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【第一章】
【第5話】悪魔の王女様
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第2話を修正して、スキルを追加しました。
追加されたスキルは『無苦』、『自制』、『料理』、『幸運』です。
すみませんでした。
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「次は、サイクロプスだ。デカイ図体をしているが、動きは素早い。一撃一撃が強力だ」
「了解です!」
「因みにSランクだ」
翠の前に巨大な魔法陣が現れる。
「ゴァアアアアア! (此処は何処だぁ!)」
魔法陣から出てきたのは、体長10mはある青い一つ目の巨人。
頭の上には一本、ツノが生えている。
「お疲れ様です。目玉切らせてもらいますね」
翠は、先手必勝とばかりに空間切断でサイクロプスの目玉を細切れにする。
「む、良いぞ! 其奴は目が弱点だ」
「ゴアッ!? (ギャア!? 目が、目がぁ!)」
「お前は何処ぞの大佐か?! まあ良い、次だ!」
翠はサイクロプスの手足とツノを根元から切断する。
「ゴアアアアアア! (ギャアアアアアア!)」
「ザマァ! 反撃する暇なんか与えねえんだよ!」
そう言いながら、翠はサイクロプスの眼前に転移する。
そして空間魔法で空中に足場を作り、其れを蹴って刀を横に一閃する。
「ゴアァ……(グアァ……)」
「知ってるか振動ブレードって?! ブレードじゃなくて刀だし、お前が知る訳ねえけども!」
翠は空間魔法で刀を振動させ、前世で言う振動ブレードの様にしてサイクロプスを斬ったのだ。
「ゴ……(ガ……)」
サイクロプスの頭が横真っ二つに切断され、ズレ落ちる。
「そうだ。刀の長さじゃ足りなかったから空間切断も使わせてもらったぜ」
そう言い、翠は返り血を防ぎながら地面に降りる。
「うむ、良くやった! 及第点をやろう」
女神がビシッとサムズアップする。
「ありがとうございます!」
翠は其れに笑顔とサムズアップで応えた。
◇
「次はSSランクの魔物、フェニックスだ。貴様らが幻獣と呼んでいる類の魔物だ。
再生能力に長けている。貴様とは比べ物にならないがな」
「炎に包まれてたりします?」
翠は、前世で言う様なフェニックスを思い浮かべる。
炎に包まれた何度も転生する鳥だった筈。
「ああ、そうだ」
「そうですか」
「……では行くぞ!」
翠の前に、巨大な魔法陣が現れる。
「クルアァアアア!(何処だ此処!)」
魔法陣から出てきたのは、赤い炎に包まれた巨鳥。
翠は、イメージ通りだと思った。
「えーっと、取り敢えず死んで下さい」
「クルァ!? クルルルル!? (人間か!? 何言ってんの此奴!?)」
「先ずは地に落ちて貰おうか」
重力操作は効くのかな。効いたら儲け物だ。
「クルッ!? (体が重い!?)」
フェニックスは、翠の重力操作によって強くなった重力に耐えきれずに地面に落ちる。
翠はそんなフェニックスに近づいて、刀を片翼に突き刺す。
「クルッ! (痛い!)」
「うん、熱くないな」
『無苦』のスキルのお陰で、痛みも熱さも苦しい事は何も感じない。問題は感覚が鈍る事かな。
翠は、振動させた刀でフェニックスの片翼を切断する。
「クルァア! (人間が!)」
フェニックスは翠に、反撃の炎を喰らわす。
だが翠には効かず、炎は燃え尽きる。
「あれ? 服も再生すんのか」
翠の言う通り、翠の着ている服も再生している。
仮にも女神様? (女神長さんかも知れない)が作ったものなのだから当たり前かと翠は思う。
「クルルッ!? (効いていないのか!?)」
「フェニックスって美味いのかな? 燃えてる鳥なんて食べたくないけど」
フェニックスの焼き鳥……燃えてそう。
「クルァッ!? (食べられるの!? 俺、食べられるの!?)」
「食べないって。殺すだけだから」
そう言いながら、翠はフェニックスを解体する作業を続ける。
「クルルルル! (こうなったら、我が最強の魔法で葬ってやろう!)」
両翼を斬られたフェニックスは翼を再生しながら、ゴウと燃え盛る。
「フラグ乙です」
『無苦』と『不老不死』の欠点は戦いに緊張感が無くなる事だな。
要らないものだけれども。
「クルアアアア!(ウォオオオオ!)」
一一ゴォオオオ!
翠の体が、赤い火柱に包まれる。
其れは、まるで火山が噴火した様な勢いで翠を焼く。
「クル、クルル……クルッ? (ハァ、ハァ……やったか?)」
火柱が収まった其処には灰になった翠と、焼け跡一つない翠の服があった。
「クルルルル! (勝った、勝ったぞ!)」
「完全にフラグですね。本当にありがとうございます」
その声が聞こえた瞬間、フェニックスは翠がいつの間にか再生している事と、重力操作が解除されていなかったことに気づく。
「再生するタイミングも調整出来るんだな。マジで凄いわ」
一瞬で再生する事も、一定時間経ってから再生する事もできるらしい。
灰になっても思考は止まらないし、これなら騙し討ちも出来そうだ。
「クルッ!? クルルルル! (何故!? 何故生きている!)」
『因果応報』、使ってみるか。
「五月蝿い死ね」
翠がそう言った瞬間、フェニックスは炎に包まれた自分が焼かれる様な熱と痛みに苛まれ、灰になる。
「うん、治ったダメージも換算されるんだな。
因果応報ってチートだ……チートだ。大事なことだから二回言った」
翠は、『因果応報』のスキルの強さを実感した。
「うむ! 余り、スキルに頼っては如何ぞ! いざという時に備えてな!」
「はい!」
確かにその通りだな。と翠は思う。
◇
「さて、次で遂にSSSランクの魔物だが、その前に貴様に知らせることがある」
「? 何ですか?」
何かあったかな? と翠は首をかしげる。
「その刀の事だ。その刀は憑魔刀という代物でな。
貴様は本当に運が良いぞ。(まぁ、女神長の加護の所為だろうが……)
転生者の全員に支給している武器の中でも最高ランクだ。その刀は一一」
「ちょっと待って下さい」
「む、何だ?」
「今、転生者の全員って言いましたよね?
予想はしてましたけど、俺の他にも転生者は居るんですか?」
「ああ、居るぞ。貴様が行く世界にもな。
その刀は、又しても抽選で当たったものなんだが……悪魔を喚べる」
「悪魔?」
悪魔ってあの? 魂とか食う?
「そうだ。使用者の魔力に応じた強さの悪魔を喚んで、その刀に憑依させる事もできる。
貴様の場合は最強の悪魔を降ろす事になるだろうな」
「えーっと、気になる事があるんですが……契約とかするんですか?」
悪魔と言えば契約だ。魂を売るとか冗談じゃないがな。
「そうだな。だがその刀の特性で、使用者に有利な条件で契約する事が出来る」
「へぇー、其れで俺はどうしたら良いんですか?」
「貴様は此れからSSSランクの魔物と戦うだろう? 因果応報は確かに強力なスキルだが、SSSランクの魔物は常識が通じない。
其れにさっきのフェニックスだって、『因果応報』の欠損を相手にも与える効果が無ければ再生していたぞ?
貴様はまだまだ弱い。だから、その刀の能力を教えてやったのだ。
与えた物について、説明するのが筋という事もあるがな」
「……ありがとうございます。 悪魔を喚ぶにはどうしたら良いんですか?」
「む、思い切りが良いな」
「女神様が与えた物だから疑う必要も無いし、俺は一度死にましたしね。不死身だって事も信用してみます」
「……刀に魔力を込めてみろ。其れで悪魔を喚べる筈だ」
「はい一一」
翠は全力で刀に魔力を込める。
ポン、と音がして煙の中から現れたのは一一
「妾を喚んだのは誰じゃ?! 国か? 国を滅ぼして欲しいのか?!」
一一黒いドレスを着、背中に蝙蝠の様な羽を生やした、緋髪の美少女だった。
◇
「如何したのじゃ? 妾に何かついておるのか?」
「いや、違うんですけど……」
「ならどうしてなのじゃ? 妾がお前に協力してやると申しておるのに……
……はっ! ま、まさか怖じ気付いて妾を送り返すとか言うんじゃないじゃろうな!? 妾はこのまま城に帰るのは嫌じゃぞ!」
「ん? 城?」
「ん? ああ、名乗っておらんかったな。
妾は悪魔の王女、サリス・ギルバード・グライガル・センリ・ルナ・サンドラじゃ」
「長いですね……ん? 王女様ぁ!? ……いや、確かにそういう語尾だった……」
「翠、いやシアン。この者の言っている事は本当です。後、悪魔の中で一番強いのはこの者です」
「あ、口調が戻ってる」
「そうじゃ! 妾は悪魔の中で最強、その妾に何を望む?」
「あ、はい。取り敢えずはSSSランクの魔物を倒すのを手伝って欲しいんです」
「……え? 魔物? 国じゃなくて?」
サリスは信じられないと言った様子で言う。
「はい、魔物です」
「何じゃと!? 妾を喚ぶのに幾ら生贄を用意したのかは判らんが一一」
「生贄?」
「一一国を滅ぼす事くらいの事をしなければ釣り合わないじゃろう?」
「シアン、この世界では普通上位の悪魔を降ろすには生贄が必要だと考えられています。
この世界では生命力を魔力に変換する儀式と併用して、悪魔の召喚は行われます。
魔力が足りれば必要ないですが、通常の方法では到底届かないので、生贄を必要としているのです」
「……何か嫌ですね、そう言うの」
翠は苦虫を噛み潰した様な顔になる。
「仕方ありません。上位の悪魔は其れをしてもお釣りが来るほど強力ですから」
「妾の話を聞け!」
話を聞いてもらえなかったサリスが怒って言う。
「あ、はい」
「(何故なのじゃ……? 普通なら、妾の『魅了』と『威圧』で妾に従順になっている筈……)」
「あのー、聞こえてますよ?」
翠は、ずっと身体強化と空間魔法を発動しているので、サリスの呟きも聞き取る事ができるのだ。
「なっ!? ……何故お前は妾のスキルにやられていない?」
サリスは、観念した様にそう言う。
「俺、そういうの効かないらしいんです」
「そういう問題じゃないのじゃ! 妾並みであれば、そんなもの貫通して効く筈!」
「貴女は少し静かにしなさい」
「む、お前は誰じゃ?」
サリスが、自分を喚び出した者の横に居た女性に初めて興味を示す。
「私は女神です」
「め、女神ぃ!? ……本当なのじゃ?」
サリスは半信半疑と言った様子で言う。
半分信じているのは、女神の言葉が自信に溢れているからだ。
「はい、これで信じてくれますか?」
女神は、サリスの全魔力の二倍ほどの魔力を乗せた『威圧』をする。
「きゃっ!? この『威圧』は……な、なら、この者は誰なのじゃ?」
「シアン、転生者です」
「らしいです」
「て、転生者……? 何なのじゃそれ?」
「ある計画があってですね、転生者というのはその被験者という訳です。
まあ、異世界文化交流という人畜無害な計画ですが」
「俺、初めて知ったんですけど……」
「む、むぅ……取り敢えずは分かったのじゃ……女神様、妾は目上の者が居なくて相応しい言葉遣いが出来んかも知れんが、どうか許して欲しいのじゃ」
サリスはペコリと頭を下げてそう言う。
「良いですよ。私はそんな事は気にしません」
「有難うなのじゃ。では、契約の話をしたいのじゃが……妾はどんな不利な条件も呑むつもりじゃ」
頭を上げたサリスは女神に一言お礼を言ってから、シアンの方に体を向け下を向きながらそう言う。
「いや、そんな鬼畜な事はしませんよ。俺からは、協力して、俺の言う事を聞いてくれることだけで良いです。
あ、誤解しないように言いますが、頼みごとをするかも知れないってだけで、理不尽な内容や嫌な事だったら聞かなくて良いですからね。
逆に何か要望があったら言ってください」
「……それで良いのじゃ?」
「良いですって。何なら契約しなくて良いですよ?」
「……妾は、城の外の世界を見てみたい。妾は生まれてからずっと……城から出られなかったのじゃ……」
翠はサリスの一言とその表情で、寂しい思いをしてきたのだろうと考える。
そしてその姿を自分と重ね合わせて、出来る限りの事はしてあげようと同情の念に駆られるのだった。
「……わかりました。俺もこの世界の事は知りませんが、出来る限りの事はします。
他にはありませんか?」
「後は……言い難いのじゃが……」
「何ですか? 俺が出来る事ならしますよ?」
翠は笑顔でそう聞く。
「(実は……妾は……ちょっと特殊な……性癖で……)」
サリスは赤らめた顔を翠の耳に近づける。
「……」
翠は、唾をゴクリと飲んだ。
「き、斬らせて欲しいのじゃ!」
サリスは林檎の様に真っ赤になった顔でそう言った。
「何を!?」
「……肉を……生きている者の肉を……」
「何か色々台無しだよ!」
「妾だって直そうとはしてるのじゃ! だけど……あの……生きている者の肉を斬った時のあの感触……忘れられない……」
サリスはその時の感触を思い出して、クネクネと体を動かす。
「怖いなこの娘! ドSか?!」
「失礼な! 妾は叫び声も、苦しむ顔もどうでも良い! 妾はただ……斬った時のあの感触が……」
「余計に怖いよ!」
「妾も多くは望まぬ。魔物を捕まえた時、少しだけ斬らせてくれるだけで良いのじゃ」
「いや、願い自体には問題は全くありません。歓迎とは言いませんが……何時でも斬らせてあげれると思います」
「本当か!? で、何を斬らせてくれるのじゃ?!」
サリスは期待に満ちた表情で聞いた。
「俺」
そう言い、翠は自分を指差す。
「え? 良いのじゃ? 確かに妾は人間の男を斬るのが一番好きじゃが……」
「サラッと危ない事言っちゃったよ! 主に作者の人格が疑われるという意味で!」
「其れに、シアンだけだったら直ぐに無くなるし……」
「メタ発言はスルーの方向で。ああ、その点については大丈夫です。見てて下さい」
そう言い、翠は『不老不死』のモードを『再生』に切り替えてから自分の小指を斬り落とす。
「なっ!?」
サリスは、城から出る事を許されなかっため、余り外の世界の事については知らなかったが、家臣が献上してくれる生贄にされた者たちを斬った時の悲痛な表情を見て、その行動が普通でない事は分かっていた。
だから、何故この転生者のシアンはこの様な事をしたのかが理解できなかった。
「ほら、大丈夫でしょう?」
翠は笑顔でそう言いながら、自分の小指と斬り落とした小指をサリスに見せる。
「えっ? 小指が治ってる? 斬ったはずなのに?」
「え? 女神様、この世界に傷を治す魔法とか無いんですか?」
魔法があるのだったら、そう言う事も出来そうな気がするが……
「いえ、あります。サリスがその事に驚いているのは、彼女が無意識に使っていた『不可』のスキルの所為でしょう」
「「『不可』?」」
「はい。彼女の固有スキルです。固有スキルは解析が難しい物が多いですから、今まで気付けなかったのでしょうね」
「へー、そうなんですか」
「妾知らなかった……」
「そのスキルの効果は端的に言うと、抵抗の不可、改変の不可、その他諸々の不可です。
無意識に使うのと効果を消したりするのは簡単に出来ますが、意図的に使うのは難しい様です。
魔力消費もシアンの『因果応報』より多いみたいなので」
「そういう事だったんですか」
「妾はなんて勿体無い事を……」
「気にするのそっちなの!?」
「え? だって、生贄に使われるのはどうしようも無い位悪い事した人じゃないのじゃ?」
「え? そうなんですか?」
「そうだ。いや、そうです。国では、奴隷にもなれない様な許されない事をした犯罪者は悪魔の生贄として使われます」
「うーむ、考えさせられる事だな。考えないけど」
「家臣が言っていた事は本当だったのじゃな」
「そう言えば、サリス様。『不可』のスキルを無効化出来ます? 俺も傷が戻らないとか嫌です。痛みは無いですが」
女神様たちが創ったらしい体だが、流石にスキルの効果には負けるんじゃ?
「むう、これで良いのじゃ? 自分でもわかる様な気がするのじゃが……」
「はい、傷の治療の不可は無くなりました。
無効化したのが判るのは、スキルの事を自覚したからだろう。いえ、でしょう。
後、シアンの傷は『不可』を無効化しなくても治るぞ? いえ、治りますよ?
相反する効果のスキルは効果が高く、使用者の魔力が多い方が勝つ。いえ、勝つのです。
だから、シアンの傷は治ります」
(素が出てる……)
「そうなんですか」
「そうなのじゃな。シアンも凄いのか?」
「はい。うちの女神の所為で」
「……わかったのじゃ。シアンよ、そろそろ契約をしようぞ」
「あ、はい。では、契約の条件は『俺に協力する』、『俺の言う事を出来るだけ聞いてもらう』、『サリス様が世界を見て回る』、『サリス様の性癖の欲望を満たす』で宜しいでしょうか?」
「いや、まだじゃ」
「何です?」
「妾と話す時には敬語を使わなくても良い。その位は良いじゃろ?(そういうのに憧れておったのじゃ……)」
「わかった。後、聞こえてるって、サリス」
「きゃっ!? そ、そうであった……では契約を……」
「契約を……」
「「如何するんですか?(のじゃ?)」」
「言うと思ってました。体と体を触れさせあって魔力と意思を交換し合うのです。
媒介を通してする事も出来ますが」
「じゃあ、握手で。宜しくサリス」
「よ、宜しくなのじゃ!」
翠とサリスは握手を交わして、魔力を交換する。
翠とサリスの契約が成立した。
================================
また遅くなりましたね。すみません。
翠(シアン)と女神の良い雰囲気、サリスが自分で作ったシリアスな雰囲気、性癖と聞いた時の読者様のちょっとした期待、それらの全てを台無しにしたKYな王女様。
箱入り娘ならぬ城入り娘のサリスの長い名前に意味はありません。
後、フェニックスに灰にされた翠が再生した後服を着ていたのは、服を着ながら再生したからです。(ご都合主義)
次回はSSSランクの魔物と戦ってから、遂に地上にシアンとサリスが降り立ちます。多分。
あ、作者の精神は健全です。
追加されたスキルは『無苦』、『自制』、『料理』、『幸運』です。
すみませんでした。
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「次は、サイクロプスだ。デカイ図体をしているが、動きは素早い。一撃一撃が強力だ」
「了解です!」
「因みにSランクだ」
翠の前に巨大な魔法陣が現れる。
「ゴァアアアアア! (此処は何処だぁ!)」
魔法陣から出てきたのは、体長10mはある青い一つ目の巨人。
頭の上には一本、ツノが生えている。
「お疲れ様です。目玉切らせてもらいますね」
翠は、先手必勝とばかりに空間切断でサイクロプスの目玉を細切れにする。
「む、良いぞ! 其奴は目が弱点だ」
「ゴアッ!? (ギャア!? 目が、目がぁ!)」
「お前は何処ぞの大佐か?! まあ良い、次だ!」
翠はサイクロプスの手足とツノを根元から切断する。
「ゴアアアアアア! (ギャアアアアアア!)」
「ザマァ! 反撃する暇なんか与えねえんだよ!」
そう言いながら、翠はサイクロプスの眼前に転移する。
そして空間魔法で空中に足場を作り、其れを蹴って刀を横に一閃する。
「ゴアァ……(グアァ……)」
「知ってるか振動ブレードって?! ブレードじゃなくて刀だし、お前が知る訳ねえけども!」
翠は空間魔法で刀を振動させ、前世で言う振動ブレードの様にしてサイクロプスを斬ったのだ。
「ゴ……(ガ……)」
サイクロプスの頭が横真っ二つに切断され、ズレ落ちる。
「そうだ。刀の長さじゃ足りなかったから空間切断も使わせてもらったぜ」
そう言い、翠は返り血を防ぎながら地面に降りる。
「うむ、良くやった! 及第点をやろう」
女神がビシッとサムズアップする。
「ありがとうございます!」
翠は其れに笑顔とサムズアップで応えた。
◇
「次はSSランクの魔物、フェニックスだ。貴様らが幻獣と呼んでいる類の魔物だ。
再生能力に長けている。貴様とは比べ物にならないがな」
「炎に包まれてたりします?」
翠は、前世で言う様なフェニックスを思い浮かべる。
炎に包まれた何度も転生する鳥だった筈。
「ああ、そうだ」
「そうですか」
「……では行くぞ!」
翠の前に、巨大な魔法陣が現れる。
「クルアァアアア!(何処だ此処!)」
魔法陣から出てきたのは、赤い炎に包まれた巨鳥。
翠は、イメージ通りだと思った。
「えーっと、取り敢えず死んで下さい」
「クルァ!? クルルルル!? (人間か!? 何言ってんの此奴!?)」
「先ずは地に落ちて貰おうか」
重力操作は効くのかな。効いたら儲け物だ。
「クルッ!? (体が重い!?)」
フェニックスは、翠の重力操作によって強くなった重力に耐えきれずに地面に落ちる。
翠はそんなフェニックスに近づいて、刀を片翼に突き刺す。
「クルッ! (痛い!)」
「うん、熱くないな」
『無苦』のスキルのお陰で、痛みも熱さも苦しい事は何も感じない。問題は感覚が鈍る事かな。
翠は、振動させた刀でフェニックスの片翼を切断する。
「クルァア! (人間が!)」
フェニックスは翠に、反撃の炎を喰らわす。
だが翠には効かず、炎は燃え尽きる。
「あれ? 服も再生すんのか」
翠の言う通り、翠の着ている服も再生している。
仮にも女神様? (女神長さんかも知れない)が作ったものなのだから当たり前かと翠は思う。
「クルルッ!? (効いていないのか!?)」
「フェニックスって美味いのかな? 燃えてる鳥なんて食べたくないけど」
フェニックスの焼き鳥……燃えてそう。
「クルァッ!? (食べられるの!? 俺、食べられるの!?)」
「食べないって。殺すだけだから」
そう言いながら、翠はフェニックスを解体する作業を続ける。
「クルルルル! (こうなったら、我が最強の魔法で葬ってやろう!)」
両翼を斬られたフェニックスは翼を再生しながら、ゴウと燃え盛る。
「フラグ乙です」
『無苦』と『不老不死』の欠点は戦いに緊張感が無くなる事だな。
要らないものだけれども。
「クルアアアア!(ウォオオオオ!)」
一一ゴォオオオ!
翠の体が、赤い火柱に包まれる。
其れは、まるで火山が噴火した様な勢いで翠を焼く。
「クル、クルル……クルッ? (ハァ、ハァ……やったか?)」
火柱が収まった其処には灰になった翠と、焼け跡一つない翠の服があった。
「クルルルル! (勝った、勝ったぞ!)」
「完全にフラグですね。本当にありがとうございます」
その声が聞こえた瞬間、フェニックスは翠がいつの間にか再生している事と、重力操作が解除されていなかったことに気づく。
「再生するタイミングも調整出来るんだな。マジで凄いわ」
一瞬で再生する事も、一定時間経ってから再生する事もできるらしい。
灰になっても思考は止まらないし、これなら騙し討ちも出来そうだ。
「クルッ!? クルルルル! (何故!? 何故生きている!)」
『因果応報』、使ってみるか。
「五月蝿い死ね」
翠がそう言った瞬間、フェニックスは炎に包まれた自分が焼かれる様な熱と痛みに苛まれ、灰になる。
「うん、治ったダメージも換算されるんだな。
因果応報ってチートだ……チートだ。大事なことだから二回言った」
翠は、『因果応報』のスキルの強さを実感した。
「うむ! 余り、スキルに頼っては如何ぞ! いざという時に備えてな!」
「はい!」
確かにその通りだな。と翠は思う。
◇
「さて、次で遂にSSSランクの魔物だが、その前に貴様に知らせることがある」
「? 何ですか?」
何かあったかな? と翠は首をかしげる。
「その刀の事だ。その刀は憑魔刀という代物でな。
貴様は本当に運が良いぞ。(まぁ、女神長の加護の所為だろうが……)
転生者の全員に支給している武器の中でも最高ランクだ。その刀は一一」
「ちょっと待って下さい」
「む、何だ?」
「今、転生者の全員って言いましたよね?
予想はしてましたけど、俺の他にも転生者は居るんですか?」
「ああ、居るぞ。貴様が行く世界にもな。
その刀は、又しても抽選で当たったものなんだが……悪魔を喚べる」
「悪魔?」
悪魔ってあの? 魂とか食う?
「そうだ。使用者の魔力に応じた強さの悪魔を喚んで、その刀に憑依させる事もできる。
貴様の場合は最強の悪魔を降ろす事になるだろうな」
「えーっと、気になる事があるんですが……契約とかするんですか?」
悪魔と言えば契約だ。魂を売るとか冗談じゃないがな。
「そうだな。だがその刀の特性で、使用者に有利な条件で契約する事が出来る」
「へぇー、其れで俺はどうしたら良いんですか?」
「貴様は此れからSSSランクの魔物と戦うだろう? 因果応報は確かに強力なスキルだが、SSSランクの魔物は常識が通じない。
其れにさっきのフェニックスだって、『因果応報』の欠損を相手にも与える効果が無ければ再生していたぞ?
貴様はまだまだ弱い。だから、その刀の能力を教えてやったのだ。
与えた物について、説明するのが筋という事もあるがな」
「……ありがとうございます。 悪魔を喚ぶにはどうしたら良いんですか?」
「む、思い切りが良いな」
「女神様が与えた物だから疑う必要も無いし、俺は一度死にましたしね。不死身だって事も信用してみます」
「……刀に魔力を込めてみろ。其れで悪魔を喚べる筈だ」
「はい一一」
翠は全力で刀に魔力を込める。
ポン、と音がして煙の中から現れたのは一一
「妾を喚んだのは誰じゃ?! 国か? 国を滅ぼして欲しいのか?!」
一一黒いドレスを着、背中に蝙蝠の様な羽を生やした、緋髪の美少女だった。
◇
「如何したのじゃ? 妾に何かついておるのか?」
「いや、違うんですけど……」
「ならどうしてなのじゃ? 妾がお前に協力してやると申しておるのに……
……はっ! ま、まさか怖じ気付いて妾を送り返すとか言うんじゃないじゃろうな!? 妾はこのまま城に帰るのは嫌じゃぞ!」
「ん? 城?」
「ん? ああ、名乗っておらんかったな。
妾は悪魔の王女、サリス・ギルバード・グライガル・センリ・ルナ・サンドラじゃ」
「長いですね……ん? 王女様ぁ!? ……いや、確かにそういう語尾だった……」
「翠、いやシアン。この者の言っている事は本当です。後、悪魔の中で一番強いのはこの者です」
「あ、口調が戻ってる」
「そうじゃ! 妾は悪魔の中で最強、その妾に何を望む?」
「あ、はい。取り敢えずはSSSランクの魔物を倒すのを手伝って欲しいんです」
「……え? 魔物? 国じゃなくて?」
サリスは信じられないと言った様子で言う。
「はい、魔物です」
「何じゃと!? 妾を喚ぶのに幾ら生贄を用意したのかは判らんが一一」
「生贄?」
「一一国を滅ぼす事くらいの事をしなければ釣り合わないじゃろう?」
「シアン、この世界では普通上位の悪魔を降ろすには生贄が必要だと考えられています。
この世界では生命力を魔力に変換する儀式と併用して、悪魔の召喚は行われます。
魔力が足りれば必要ないですが、通常の方法では到底届かないので、生贄を必要としているのです」
「……何か嫌ですね、そう言うの」
翠は苦虫を噛み潰した様な顔になる。
「仕方ありません。上位の悪魔は其れをしてもお釣りが来るほど強力ですから」
「妾の話を聞け!」
話を聞いてもらえなかったサリスが怒って言う。
「あ、はい」
「(何故なのじゃ……? 普通なら、妾の『魅了』と『威圧』で妾に従順になっている筈……)」
「あのー、聞こえてますよ?」
翠は、ずっと身体強化と空間魔法を発動しているので、サリスの呟きも聞き取る事ができるのだ。
「なっ!? ……何故お前は妾のスキルにやられていない?」
サリスは、観念した様にそう言う。
「俺、そういうの効かないらしいんです」
「そういう問題じゃないのじゃ! 妾並みであれば、そんなもの貫通して効く筈!」
「貴女は少し静かにしなさい」
「む、お前は誰じゃ?」
サリスが、自分を喚び出した者の横に居た女性に初めて興味を示す。
「私は女神です」
「め、女神ぃ!? ……本当なのじゃ?」
サリスは半信半疑と言った様子で言う。
半分信じているのは、女神の言葉が自信に溢れているからだ。
「はい、これで信じてくれますか?」
女神は、サリスの全魔力の二倍ほどの魔力を乗せた『威圧』をする。
「きゃっ!? この『威圧』は……な、なら、この者は誰なのじゃ?」
「シアン、転生者です」
「らしいです」
「て、転生者……? 何なのじゃそれ?」
「ある計画があってですね、転生者というのはその被験者という訳です。
まあ、異世界文化交流という人畜無害な計画ですが」
「俺、初めて知ったんですけど……」
「む、むぅ……取り敢えずは分かったのじゃ……女神様、妾は目上の者が居なくて相応しい言葉遣いが出来んかも知れんが、どうか許して欲しいのじゃ」
サリスはペコリと頭を下げてそう言う。
「良いですよ。私はそんな事は気にしません」
「有難うなのじゃ。では、契約の話をしたいのじゃが……妾はどんな不利な条件も呑むつもりじゃ」
頭を上げたサリスは女神に一言お礼を言ってから、シアンの方に体を向け下を向きながらそう言う。
「いや、そんな鬼畜な事はしませんよ。俺からは、協力して、俺の言う事を聞いてくれることだけで良いです。
あ、誤解しないように言いますが、頼みごとをするかも知れないってだけで、理不尽な内容や嫌な事だったら聞かなくて良いですからね。
逆に何か要望があったら言ってください」
「……それで良いのじゃ?」
「良いですって。何なら契約しなくて良いですよ?」
「……妾は、城の外の世界を見てみたい。妾は生まれてからずっと……城から出られなかったのじゃ……」
翠はサリスの一言とその表情で、寂しい思いをしてきたのだろうと考える。
そしてその姿を自分と重ね合わせて、出来る限りの事はしてあげようと同情の念に駆られるのだった。
「……わかりました。俺もこの世界の事は知りませんが、出来る限りの事はします。
他にはありませんか?」
「後は……言い難いのじゃが……」
「何ですか? 俺が出来る事ならしますよ?」
翠は笑顔でそう聞く。
「(実は……妾は……ちょっと特殊な……性癖で……)」
サリスは赤らめた顔を翠の耳に近づける。
「……」
翠は、唾をゴクリと飲んだ。
「き、斬らせて欲しいのじゃ!」
サリスは林檎の様に真っ赤になった顔でそう言った。
「何を!?」
「……肉を……生きている者の肉を……」
「何か色々台無しだよ!」
「妾だって直そうとはしてるのじゃ! だけど……あの……生きている者の肉を斬った時のあの感触……忘れられない……」
サリスはその時の感触を思い出して、クネクネと体を動かす。
「怖いなこの娘! ドSか?!」
「失礼な! 妾は叫び声も、苦しむ顔もどうでも良い! 妾はただ……斬った時のあの感触が……」
「余計に怖いよ!」
「妾も多くは望まぬ。魔物を捕まえた時、少しだけ斬らせてくれるだけで良いのじゃ」
「いや、願い自体には問題は全くありません。歓迎とは言いませんが……何時でも斬らせてあげれると思います」
「本当か!? で、何を斬らせてくれるのじゃ?!」
サリスは期待に満ちた表情で聞いた。
「俺」
そう言い、翠は自分を指差す。
「え? 良いのじゃ? 確かに妾は人間の男を斬るのが一番好きじゃが……」
「サラッと危ない事言っちゃったよ! 主に作者の人格が疑われるという意味で!」
「其れに、シアンだけだったら直ぐに無くなるし……」
「メタ発言はスルーの方向で。ああ、その点については大丈夫です。見てて下さい」
そう言い、翠は『不老不死』のモードを『再生』に切り替えてから自分の小指を斬り落とす。
「なっ!?」
サリスは、城から出る事を許されなかっため、余り外の世界の事については知らなかったが、家臣が献上してくれる生贄にされた者たちを斬った時の悲痛な表情を見て、その行動が普通でない事は分かっていた。
だから、何故この転生者のシアンはこの様な事をしたのかが理解できなかった。
「ほら、大丈夫でしょう?」
翠は笑顔でそう言いながら、自分の小指と斬り落とした小指をサリスに見せる。
「えっ? 小指が治ってる? 斬ったはずなのに?」
「え? 女神様、この世界に傷を治す魔法とか無いんですか?」
魔法があるのだったら、そう言う事も出来そうな気がするが……
「いえ、あります。サリスがその事に驚いているのは、彼女が無意識に使っていた『不可』のスキルの所為でしょう」
「「『不可』?」」
「はい。彼女の固有スキルです。固有スキルは解析が難しい物が多いですから、今まで気付けなかったのでしょうね」
「へー、そうなんですか」
「妾知らなかった……」
「そのスキルの効果は端的に言うと、抵抗の不可、改変の不可、その他諸々の不可です。
無意識に使うのと効果を消したりするのは簡単に出来ますが、意図的に使うのは難しい様です。
魔力消費もシアンの『因果応報』より多いみたいなので」
「そういう事だったんですか」
「妾はなんて勿体無い事を……」
「気にするのそっちなの!?」
「え? だって、生贄に使われるのはどうしようも無い位悪い事した人じゃないのじゃ?」
「え? そうなんですか?」
「そうだ。いや、そうです。国では、奴隷にもなれない様な許されない事をした犯罪者は悪魔の生贄として使われます」
「うーむ、考えさせられる事だな。考えないけど」
「家臣が言っていた事は本当だったのじゃな」
「そう言えば、サリス様。『不可』のスキルを無効化出来ます? 俺も傷が戻らないとか嫌です。痛みは無いですが」
女神様たちが創ったらしい体だが、流石にスキルの効果には負けるんじゃ?
「むう、これで良いのじゃ? 自分でもわかる様な気がするのじゃが……」
「はい、傷の治療の不可は無くなりました。
無効化したのが判るのは、スキルの事を自覚したからだろう。いえ、でしょう。
後、シアンの傷は『不可』を無効化しなくても治るぞ? いえ、治りますよ?
相反する効果のスキルは効果が高く、使用者の魔力が多い方が勝つ。いえ、勝つのです。
だから、シアンの傷は治ります」
(素が出てる……)
「そうなんですか」
「そうなのじゃな。シアンも凄いのか?」
「はい。うちの女神の所為で」
「……わかったのじゃ。シアンよ、そろそろ契約をしようぞ」
「あ、はい。では、契約の条件は『俺に協力する』、『俺の言う事を出来るだけ聞いてもらう』、『サリス様が世界を見て回る』、『サリス様の性癖の欲望を満たす』で宜しいでしょうか?」
「いや、まだじゃ」
「何です?」
「妾と話す時には敬語を使わなくても良い。その位は良いじゃろ?(そういうのに憧れておったのじゃ……)」
「わかった。後、聞こえてるって、サリス」
「きゃっ!? そ、そうであった……では契約を……」
「契約を……」
「「如何するんですか?(のじゃ?)」」
「言うと思ってました。体と体を触れさせあって魔力と意思を交換し合うのです。
媒介を通してする事も出来ますが」
「じゃあ、握手で。宜しくサリス」
「よ、宜しくなのじゃ!」
翠とサリスは握手を交わして、魔力を交換する。
翠とサリスの契約が成立した。
================================
また遅くなりましたね。すみません。
翠(シアン)と女神の良い雰囲気、サリスが自分で作ったシリアスな雰囲気、性癖と聞いた時の読者様のちょっとした期待、それらの全てを台無しにしたKYな王女様。
箱入り娘ならぬ城入り娘のサリスの長い名前に意味はありません。
後、フェニックスに灰にされた翠が再生した後服を着ていたのは、服を着ながら再生したからです。(ご都合主義)
次回はSSSランクの魔物と戦ってから、遂に地上にシアンとサリスが降り立ちます。多分。
あ、作者の精神は健全です。
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