不死身の魔女との妖しい契り～そして俺は魔女の剣となる～

拷問された少女

　ランシーヌは宿屋に帰ると、皆と話をすることにした。


「使い魔を使って魔女の居場所を探ろうと思っている……」


　彼女がそう言うと、皆は真剣な眼差しでランシーヌを見詰めていた。


「使い魔を使うのか……」


　俺は少し不安に思っていたが、彼女の能力は知っていたので任せることにした。


「頼めるか？」


　俺が聞くと、彼女は頷きながら答えてきた。


「ええ……、任せてちょうだい……」


　そう言うと、彼女は目を閉じて意識を集中し始めたのだ。すると、彼女の体から魔力が放出され始めていった。

　その魔力は段々と形を造り出し始めていった。そして、現れたのは黒い猫だった。

　ランシーヌは黒猫に向かって話しかけたのだ。


「さぁ……、お行きなさい……」


　彼女は命令すると、黒猫は走り出し窓から外に出ていった。そして、窓の外から様子を見ていた俺は疑いの眼差しを向けていた。


「本当に魔女の居場所が分かるのか？」


　俺が聞くと、ランシーヌは頷いて答えてくれてた。


「ええ……、あの魔女の気配は憶えたから、それを辿って使い魔が魔女を捜してくれるわ……」


　ランシーヌは自信ありげに答えていた。俺は彼女の能力に感心していたが、それと同時に恐ろしさも感じていたのだ……。

（魔女とは、不死身性や魔法の発現だけでなく魔法生物も作れるのか……）

　俺達はランシーヌの魔法生物によって魔女の居場所を捜すことになったのだ。



　その頃、サービラの屋敷にはオトフリート、アニウスが訪れていた。

　彼等はサービラから緊急の用があると言われたためにやって来たのだ。


「サービラ！ 緊急の用とは何だ？」


　オトフリートは部屋に入るなり、サービラに向かって聞くと彼女は愉しい表情で答えてきた。


「先程、敵の魔女の配下の１人を攫ってきたわ……」


　その言葉に、オトフリートは眉を動かした。


「何っ！？ それは本当か？」


　サービラが頷くと、彼は驚きの表情を浮かべていた。そして、アニウスも驚愕していたのだ。

　そしていつの間にか、この場にオッツが存在していたのである。


「それで……、魔女はどうした？ 」


　オッツの問いにサービラは答える。

「魔女は、結界を破られたから教会に残してきたわ……。それと、貴方……、分身の方が来たのね……」


　サービラはオッツを見詰めながら言うと、彼は頷いていた。


「私の分身を、この場に飛ばした……。本体は執務室で仕事をしている」


　オッツが説明すると、サービラは意味を吞み込んでいた。どうやら、オッツは分身を自在に操れるようだ。

　それは、彼女から与えられた能力であったからだ。


「それで……、魔女の配下をどうする？」


　オトフリートが聞くと、サービラは答えたのだ。


「あの娘は拷問して魔女の情報を吐かせるわ……。ふふっ……」


　彼女はそう言いながら、艶やかな笑みを浮かべていた。その様子を見ていたオッツは背筋がゾッとするような恐怖を感じていたのだ。

　しかし、オトフリートは何も感じていなかったようでサービラに向かって話し始めていた。


「とりあえず、拷問は君に任せるか……。俺は女をいたぶる趣味はないからな……」


　オトフリートは冗談混じりに言うと、サービラも頷いて答えていた。


「そうね……、貴方らしいわ……」


　彼女はクスクスと笑いながら答えると、オトフリートは真剣な表情を浮かべていた。


「それよりも、魔女は不死身だ……。君もだが……。魔女達と戦うときは俺も戦うつもりだ……」


　オトフリートがそう言うと、サービラは微笑みながら答えたのだ。


「ふふっ……、その時はお願いね……」

「ああ……任せてくれ！ 必ず君を守る！」


　オトフリートが豪快に宣言すると、サービラは嬉しそうに笑っていた。


「頼もしいわね……。期待しているわ……」


　彼女はそう言うと、オトフリートに近づき彼の頬にキスをしていた。

　オトフリートは少し照れていたが、サービラは彼を頼もしく思っていた。

　そして、彼女はオッツとアニウスに指示を出したのである。


「じゃあ……、始めるわ……」


　サービラ達は部屋から出て行き地下室に向かったのであった。


　地下室に入ると、そこには立ったまま鎖に繋がれた全裸のシャイラがいた。傍には守護者であるべスという名の女性がいたのだ。

　彼女は虚ろな目をしており意識が朦朧としていた。だが、ベスは彼女に水をかけると正気を取り戻していったのである。


「ううっ……」


　彼女はゆっくりと目を開けると、目の前にいる者達を見て驚愕していた。そして、シャイラは怯えた表情を浮かべていた。

　そんな彼女の姿を見てサービラは興奮しながら話し始めていた。


「ふふっ……、怯えているわね……。これから楽しいことが始まるわ……」


　サービラは笑いながら言うと、シャイラの表情が恐怖で歪んでいった。そして、彼女は鎖に繋がれている状態で抗おうとしていたのである。

　しかし、それは無駄な抵抗であった……。彼女の能力はサービラが魔力を注ぎ込んだ鎖で封印されていたのだ。


「この鎖さえなければ……」


　彼女は悔しそうに呟くと、サービラは微笑みながら話しかけてきた。


「ふふっ……、貴女には拷問が待っているわ……」


　彼女の言葉にシャイラは青ざめながら首を横に振っていたのだ。


「い、いや！ やめて！」


　シャイラは叫ぶと、彼女は笑みを浮かべながら話し始めていた。


「ふふっ……、まずは爪を剥ぎましょうか……」


　彼女がそう言うと、ベスはシャイラに近付いていった。そして、彼女はシャイラの左腕を掴むと指を掴み始めたのだ。


「お願い！ やめて！！」


　シャイラは泣き叫びながら懇願するが、ベスは聞く耳を持たず指に力を込めていった。


「痛いっ！ いやぁぁ！！」


　シャイラは痛みで悲鳴を上げた。しかし、ベスは容赦なく彼女の爪をベリベリと音を立て剥がしていったのである。


「うっ……、ううっ……」


　シャイラは涙を流しながら苦痛に耐えていた。しかし、彼女の指の爪は剥がされていたのだ。

　その激痛に、シャイラは呻き声を上げながら悶絶していた。


「ふふっ……、次はどの指の爪を剥ぐ？」


　サービラは楽しそうに言うと、シャイラは怯えながら首を横に振っていたのだ。


「もう……、許して……」


　彼女の懇願に対して、サービラは笑みを浮かべながら答えていった。


「ふふっ……、ダメよ！ あの魔女の事を話すまで終わらないわ！」


　サービラは冷酷な口調で答えると、彼女は絶望感に包まれていた。


「くっ……」


　シャイラは歯を食い縛りながら悔しそうな表情をしていた。その様子を見ていたサービラは恍惚とした表情を浮かべていたのだ。


「ふふっ……、良い表情よ……」


　サービラはそう呟くと、ベスに命じてシャイラの右手の指を掴み始めた。


「次は右手ね……」


　彼女はそう言ってシャイラの右手に爪を剥がしていったのだ。今度はゆっくりと力を込めていって剥いでいったのである。


「ああっ！ いやああああっ！」


　シャイラは悲鳴を上げると、彼女は涙を流しながら耐えていた。


「ふふっ……、耐えるわね……。他の拷問も試してみましょう……」


　サービラは楽しそうに言うと、ベスに指示を出して金属製の道具を持ち出したのであった。