆっくり寝かせる。
「どうした、やられたのかっ!?」
「救急対応薬は!?」
外から声を掛けてきた御者にアーサーが怒鳴り返した。
馬車を降りて周囲を警戒している御者が声を掛けて来る。
「右座席下の収納に回復薬がある! 早く使え!」
ユリアの服の血の染みが広がるのを見てまた涙が出て来る。
頭がぐちゃぐちゃなった。
アーサーがユリアの服のお腹部分を切って応急処置をした。
消毒を兼ねた回復薬を怪我の箇所にかけてから止血する。
御者の二人が周りを馬車の周囲を確認して戻って来た。
一人が馬車の中に顔を出す。
「立ち往生させた所で遠距離攻撃をされた。どんな様子だ?」
アーサーがユリアを見て示す。
御者が沈痛な声を出した。
「……守れずに済まなかった。とにかくここじゃ何もできない。
柵は何とかどかしたから一刻も早く領都に行かないと」
その言葉が終わらない内に馬車が動き始めた。
「飛ばすからしっかり捕まっていてくれ!」
御者台からもう一人の御者が私達に声を掛ける。
私とレーナはユリアに出来るだけ影響が無い様に体を支えて固定した。
アーサーが口を開く。
「一体、前で何があったんです?」
「いきなり御者台目掛けてボウガンの矢が飛んできた。
そのまま何本も射られてな……剣で跳ね返すので手一杯になった」
そう言って御者は自分の腕を見た。
左肩に受けたらしく血が出ている。最初の悲鳴はこの御者のものらしかった。
「我々を前に引き付けて後ろを狙った。
御者を倒してから積み荷を狙う盗賊ではあまり考えられない。
積み荷というよりもあんた方が目的だったのかもしれない」
「私達が?」
「ああ。積み荷が目的なら丸焦げになる炎魔法なんて撃たないだろ?
あんたが氷魔法を使えて良かったよ」
御者はアーサーにそう答えた。
でも良かったという単語に私は腹が立った。
不幸中の幸いという意味で言ったのだろうけど。
(良かった訳ない! ユリアが……私の娘がこんな目にっ……)
ユリアの頬に落ちた私の涙がそのまま伝う。
私は慌ててユリアの頬を拭った。すると今度はレーナが代わりに私の目を拭う。
ユリアの顔色は悪化していた。
止血した場所の上から更にありったけの薬をアーサーは掛けた。
「くそっ、毒が塗られていたのか? 解毒作用が大して効いていない感じだ」
「盗賊の類では無いかもしれん」
「?」
「この馬車が荷馬車でない事はよく見ればわかる
夜だという事で見間違えた可能性もあるが……」
「……」
「馬車の扉を炎魔法で飛ばし、もう一発撃って乗客の焼死を狙う。
万が一カウンター魔法で避けられても別の奴が同時に放ったボウガンで殺す。
遠乗り馬車の客は常識的に何かあったら壁から離れて中央に固まる。
乗客の殺し方を知っている、慣れた奴らだ。」
御者の指摘などよく頭に入らない。
そんな私の代わりにアーサーが御者と会話を続けた。
「領都に着くまで襲われる可能性はあるだろうか?」
「わからんが、大丈夫な気がする。
先程、あんたらの様子で誰かに深い傷を負わせたと知った途端、気配が消えた気がする」
♢
その後、これ以上ないくらいに飛ばした馬車は二時間掛からず領都の屋敷に着いた。
この世界には病院という物が無い。
どの様な病気でも人間の自然治癒力を増幅させる様々な回復薬を使って治療を行う。
つまり、回復にしろ解毒にしろ薬のグレード次第で治せる場合が変わる。
私は屋敷に着くなり家に常備した薬をありったけユリアに使った。
この世界の外傷薬には薬の大量摂取による弊害は無かった筈だ。
それとは別にハンスにこの領都一番と云われる薬師を呼んでもらう。
その結果、傷の見た目は痛々しいものだったがなんとか傷はふさがった様に見えた。
しかし時間が掛かりすぎたか毒が深かったのかユリアが目覚める事は無かった……。
「奥様はお休みになって下さい。お嬢様は私達が看ておりますので」
レーナの言葉に私は首を振った。
側を離れたくなかった私はユリアにずっと付き添っていた。
心配したアーサーやハンス達屋敷の住民も代わる代わる訪れる。
深夜、ベッド脇に待機していた私は何者かの気配に気が付いて目を覚ます。
レーナとアーサーも居るのに二人は気が付いていない。
寝ているというより気を失っている様な感じだ。
バルコニーの方を見ると窓の外に夜空を背にして一人の人物が立っていた。
「久しぶりだな」
突然現れた人物に驚いたが恐怖は感じなかった。
ぶっきらぼうな物言いをするその人物を私は知っていた。
「……エドゥアル?」
里に居るはずの無骨なハイエルフがそこに居た。
天井と壁で覆われた荷台の中で壁側に沿って2列の長椅子が並んでいる形である。
いわばトンネルの前後に扉があって、通常は頑丈な後ろ側扉はロックされている。
今、アーサーは唯一空いている前方の御者側の扉から身を乗り出していた。
「中に入っていろ!」
「外に出るな!」
御者達の怒鳴り声が聞こえる。
先程の悲鳴は致命傷とかではなかったらしい。
無事みたいで良かったけど、続けて何かを跳ね返す様な金属音が聞こえる。
御者達が何かと戦っているのだろうか。
荷台の中に戻ったアーサーが私達に声を掛けた。
「壁から離れて! 真ん中に固まれ!」
遠乗り馬車の箱組の壁の材料は軽く硬い木で出来ている。
炎を弾く魔石顔料で仕上げられているけど装甲馬車程丈夫ではない。
アーサーの指示は壁越しに貫通武器で傷つけられない様にする為だった。
私は慌ててレーナと共にユリアを抱き寄せて荷台中央に固まる。
それを確認してからアーサーは御者台側の入り口前に立った。
「奥様、一体何が……」
「お義母様」
「わからないけど、大丈夫。大丈夫よ!」
私は根拠なく二人に語り掛けた。
すると、すかさず大きな音が後方からした。
ドカン!
「あっ!」
「!」
「きゃあっ!」
馬車の後方、後ろ側の扉が吹き飛ばされた。
辛うじて丁番が繋がっているが最早扉としては機能しないだろう。
装甲馬車程ではないけどそれなりの強度がある扉だ。吹き飛ぶなんてあるのか。
驚いていると開いたこちらへの空間に間髪入れずに炎魔法が飛んで来た。
「くっ!」
「奥様! お嬢様!」
レーナが後方に背を向けて私達を庇う様に後方開口部の前に入る。
後方に振り返ったアーサーも氷魔法のカウンターを放ち火の玉が馬車に入って来るのを防ぐ。
あんなものが撃ち込まれたら逃げ場が無い私達は丸焼けだ。
そのままアーサーは私達を飛び越えて今度は後方の私達の盾になる位置に立った。
だが、連続で攻撃が来ると思ったがそこで静寂が戻る。
「……襲ってこない?」
アーサーが呟いた通り静寂が続く。何らかの金属音も物音ももう聞こえない。
それっきり謎の襲撃は終わった様だった。
「レーナ、ユリア、大丈夫!?」
我に返って私は慌てて二人の無事を確認する。
「……はい、奥様……少しかすりましたが……」
「ユリア?」
「……」
ユリアの返事が無い。私の腕の中でぐったりしている。
ユリアのお腹の端を何か抉った様な跡があった。
その先を見ると馬車の荷台の床に矢のような物が急角度で斜めに刺さっている。
私の背中を凍る様な感覚が走った。
「そんな……嘘っ! ユリア!」
「お嬢様!」
「……お……かぁ……さま……」
「駄目だ、リーチェ! 動かすなっ!」
「ユリア、ユリアっ……」
目から流れ出る涙が止まらない。
情けない事に泣くしかできない。
レーナが床に敷いた着替えの服を敷物代わりにしてユリアをゆっくり寝かせる。
「どうした、やられたのかっ!?」
「救急対応薬は!?」
外から声を掛けてきた御者にアーサーが怒鳴り返した。
馬車を降りて周囲を警戒している御者が声を掛けて来る。
「右座席下の収納に回復薬がある! 早く使え!」
ユリアの服の血の染みが広がるのを見てまた涙が出て来る。
頭がぐちゃぐちゃなった。
アーサーがユリアの服のお腹部分を切って応急処置をした。
消毒を兼ねた回復薬を怪我の箇所にかけてから止血する。
御者の二人が周りを馬車の周囲を確認して戻って来た。
一人が馬車の中に顔を出す。
「立ち往生させた所で遠距離攻撃をされた。どんな様子だ?」
アーサーがユリアを見て示す。
御者が沈痛な声を出した。
「……守れずに済まなかった。とにかくここじゃ何もできない。
柵は何とかどかしたから一刻も早く領都に行かないと」
その言葉が終わらない内に馬車が動き始めた。
「飛ばすからしっかり捕まっていてくれ!」
御者台からもう一人の御者が私達に声を掛ける。
私とレーナはユリアに出来るだけ影響が無い様に体を支えて固定した。
アーサーが口を開く。
「一体、前で何があったんです?」
「いきなり御者台目掛けてボウガンの矢が飛んできた。
そのまま何本も射られてな……剣で跳ね返すので手一杯になった」
そう言って御者は自分の腕を見た。
左肩に受けたらしく血が出ている。最初の悲鳴はこの御者のものらしかった。
「我々を前に引き付けて後ろを狙った。
御者を倒してから積み荷を狙う盗賊ではあまり考えられない。
積み荷というよりもあんた方が目的だったのかもしれない」
「私達が?」
「ああ。積み荷が目的なら丸焦げになる炎魔法なんて撃たないだろ?
あんたが氷魔法を使えて良かったよ」
御者はアーサーにそう答えた。
でも良かったという単語に私は腹が立った。
不幸中の幸いという意味で言ったのだろうけど。
(良かった訳ない! ユリアが……私の娘がこんな目にっ……)
ユリアの頬に落ちた私の涙がそのまま伝う。
私は慌ててユリアの頬を拭った。すると今度はレーナが代わりに私の目を拭う。
ユリアの顔色は悪化していた。
止血した場所の上から更にありったけの薬をアーサーは掛けた。
「くそっ、毒が塗られていたのか? 解毒作用が大して効いていない感じだ」
「盗賊の類では無いかもしれん」
「?」
「この馬車が荷馬車でない事はよく見ればわかる
夜だという事で見間違えた可能性もあるが……」
「……」
「馬車の扉を炎魔法で飛ばし、もう一発撃って乗客の焼死を狙う。
万が一カウンター魔法で避けられても別の奴が同時に放ったボウガンで殺す。
遠乗り馬車の客は常識的に何かあったら壁から離れて中央に固まる。
乗客の殺し方を知っている、慣れた奴らだ。」
御者の指摘などよく頭に入らない。
そんな私の代わりにアーサーが御者と会話を続けた。
「領都に着くまで襲われる可能性はあるだろうか?」
「わからんが、大丈夫な気がする。
先程、あんたらの様子で誰かに深い傷を負わせたと知った途端、気配が消えた気がする」
♢
その後、これ以上ないくらいに飛ばした馬車は二時間掛からず領都の屋敷に着いた。
この世界には病院という物が無い。
どの様な病気でも人間の自然治癒力を増幅させる様々な回復薬を使って治療を行う。
つまり、回復にしろ解毒にしろ薬のグレード次第で治せる場合が変わる。
私は屋敷に着くなり家に常備した薬をありったけユリアに使った。
この世界の外傷薬には薬の大量摂取による弊害は無かった筈だ。
それとは別にハンスにこの領都一番と云われる薬師を呼んでもらう。
その結果、傷の見た目は痛々しいものだったがなんとか傷はふさがった様に見えた。
しかし時間が掛かりすぎたか毒が深かったのかユリアが目覚める事は無かった……。
「奥様はお休みになって下さい。お嬢様は私達が看ておりますので」
レーナの言葉に私は首を振った。
側を離れたくなかった私はユリアにずっと付き添っていた。
心配したアーサーやハンス達屋敷の住民も代わる代わる訪れる。
深夜、ベッド脇に待機していた私は何者かの気配に気が付いて目を覚ます。
レーナとアーサーも居るのに二人は気が付いていない。
寝ているというより気を失っている様な感じだ。
バルコニーの方を見ると窓の外に夜空を背にして一人の人物が立っていた。
「久しぶりだな」
突然現れた人物に驚いたが恐怖は感じなかった。
ぶっきらぼうな物言いをするその人物を私は知っていた。
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