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第29話:九兵衛奮戦!!
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吐山城本丸。
九兵衛は小夫陥落の報を聞いて考え込んでいた。
間違いなく龍王山城ではなく吐山を攻めてくるだろうな。
龍王山城には若君と義輝様がいる。兵力も募兵により増えている。
それに比べてこちらの兵は三百。
多分、福住の兵は千は超えている。
多田も呼応すれば合わせて二千はくるだろう。
しかし九兵衛は不思議と恐怖を感じてはいなかった。
私は死なない・・・死ぬわけにはいかない。
美佳様の側にいたいのだから・・・
「出陣!!」
赤埴城から赤埴家家臣高城光重率いる二百の軍勢が吐山への援軍として出陣した。
「九兵衛を死なせるわけにはいかん・・・。」
檜牧城から島清興率いる二百の軍勢が吐山へと援軍に向かった。
すまぬ・・・九兵衛・・・
怪我が癒えない六兵衛は秋山への対処もあり動けなかった。
「では行きます・・・出陣!!」
宇陀川城からは五百の援軍が出陣した。
指揮するのは景兼。
九兵衛・・・。
美佳は我が家の前から吐山の方角を見つめていた。
「大丈夫・・・景兼に任せておけば大丈夫。」
私は美佳に声をかける。
「殿・・・私たちも勝秀様の援軍に出してはいただけませんか?」
一馬と義成がやってきた。
既に出陣の準備ができている。
「景兼は二人を残すために出陣したんだぞ。」
私は首を横に振る。
「まあ、いいじゃない・・・殿サマ♪」
そこに五右衛門が姿を現した。
その後ろには相変わらず人相の悪い方々が揃っていた。
「殿ォー!! 酒でも飲みましょうぜ♪」
この非常時になんてやつらだ・・・
「俺たちや千之助がいるからこのお城は大丈夫♪」
五右衛門は私の肩に手を置いた。
「わかりました・・・一馬、義成・・・九兵衛を頼む!!」
「はっ!!」
二人が急いで出ていく。
「ありがとう・・・みなさん。」
美佳が頭を下げる。
返事がない・・・?
美佳が顔を上げると
「!?」
五右衛門以下忍びたちは本丸で宴会を始めていた。
私も無理やりその中に巻き込まれている。
あ・・・違う・・・違うんだ美佳ちゃん・・・
私を睨む美佳。
「このクソ親父がァァ!!」
「ぎゃふん!!」
美佳の蹴りが炸裂し私は失神したのだった。
「福住の旗が見えますぞ。」
兵の一人が声を上げた。
「来たか・・・全軍、守りを固めよ。」
九兵衛は指示をだしていく。
投石器や固定式の連弩が城の各所に配備されている。
更には猪の入った檻が大量に準備された。
「援軍はくる・・・だから諦めずに守り切るぞ!!」
「おう!!」
九兵衛の檄に兵たちは声を上げた。
まず吐山城の搦手口から攻めてくるのは山田順智率いる二百の軍勢だ。
「ここからは本丸が近いぞ!!」
順智が先陣を切って搦手門を打ち破った。
しかし・・・
「フゴォーッ!!」「ブヒヒヒーッ!!」
物凄い鳴き声と共に急坂を下ってくる猪たち。
「なんだ・・・ぐほッ!!」「ゲパぁッ!?」「助けでェー!!」
山田順智の軍は大群の猪の体当たりを食らい、噛みつかれたりと大混乱となる。
「怯むな!!」
順智は巧みな手綱さばきで猪たちをかわして搦手門からの道を駆け上がるも
「・・・!?」
上から駆け下りてくる一人の騎馬武者。
「俺は山田順と・・・」
順智は名乗りを上げようとした瞬間だった・・・
その騎馬武者の大刀に一撃で真っ二つにされた。
騎馬武者は九兵衛だった。
かつてのひ弱さはない。
私は疋田様や義輝様から武芸を学んできた。
兄上程の才は私にはないけれど・・・
あの美佳(ひと)を守るためならどこまでも強くなってみせる。
「おまえらの大将は討ち取ったぞ。私の名は滝谷九兵衛勝秀・・・覚えておけ!!」
九兵衛が一喝すると順智の軍は散り散りになって逃げていった。
急がねば・・・
すぐに九兵衛は馬首を転じて本丸へと駆け上がっていく。
吐山城の大手門を福住の本軍が攻めていた。
「隠し戸を落とせ!!」
叫ぶのは八滝源之進。吐山城に義輝に憧れて仕官してきた若者だ。
沢家に滅ぼされた宇陀の土豪の末裔で家門の再興を願っている。
源之進の命令で大手門の上から鋭い柵が落ちてくる。
「ギャッ!!」「イデェッ!?」
福住軍の兵たちが柵に潰されていく。
「よし・・・二の丸まで後退だ!!」
源之進の指示で兵たちは二の丸の門前まで下がった。
俺は義輝様から勝秀様を託されているんだ・・・
元規が武功を挙げた・・・俺もやってやるさ。
そう・・・俺のやり方で!!
福住軍が大手門を破った。
「撃て!!」
二の丸の柵の隙間から固定式の連弩が次々と放たれる。
福住軍の足軽たちは全身に矢を浴びて次々と倒れていくも
騎馬隊や鎧を着た兵たちは構わずに突撃してくる。
「鉄砲隊撃て!!」
源之進の声と共に鉄砲隊が三段撃ちで騎馬隊や歩兵たちを撃ち倒す。
「一旦、退け!!」
福住軍は逃げていこうとするも
「投石開始!!」
投石器が追い打ちをかける。
人の頭ぐらいの大きさの石が次々と撤退する福住軍の頭上に降り注ぐ。
恐怖に逃げ惑う兵たちは投石の犠牲となっていった。
「なんということじゃ・・・」
怒りに震える福住順弘。
「道安殿の若君が討ち取られた上にこの有り様・・・」
豊井権助は頭を抱えていた。
しかし、そこに多田からの二百の援軍が到着した。
更に仁興、苣原といった筒井家家臣団からも合わせて二百の兵が合流してきた。
完全に吐山城は囲まれている状況ではあったが九兵衛は笑みを浮かべていた。
面白い・・・やってやるよ。
夜になった。
福住軍は陣を張って夜襲に備えていた。
香酔峠方面から山田の援軍がくるだろう・・・ぬかりはないわ。
福住順弘は豊井権助に五百の兵を預けて峠に配置していた。
そのときだった・・・
吐山城の大手門から突然、九兵衛率いる山田軍が打って出たのだ。
まず頭にたいまつをつけた猪たちが恐ろしい勢いで突撃してくる。
「うわあああ!!」「何じゃい!?」
混乱する福住軍の陣に更に火矢を次々と放つ。
「福住順弘! 覚悟ォ!!」
九兵衛は単騎で混乱する福住軍の陣へ斬り込んでいく。
無人の野を走るかのように進むと目の前に福住順弘の姿が見えた。
これで終わりだ!!
しかし・・・
「殿を守れ!!」
福住の家臣団が命懸けで守る。
「ヒィッ!?」
その隙に順弘は逃げていった。
「チッ・・・。」
九兵衛は舌打ちをするも、その前には福住の家臣たちの屍が転がっていた。
「勝秀様、城に退きましょう。」
源之進がやってきた。
「ああ・・・。」
福住の兵が態勢を立て直してきたので九兵衛たちは慌てて城に戻った。
しかし敵も深追いはしてこなかった。
明け方になった。
香酔峠から勢いよく福住軍に突撃していく軍があった。
「福住ィ!!覚悟しな!!」
島清興の軍だ。
清興の手には首があった。
「豊井殿の首だァ!」
福住軍の兵たちは慌てふためく。
「ほらよ!!」
豊井権助の首を放り投げると清興は福住軍のど真ん中へ斬り込んでいった。
清興の軍も続いて突撃していく。
さらに額井岳方面から福住の陣に突撃してくるのは高城光重率いる赤埴からの援軍だった。
「九兵衛め・・・あのハナタレ小僧がしっかりと城を守っておるわ♪」
高城光重は満面の笑みを浮かべる。
さぞ・・・強くなったんじゃろうな。
「島殿に遅れるな! 全軍突撃!!」
光重の号令の下、赤埴軍は勢いを増して福住軍に斬り込んでいった。
「怯むな・・・数じゃワシらの方が遥かに多いのだぞ!!」
福住順弘の檄で福住軍は反撃を開始する。
「島殿に高城様・・・援軍ありがたい!!」
「勝秀様、行きますか?」
「ああ・・・全軍突撃だ・・・目指すは福住順弘の首のみ!!」
九兵衛たちは吐山城から打って出た。
戦いはただ激しさを増していくのだった。
九兵衛は小夫陥落の報を聞いて考え込んでいた。
間違いなく龍王山城ではなく吐山を攻めてくるだろうな。
龍王山城には若君と義輝様がいる。兵力も募兵により増えている。
それに比べてこちらの兵は三百。
多分、福住の兵は千は超えている。
多田も呼応すれば合わせて二千はくるだろう。
しかし九兵衛は不思議と恐怖を感じてはいなかった。
私は死なない・・・死ぬわけにはいかない。
美佳様の側にいたいのだから・・・
「出陣!!」
赤埴城から赤埴家家臣高城光重率いる二百の軍勢が吐山への援軍として出陣した。
「九兵衛を死なせるわけにはいかん・・・。」
檜牧城から島清興率いる二百の軍勢が吐山へと援軍に向かった。
すまぬ・・・九兵衛・・・
怪我が癒えない六兵衛は秋山への対処もあり動けなかった。
「では行きます・・・出陣!!」
宇陀川城からは五百の援軍が出陣した。
指揮するのは景兼。
九兵衛・・・。
美佳は我が家の前から吐山の方角を見つめていた。
「大丈夫・・・景兼に任せておけば大丈夫。」
私は美佳に声をかける。
「殿・・・私たちも勝秀様の援軍に出してはいただけませんか?」
一馬と義成がやってきた。
既に出陣の準備ができている。
「景兼は二人を残すために出陣したんだぞ。」
私は首を横に振る。
「まあ、いいじゃない・・・殿サマ♪」
そこに五右衛門が姿を現した。
その後ろには相変わらず人相の悪い方々が揃っていた。
「殿ォー!! 酒でも飲みましょうぜ♪」
この非常時になんてやつらだ・・・
「俺たちや千之助がいるからこのお城は大丈夫♪」
五右衛門は私の肩に手を置いた。
「わかりました・・・一馬、義成・・・九兵衛を頼む!!」
「はっ!!」
二人が急いで出ていく。
「ありがとう・・・みなさん。」
美佳が頭を下げる。
返事がない・・・?
美佳が顔を上げると
「!?」
五右衛門以下忍びたちは本丸で宴会を始めていた。
私も無理やりその中に巻き込まれている。
あ・・・違う・・・違うんだ美佳ちゃん・・・
私を睨む美佳。
「このクソ親父がァァ!!」
「ぎゃふん!!」
美佳の蹴りが炸裂し私は失神したのだった。
「福住の旗が見えますぞ。」
兵の一人が声を上げた。
「来たか・・・全軍、守りを固めよ。」
九兵衛は指示をだしていく。
投石器や固定式の連弩が城の各所に配備されている。
更には猪の入った檻が大量に準備された。
「援軍はくる・・・だから諦めずに守り切るぞ!!」
「おう!!」
九兵衛の檄に兵たちは声を上げた。
まず吐山城の搦手口から攻めてくるのは山田順智率いる二百の軍勢だ。
「ここからは本丸が近いぞ!!」
順智が先陣を切って搦手門を打ち破った。
しかし・・・
「フゴォーッ!!」「ブヒヒヒーッ!!」
物凄い鳴き声と共に急坂を下ってくる猪たち。
「なんだ・・・ぐほッ!!」「ゲパぁッ!?」「助けでェー!!」
山田順智の軍は大群の猪の体当たりを食らい、噛みつかれたりと大混乱となる。
「怯むな!!」
順智は巧みな手綱さばきで猪たちをかわして搦手門からの道を駆け上がるも
「・・・!?」
上から駆け下りてくる一人の騎馬武者。
「俺は山田順と・・・」
順智は名乗りを上げようとした瞬間だった・・・
その騎馬武者の大刀に一撃で真っ二つにされた。
騎馬武者は九兵衛だった。
かつてのひ弱さはない。
私は疋田様や義輝様から武芸を学んできた。
兄上程の才は私にはないけれど・・・
あの美佳(ひと)を守るためならどこまでも強くなってみせる。
「おまえらの大将は討ち取ったぞ。私の名は滝谷九兵衛勝秀・・・覚えておけ!!」
九兵衛が一喝すると順智の軍は散り散りになって逃げていった。
急がねば・・・
すぐに九兵衛は馬首を転じて本丸へと駆け上がっていく。
吐山城の大手門を福住の本軍が攻めていた。
「隠し戸を落とせ!!」
叫ぶのは八滝源之進。吐山城に義輝に憧れて仕官してきた若者だ。
沢家に滅ぼされた宇陀の土豪の末裔で家門の再興を願っている。
源之進の命令で大手門の上から鋭い柵が落ちてくる。
「ギャッ!!」「イデェッ!?」
福住軍の兵たちが柵に潰されていく。
「よし・・・二の丸まで後退だ!!」
源之進の指示で兵たちは二の丸の門前まで下がった。
俺は義輝様から勝秀様を託されているんだ・・・
元規が武功を挙げた・・・俺もやってやるさ。
そう・・・俺のやり方で!!
福住軍が大手門を破った。
「撃て!!」
二の丸の柵の隙間から固定式の連弩が次々と放たれる。
福住軍の足軽たちは全身に矢を浴びて次々と倒れていくも
騎馬隊や鎧を着た兵たちは構わずに突撃してくる。
「鉄砲隊撃て!!」
源之進の声と共に鉄砲隊が三段撃ちで騎馬隊や歩兵たちを撃ち倒す。
「一旦、退け!!」
福住軍は逃げていこうとするも
「投石開始!!」
投石器が追い打ちをかける。
人の頭ぐらいの大きさの石が次々と撤退する福住軍の頭上に降り注ぐ。
恐怖に逃げ惑う兵たちは投石の犠牲となっていった。
「なんということじゃ・・・」
怒りに震える福住順弘。
「道安殿の若君が討ち取られた上にこの有り様・・・」
豊井権助は頭を抱えていた。
しかし、そこに多田からの二百の援軍が到着した。
更に仁興、苣原といった筒井家家臣団からも合わせて二百の兵が合流してきた。
完全に吐山城は囲まれている状況ではあったが九兵衛は笑みを浮かべていた。
面白い・・・やってやるよ。
夜になった。
福住軍は陣を張って夜襲に備えていた。
香酔峠方面から山田の援軍がくるだろう・・・ぬかりはないわ。
福住順弘は豊井権助に五百の兵を預けて峠に配置していた。
そのときだった・・・
吐山城の大手門から突然、九兵衛率いる山田軍が打って出たのだ。
まず頭にたいまつをつけた猪たちが恐ろしい勢いで突撃してくる。
「うわあああ!!」「何じゃい!?」
混乱する福住軍の陣に更に火矢を次々と放つ。
「福住順弘! 覚悟ォ!!」
九兵衛は単騎で混乱する福住軍の陣へ斬り込んでいく。
無人の野を走るかのように進むと目の前に福住順弘の姿が見えた。
これで終わりだ!!
しかし・・・
「殿を守れ!!」
福住の家臣団が命懸けで守る。
「ヒィッ!?」
その隙に順弘は逃げていった。
「チッ・・・。」
九兵衛は舌打ちをするも、その前には福住の家臣たちの屍が転がっていた。
「勝秀様、城に退きましょう。」
源之進がやってきた。
「ああ・・・。」
福住の兵が態勢を立て直してきたので九兵衛たちは慌てて城に戻った。
しかし敵も深追いはしてこなかった。
明け方になった。
香酔峠から勢いよく福住軍に突撃していく軍があった。
「福住ィ!!覚悟しな!!」
島清興の軍だ。
清興の手には首があった。
「豊井殿の首だァ!」
福住軍の兵たちは慌てふためく。
「ほらよ!!」
豊井権助の首を放り投げると清興は福住軍のど真ん中へ斬り込んでいった。
清興の軍も続いて突撃していく。
さらに額井岳方面から福住の陣に突撃してくるのは高城光重率いる赤埴からの援軍だった。
「九兵衛め・・・あのハナタレ小僧がしっかりと城を守っておるわ♪」
高城光重は満面の笑みを浮かべる。
さぞ・・・強くなったんじゃろうな。
「島殿に遅れるな! 全軍突撃!!」
光重の号令の下、赤埴軍は勢いを増して福住軍に斬り込んでいった。
「怯むな・・・数じゃワシらの方が遥かに多いのだぞ!!」
福住順弘の檄で福住軍は反撃を開始する。
「島殿に高城様・・・援軍ありがたい!!」
「勝秀様、行きますか?」
「ああ・・・全軍突撃だ・・・目指すは福住順弘の首のみ!!」
九兵衛たちは吐山城から打って出た。
戦いはただ激しさを増していくのだった。
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