THE IMMORTAL ~転生したら不死身になった~

ヘタノヨコズキ

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【第一章】

【第2話】チュートリアルは、スーパーハードモードで

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 いやはや、投稿してから直ぐに沢山の方々に読んでいただきました。
 タイトルの力って偉大ですね。
 さて、早く投稿できるように頑張りましょうかね。

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 マジで不死身になったの!?と、当然思った翠は、取り敢えず頬をつねったり頭を殴ったりしてみた。

 そんな事をしてみてわかったことがある。
 『痛み』というものが全く無いのだ。
 触る感触などはあるのだが、『痛み』だけが無い。
 後、傷が一瞬、いや傷が付いた刹那に治る。

 これが不死身って奴なのか。と、翠は半ば無理矢理納得した。





 翠はすっかり忘れていた、女神長さんからの贈り物を確認する事にした。

 先ずは水筒。中身はあるが何なのだろうか?水かな?

 翠は水筒の蓋を開けて中を覗き込む。

 色が無い。水、いや、そうであって欲しい。

 翠は勇気を出してその液体を飲んでみた。

(うん、只の水だわ。しかもかなり美味しい)

 今思うと、女神長さんが用意してくれたものだろうから、疑う必要なかったな。
 ……あれ?今、世界が微笑んだ、そんな気がした。
 あ、なんか水が更に美味しくなったように感じる。
 アレかな?女神長さんが何かしてくれたのかな?有難うございます。
 て言うかこの水筒の中身が一向に無くならないんですが。マジックアイテム的な物なのか?
 まあ、そうなんだろう。女神長さんからの贈り物なんだし。





 さて、次は弁当箱だ。
 さっきの水筒のお陰で大体予想できているが……何が出てくるのかが気になるな。
 ご飯だけだったりして。

 と、そんなフラグを盛大に打ち立ててから翠は弁当箱の蓋を開ける。

「……Wowワォ!美味しそうなご飯!」

 真っ白で、ツヤがあり、食欲をそそる匂いを漂わす最高品質のOKOMEが弁当箱の中にはあった。

「……うん、いや、文句は言わないけど、なんか、おかずが欲しいです。ハイ」

 どうせなら、ローストビーフとかの高級なもので。と、翠は心の中で付け足した。

「ん?……えぇ!?」

 翠が驚いたのは、弁当箱の中身がそっくり変わっていたからだ。
 それもローストビーフに。

(……これはアレか?念じた食べ物が出てくるとかそういう奴なのか?だったら……)

 翠はさっきの水筒を手に取る。
 そして、頭の中で『コーラ』と念じた。
 そして水筒の蓋を開ける。
 中には……コーラ色をした炭酸の液体が入っていた。

「まあ、そうなるわな」

 と言って、翠は確かめる為にその液体を飲む。
 その味は、正真正銘コーラそのものだった。少し美味しくなっている気がするが。
 有難うございます、女神長さん。と、翠は心の中でまたお礼を言った。





 最後は地図。これも何か特別な機能がありそうだけど。

「ん?右上になんかある」

 地図の右上には、『亜空間』と書かれていた。

「亜空間?何の事だ?」

 その時、不意に翠の背後から声がした。

「此処の事ですよ」

「そうなんですか……って、え!?」

 翠は後ろを振り返る。其処には白髪の女性が立っていた。

「あら?誰が此処には貴方しか居ないと言ったのですか?」

「いや、だってさっき迄誰も居なかったと思うんですけど……音もしなかったし……」

「はい、その通りです。たった今降臨しました」

 女神はフフッと微笑ほほえむ。

「こうりん?コウリン……降臨!?」

「はい、降臨です」

「って事は……女神様で御座いましょうか?」

 翠は微妙に変な敬語を使いながら尋ねる。

「はい、女神です。貴方の元の世界で言うところの、チュートリアルと言うものをする様に女神長から事預かっています」

 チュートリアル?チュートリアルってあの?ゲームとかでよくある。

「えーっと、チュートリアルって何をするんですか?」

「貴方も知っている様に、この世界には魔物が闊歩かっぽしています。
 貴方は死なないですが……酷い目に遭って直ぐに死にたいと泣きを入れられても、此方も対応に困ります。
 だから貴方には強くなってもらいます」

「……えーっと、どの位でしょうか……?」

 翠は頭を掻きながら尋ねる。

「そうですね……最低でもこの世界でAランクと呼ばれている魔物に単独で勝てる位には。
 転生者は傲慢になる傾向がありますからね。危なっかしいんですよ」

「え~~~、なんか嫌な予感が……」

 どの位でランク分けされてるのか分からないけど、Aランクって相当なものな気がする。

「この空間では時間が進まない様にしているし、貴方の身体能力は前の体と比べ物にならない程高くなっているので安心して下さい。
 不安だったら更に高いランクの魔物にも勝てる様にもしてあげますよ?」

「いえ、遠慮しておきます」

 翠は、迷いなく、即答で断った。

「遠慮なんてしなくて良いのですよ?
 では、チュートリアルのレベルを選んで下さい」

 翠の前に画面が表示される。

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<イージー(Aランク)

<ノーマル(Sランク)

<ハード(SSランク)

<スーパーハード(SSSランク)

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 あ、勿の論でイージーで。

 翠はイージーの所にタップする一一瞬間、画面が切り替わった。
 そして、翠は指を止めるどころか気づける筈も無く一一そのままタップしてしまう。

================================

<スーパーハード(SSSランク)

<スーパーハード(SSSランク)

<スーパーハード(SSSランク)

<スーパーハード(SSSランク)

================================

 翠がそれに気づいた時にはもう手遅れだった。

「は、は、はあああああ!?」

「あら、勇気がありますね。私が貴方をSSSランクの魔物相手でも楽に勝てる様にしてさし上げましょう」

 翠は女神様が満面の笑みを浮かべているのに気づいた!
 翠は女神様が筋金入りのドSである事を悟った!
 そしてそれが今、どうでも良いという事も悟った!

「……御勘弁を」

「男に二言があってはいけませんよ?」

 いや、あんたに謀られてこうなったんですけど!?

「……ご容赦の程」

「女の子になりますか?物理的に」

「……」

 物理的にって。仮にも女神だから本当に出来てしまいそうなところが怖い。

「大丈夫ですよ。貴方の体は疲れも痛みも感じませんし、体力も無限にあります。
 更に人間が生理的に必要とする事も貴方にとっては不必要です。
 要するにずっと全力を出して、望むのならば永遠に修行を続けられるという事です。ふふふ、どう虐めようかしら」

 本音出てるぜ、女神さんよ。
 後、俺の精神衛生完全無視だよね。

 女神は新しい玩具を手に入れた子供の様な笑顔をしていた。
 一方翠は、なんかもう、別に良いや。
 的な諦めの境地に片足を突っ込んだのだった。





「さて、先ずは貴方が今、どの位強いのかを見てみましょう」

「はあ、強さですか?」

 翠の前に画面が表示される。

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 種族: 不死者

 名前: シアン

 レベル: 12

 魔力値: 測定不能

 通常ノーマルスキル

・格闘術 Ⅱ

・剣術 Ⅰ

・狙撃術 Ⅲ

・料理 Ⅲ

・話術 Ⅴ

・威圧 Ⅲ

・笑顔 Ⅴ

・嘘 Ⅵ

・演技 Ⅵ

・自制 Ⅵ

・毒耐性 Ⅳ

・痛み耐性 Ⅱ

・幸運 Ⅷ



 固有ユニークスキル

・因果応報

・不滅

・不老不死

・無苦



 称号

『演技者』

『不屈の心』

『死にたいだなんて言わないで』

『女誑し』

『転生者』

『女神長の祝福』

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 お、おう。俺の心の闇が垣間見えた様な気がする。
 通常ノーマルスキルの剣術は高校から始めた剣道か。
 狙撃術はアレだな、ゲームの影響で中学校の時に没頭した射撃だな。趣味の方がレベル高いって、何かなぁ。
 演技は俺が子役やってた時の名残だ。あの頃は若かった。
 ……称号の『女誑し』って何だよ!

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『女誑し』

 3人以上の女性から恋愛的な好意を向けられる。そして、その好意の原因が自分にある。

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 なんか出てきたし。て言うかそういう条件か。
 そしてその理由に納得してしまう自分がいる。

 後、個人的に興味があるのは魔力値が測定不能な事と、『因果応報』、『不滅』、『不老不死』、『無苦』のスキル、『死にたいだなんて言わないで』の称号かな。

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『因果応報』

 自分が相手から今までに受けたダメージを、そのダメージを与えた相手に返す。
 欠損なども対象となる。相手が自分の姿と違っている場合は、欠損部位に相当する相手の部位を欠損させる。
 莫大な魔力を消費する。



『不滅』

 このスキルを持っている者は、その存在が揺るぎないものとなる。
 自分に損を与える、肉体的、精神的、霊魂的などを含む全ての干渉を受けつけない。



『不老不死』

 歳をとらない。死なない。
 普通、生物が生きていくのに必要なことが必要でなくなる。
 体内に入った物は問答無用で原子レベルで分解、吸収できる。

 『再生』と『俺は俺のまま』の二つのモードがある。

 『再生』は傷がついたり、欠損部位があった時に魔力でそれを瞬時に治す。
 例えば腕が欠損した場合、腕が生えてくる。
 認知できないほど早く治る。

 『俺は俺のまま』は傷がついたり、欠損部位があったりした時に直ぐに元に戻る。
 例えば腕が飛び散った場合、飛び散った細胞などが集まり元に戻る。
 細胞は死ぬ時、瞬時に分裂し、分裂した方の細胞が死んだ細胞の代わりとなる。
 認知できない。



『無苦』

 全ての身体的な苦しみを失くす。
 痛みも暑さも寒さも寝苦しさも空腹も感じない。
 快適な生活を保障します。



『死にたいだなんて言わないで』

 自分の生に一切の興味を失くしたものを心変わりさせた。

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 『因果応報』か。俺は不死だから、どういう判定になるのかが気になるな。
 もし、治ったダメージも対象になるのならかなりのチートだ。
 『不滅』。これは明らかなチートだ。
 まあ、精神的な干渉とか受け付けたくないから、有難ありがたい。
 『死にたいだなんて言わないで』。これは予想通り。前世の経験が反映されてるんだろう。







 女神は翠のステータスを見て一一顔に出すほどではないが一一驚いていた。

(『女神長の祝福』……祝福なんて滅多に与えるもんじゃないんだけど。
 まあ、女神長様ってチョロいから仕方ない……の?
 それに魔力値が測定不能って。あの女神バカ設定間違えやがったわね。
 やる気出した時に限ってこうなんだから。言葉通り無限にあるわね)







「さあ、これを受け取るが良い!」

 女神がいつの間にか取り出した刀を鞘ごと投げる。
 そして、翠はそれを慌てて受け止める。

「うわっ!?とっとと、危ないなぁ。いきなりどうしたんですか?女神様」

「女神ではない!私のことは教官と呼べ!」

 女神はカッと目を見開く。

「きょ、教官?」

「そうだ!私が教官で貴様がウジ虫だ!」

「う、ウジ虫?」

「そうだ!貴様はウジ虫だ!私が貴様をウジ虫から、SSSランクにも勝てる戦士にしてやろう!覚悟しておけ!」

「は、はぁ!?」

「返事!」

「は、はい!」

 こうして、翠の地獄の日々チュートリアル一一時間は経たない。それに疲労も無いので精神的に地獄なだけ一一は始まったのだった。



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 どうも、ヘタノです。

 前回から打って変わって説明とコメディ回です。

 翠は女神長は親愛を込めてさん付け、教官女神は皮肉をちょっぴり込めて様付けしています。

 他の方の小説読んで、こういう描写を書くのに密かに憧れておりました。

 女神様ってなんか性格に難ありなイメージがありますよね。(小説の中では)

 因みにヘタノはどちらかというとSです。
 後、翠ハMジャナイヨ?

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設定資料集

・レベルは経験に基づいて決定する。

・この世界の村人がその生涯を終える時の平均のレベルが10。

・翠は前世の経験が生きているので、レベルが高い。(翠は前世で其れなりに壮絶な人生を歩んでいる)

・毒耐性が付いているのは翠が前世で毒殺されたから。(後々、その描写が出てくる)

・『死にたいだなんて言わないで』の称号は前世の、後輩の女の子が関わってくる。(と言うか本人)

・スキルにはレベルがあるものと、レベルが無いものがある。

・スキルのレベルはⅠが普通。Ⅴで一流プロ。最高でⅩ。

・翠は前世でも結構なチートだった。
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