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第10話:私たちが刺客に襲われている(1)
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「シゲちゃん・・・疲れたからおんぶ♡」
「うう・・・。」
重友は数えで12歳の少年だ。
その少年におんぶしてもらっている美佳である。
重友は後の高山右近である。
いいのかな・・・? 本当にいいのかな?
今、私たちは半坂峠にさしかかっている。
ああ・・・疲れた。
ポカリが欲しいが・・・竹筒に入った水を飲む。
またこの水が美味い。
「山田殿、この峠を越えればしばらく平坦な道でずぞ・・・って若様!!」
島清興が重友の姿を見て茫然となった。
「キヨさんごめんね、おんぶしてもらっちゃった。」
美佳のウィンクからてへぺろのダブルコンポが炸裂した。
「若様・・・私が美佳様をおんぶいたします。」
清興は眼をハートにさせて重友から美佳を奪う。
「こら、美佳様は僕がおんぶしておるのじゃ!!」
重友が清興に蹴りを入れる。
「今蹴ったね、部下を蹴ったよね? パワハラだ、友照殿に言いつけてやる」
「黙れ、この変態め!!」
なんか会話がおかしいことになっているのはさておき・・・
高山右近と島左近が私の娘の取り合いをしているではないか。
その前に忘れて欲しくないことが1つだけある。
美佳ちゃんの父親がここにいる・・・私がここにいるんですけど・・・。
ところで六兵衛さんってば後ろを歩いているのね・・・って
「アーメン・・・」
六兵衛さん聖書読んでいるし・・・ていうか本を読みながら歩くと危ないよ!! ウ●コ踏むよ!!
「ラーメン・・・」
いや・・・物凄い言い間違いしているんですけど!!この時代にない食べ物じゃないですか!?
「●―メン・・・」
やめようよ・・・そういうこと言うのやめよう!!
「殿!! 拙者はキリシタンになりたいのですが、なれますかね?」
勝手にしやがれ!!
峠の上に辿り着いた私たちは峠の茶屋で一息つくことにした。
「これよね・・・ベタな時代劇の定番のお茶と団子♪」
美佳ははしゃいでいる・・・この時代を心から楽しんでいるのね。
「美佳様、どうぞ好きなだけ食べてよ。金ならあるからね♪」
重友くんってば完全にパトロン気分?
「チッ!!」
清興は舌打ちをする・・・って主君の若様に失礼じゃないのでしょうか。
私もお茶をすすりながら団子を食べる。
素朴で美味しいな。
隣で六兵衛は山菜そばを食べていた。
そういえば、時代劇で峠の茶屋で休んでいると、刺客たちに襲われることって多いよね。
某大物芸人さんもよくコントでやっていたよね。
そんなことを思っていたら・・・
「!?」
茶屋の前に侍たちが現れた。
「何やつ!!」
六兵衛が立ち上がる。
重友、清興も立ち上がりかばうように美佳の前に立つ。
私の護衛は? 私のことも少しは気にかけてください。
「山田大輔殿一行でござるな?」
その中のリーダー格らしき侍が聞いてくる。
「松永の手の者か?」
六兵衛の眼光が鋭くなった。
「左様・・・山田大輔殿のお・・・ギャア―ッ!!」
一瞬でそのリーダー格らしき侍は腰から真っ二つになった。
六兵衛は血の付いた刀を手に侍たちを睨みつける。
「・・・・・・」
美佳はあまりのショックに気を失った。
「オレオレオレオレ・・・」
私は食べたものを全部もどしてしまった。
「キャ―!!?」
そして茶屋のおばちゃんも周囲の旅人たちも逃げていってしまう。
「拙者、山田大輔殿が一の家臣滝谷六兵衛なり・・・」
六兵衛は血の滴る刀を構えた。
「くそっ!! やっちまえ!!」
侍たちは刀を抜いて一斉に六兵衛にかかっていく。
数は十二か・・・面白い!!義輝様直伝の技を見せてやろう。
六兵衛は凄まじい速さで侍たちの中に飛び込み次々と斬り倒していく。
「やるな~。清興とどちらが強い?」
「・・・。」
美佳を介抱している重友の言葉に対し清興は刀を抜いた。
「大丈夫・・・僕が”やる”からさ、清興は六兵衛さんに加勢してよ。」
重友の眼光が鋭くなる。
「承知いたしました。六兵衛殿、加勢いたす!!」
「ありがたい!!」
清興は六兵衛に加勢すると瞬時に二人の侍を斬り倒した。
「刀、代えられよ!!」
清興は倒した侍から刀を奪うと六兵衛に投げる。
「気が利きますね、清興殿♪」
刀を受けとると敵の刃を鼻先でかわしながら一閃すると敵の首が飛んでいった。
なんじゃこりゃ・・・地獄絵図ではないか・・・。
私は何度も気を失いそうになっていた。
故に別の刺客が私を狙っていることには全く気付いていなかった・・・そのときである。
「そこ!!」
重友は懐から短刀を取り出すと近くの木の上に投げつける。
ドサッと何かが木の上から落ちてきた。
喉元に短刀が刺さった黒装束の男だった。
「忍びの者か・・・」
重友は刀を抜く。
そして私の前に立つと黒装束の二人の男が木の上から飛び降りてきた。
しかし、着地した瞬間に黒装束の男たちは六兵衛と清興に斬り伏せられた。
「殿・・・ご無事ですね♪」
六兵衛は刀を鞘に収めた。
身体は無事ですよ・・・精神はもうダメぽ・・・。
「やはりこちらの情報は筒抜けということか・・・」
清興は屍の山を見てつぶやく。
え・・・どういうこと?
「清興・・・あの男はいつになったら我らに追いつく?」
重友は美佳を再び介抱しながら清興に聞いた。
「2、3日中には追いつくでしょうな。」
清興は答えながら重友から美佳を奪うと膝枕をした。
この二人がそんなやり取りを続けている中、
「殿・・・このような場は初めてでございましょう。」
六兵衛の言葉に
「そ、そうだな。相当キツいな。」
私は溢れ出る冷汗をひたすら拭う。
「殿・・・慣れてくだされい・・・それがこの時代を生き抜く術かと・・・。」
六兵衛はそう言うと私に対し平伏した。
目の前で人が大勢死んでいる・・・
時代劇のチャンバラではない・・・
私は現実を目の当たりにしてただ打ちひしがれるだけであった。
「うう・・・。」
重友は数えで12歳の少年だ。
その少年におんぶしてもらっている美佳である。
重友は後の高山右近である。
いいのかな・・・? 本当にいいのかな?
今、私たちは半坂峠にさしかかっている。
ああ・・・疲れた。
ポカリが欲しいが・・・竹筒に入った水を飲む。
またこの水が美味い。
「山田殿、この峠を越えればしばらく平坦な道でずぞ・・・って若様!!」
島清興が重友の姿を見て茫然となった。
「キヨさんごめんね、おんぶしてもらっちゃった。」
美佳のウィンクからてへぺろのダブルコンポが炸裂した。
「若様・・・私が美佳様をおんぶいたします。」
清興は眼をハートにさせて重友から美佳を奪う。
「こら、美佳様は僕がおんぶしておるのじゃ!!」
重友が清興に蹴りを入れる。
「今蹴ったね、部下を蹴ったよね? パワハラだ、友照殿に言いつけてやる」
「黙れ、この変態め!!」
なんか会話がおかしいことになっているのはさておき・・・
高山右近と島左近が私の娘の取り合いをしているではないか。
その前に忘れて欲しくないことが1つだけある。
美佳ちゃんの父親がここにいる・・・私がここにいるんですけど・・・。
ところで六兵衛さんってば後ろを歩いているのね・・・って
「アーメン・・・」
六兵衛さん聖書読んでいるし・・・ていうか本を読みながら歩くと危ないよ!! ウ●コ踏むよ!!
「ラーメン・・・」
いや・・・物凄い言い間違いしているんですけど!!この時代にない食べ物じゃないですか!?
「●―メン・・・」
やめようよ・・・そういうこと言うのやめよう!!
「殿!! 拙者はキリシタンになりたいのですが、なれますかね?」
勝手にしやがれ!!
峠の上に辿り着いた私たちは峠の茶屋で一息つくことにした。
「これよね・・・ベタな時代劇の定番のお茶と団子♪」
美佳ははしゃいでいる・・・この時代を心から楽しんでいるのね。
「美佳様、どうぞ好きなだけ食べてよ。金ならあるからね♪」
重友くんってば完全にパトロン気分?
「チッ!!」
清興は舌打ちをする・・・って主君の若様に失礼じゃないのでしょうか。
私もお茶をすすりながら団子を食べる。
素朴で美味しいな。
隣で六兵衛は山菜そばを食べていた。
そういえば、時代劇で峠の茶屋で休んでいると、刺客たちに襲われることって多いよね。
某大物芸人さんもよくコントでやっていたよね。
そんなことを思っていたら・・・
「!?」
茶屋の前に侍たちが現れた。
「何やつ!!」
六兵衛が立ち上がる。
重友、清興も立ち上がりかばうように美佳の前に立つ。
私の護衛は? 私のことも少しは気にかけてください。
「山田大輔殿一行でござるな?」
その中のリーダー格らしき侍が聞いてくる。
「松永の手の者か?」
六兵衛の眼光が鋭くなった。
「左様・・・山田大輔殿のお・・・ギャア―ッ!!」
一瞬でそのリーダー格らしき侍は腰から真っ二つになった。
六兵衛は血の付いた刀を手に侍たちを睨みつける。
「・・・・・・」
美佳はあまりのショックに気を失った。
「オレオレオレオレ・・・」
私は食べたものを全部もどしてしまった。
「キャ―!!?」
そして茶屋のおばちゃんも周囲の旅人たちも逃げていってしまう。
「拙者、山田大輔殿が一の家臣滝谷六兵衛なり・・・」
六兵衛は血の滴る刀を構えた。
「くそっ!! やっちまえ!!」
侍たちは刀を抜いて一斉に六兵衛にかかっていく。
数は十二か・・・面白い!!義輝様直伝の技を見せてやろう。
六兵衛は凄まじい速さで侍たちの中に飛び込み次々と斬り倒していく。
「やるな~。清興とどちらが強い?」
「・・・。」
美佳を介抱している重友の言葉に対し清興は刀を抜いた。
「大丈夫・・・僕が”やる”からさ、清興は六兵衛さんに加勢してよ。」
重友の眼光が鋭くなる。
「承知いたしました。六兵衛殿、加勢いたす!!」
「ありがたい!!」
清興は六兵衛に加勢すると瞬時に二人の侍を斬り倒した。
「刀、代えられよ!!」
清興は倒した侍から刀を奪うと六兵衛に投げる。
「気が利きますね、清興殿♪」
刀を受けとると敵の刃を鼻先でかわしながら一閃すると敵の首が飛んでいった。
なんじゃこりゃ・・・地獄絵図ではないか・・・。
私は何度も気を失いそうになっていた。
故に別の刺客が私を狙っていることには全く気付いていなかった・・・そのときである。
「そこ!!」
重友は懐から短刀を取り出すと近くの木の上に投げつける。
ドサッと何かが木の上から落ちてきた。
喉元に短刀が刺さった黒装束の男だった。
「忍びの者か・・・」
重友は刀を抜く。
そして私の前に立つと黒装束の二人の男が木の上から飛び降りてきた。
しかし、着地した瞬間に黒装束の男たちは六兵衛と清興に斬り伏せられた。
「殿・・・ご無事ですね♪」
六兵衛は刀を鞘に収めた。
身体は無事ですよ・・・精神はもうダメぽ・・・。
「やはりこちらの情報は筒抜けということか・・・」
清興は屍の山を見てつぶやく。
え・・・どういうこと?
「清興・・・あの男はいつになったら我らに追いつく?」
重友は美佳を再び介抱しながら清興に聞いた。
「2、3日中には追いつくでしょうな。」
清興は答えながら重友から美佳を奪うと膝枕をした。
この二人がそんなやり取りを続けている中、
「殿・・・このような場は初めてでございましょう。」
六兵衛の言葉に
「そ、そうだな。相当キツいな。」
私は溢れ出る冷汗をひたすら拭う。
「殿・・・慣れてくだされい・・・それがこの時代を生き抜く術かと・・・。」
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