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第96話:黒くぬりつぶせ!! 激闘、羽根突き大会 後編
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「第一試合、爆弾羽根突きが間もなく始まります。」
光秀の声でギャラリーが集まってくる。
絶対に白くならないわ・・・それに源之進如きに負けはしない。
美佳は殺気のこもった目つきで源之進を威嚇する。
うう・・・よりよって美佳様とは・・・。
しかし、思い出せ。私は・・・俺は・・・羽子板の源ちゃんと呼ばれていたことを。
宇陀の八滝の郷は国人衆の争いに巻き込まれては荒れ続けていた。
源之進は同年代の子供がいないまま、大人たちの中で育った。
そこで鍛え上げられたのが羽根突き。
そしてこの手作りのマイ羽子板。
負けるわけには・・・
「早く準備しなさい、準備準備!!」
回想中の源之進を現実に引き戻す光秀。
てめえ・・・回想を邪魔するとは邪道な・・・
憤怒の形相で光秀を睨む源之進。
本気になったみたいね。そうじゃないと始まらないよ。カッコいいとこ見せてよ。
美佳は一回り大きい爆弾羽根を手渡されると笑みを浮かべる。
「三本勝負です。二本取った方が勝ち抜けになります。爆弾を相手に当てて破裂させても一本です。」
光秀はそう言うと右手を上げた。
「始め!!」
「いくわよ・・・。」
美佳は素晴らしい力加減で爆弾羽根を打ちあげる。
「ムカつくんだよォォォどおおりゃあああ!!」
源之進はいきなり渾身の力で打ち返した。
爆弾羽根は真っすぐに飛んでいき光秀の顔面に直撃する。
ボンッという音と共に白い粉をまき散らしながら爆弾羽根は爆発した。
「ぶははは!!」
思わず美佳は笑い転げてしまう。
「ぷッ・・・」
源之進も口を押えると笑いを堪えるのに必死だ。
ギャラリーたちも笑い転げている。
「八滝殿・・・何しているのですか?」
光秀は顔面を真っ白にしたまま立ち尽くしていた。
「失格です。」
こうして第一試合は美佳が勝ち抜けた。
「第二試合、ヌルヌル羽根突きです。」
係員が光秀からなずなに代わった。
板敷の羽根突きの試合場に何やらヌルヌルしたものが大量に撒かれている。
「卑猥だわ・・・。」
朋美は顔を赤らめると私を見つめる。
「この時代にローションって本当にあったのかよ。」
驚く私の肩をポンポンと軽く叩くのは五右衛門。
「通和散という代物だ。まあ何というかそういうもんだ。」
ニヤついている五右衛門。
「なんかヌルヌルするわ・・・。」
おぼつかない足取りで清興の妻である茶々が羽子板を構える。
これって・・・殿・・・図りましたね♪
真紅は私の方を見るとニッコリと微笑んだ。
「始め!!」
なずなの声で羽根突きが始まった。
「いきますわ!!」
しかし、真紅は羽根を打とうとするも足を滑らせて転んでしまう。
「ああ・・・ヌルヌルする・・・立てないわ・・・」
ローション(通和散)まみれになった真紅は、着物も開けかけてしまい胸元や太ももが露わになる。
「ぶはッ!!」
私は思わず鼻から大量の血を噴出させてしまう。
その隣で朋美は冷たい視線を私に投げかけている。
「・・・。」
岳人も同じくそれを思わず凝視してしまう。
その隣でお市は顔を膨らませていた。
ギャラリーの男共はみな一様に顔を赤らめて真紅のあられもない姿を凝視するばかり。
このくのいちがわらわよりも注目を受けておる・・・負けてられぬ!!
島清興の妻である茶々は生来の負けず嫌いであった。
真紅が男共の視線を釘付けにしていることが許せなかった。
「真紅殿、大丈夫でございますか? 今から助けます・・・ああッ!?」
茶々は真紅を助ける振りをしてローションに足を滑らせて転倒した。
「ぶおッ!!若妻やべえ・・・」
さすがの五右衛門も鼻血を噴出させてしまう。
美女である茶々の露わになった胸元と太ももは、若妻の色気が全開だ。
「真紅殿と茶々様・・・ヤバい・・・。」
一馬たち若き家臣団は全員股間を抑えて中腰になっている。
「良かった・・・アレじゃなくて・・・。義成もそう思うでしょ・・・て!?」
次の試合の準備をしていた楓は顔を赤らめながら義成の方を向くも
「・・・」
義成は興奮のあまり卒倒していた。
もつれ合う美女二人・・・それが第二試合の係員であるなずなの闘争心にも火が点けていた。
殿がお二人を注視されてる・・・これはチャンス・・・側室になるチャンスだわ♪
「御二方。落ち着いて・・・ゆっくりと立ち上がって・・・ああッ!?」
真紅と茶々を助けようと近づいたなずなも転倒した。
「まるで極楽浄土ではないか・・・大和に来て心から良かったと思うぞ。」
秀吉は涙と鼻血を流しながらつぶやく。
秀長や蜂須賀正勝たち郎党も一様に鼻血を流していた。
美女三人がヌルヌルの上でもつれ合っている。
そのまさしく天国のような光景は急遽終わりを迎える。
「はい、真紅さん、茶々殿失格!! なずなさんも退場!!」
そこに怒りに満ちた表情の美佳が試合終了を告げたのだった。
「第三試合は水上羽根突きです。ただクレームが出たので真水ではなく熱湯羽根突きになりました。」
光秀は笑顔で楓に手を振る。
いや・・・これの方がヤバいでしょ・・・オッサン。
楓はドン引きしていた。
熱湯が注がれた巨大な釜の上に板を敷いて羽根突きをするのだ。
釜からは湯気が立ち上っている。
「恐れなどない・・・。」
義成は板の上に立った。
「やるのね?本当に・・・」
楓も羽子板を手に板の上に立つと義成と向かい合う。
「始め!!」
光秀の声と共に楓が羽根を打ちこむ。
それを華麗に返す義成。
二人のラリーは観る者を虜にするハイレベルなものであった。
「やるじゃん・・・義成。」
「楓殿こそさすがですな。」
ギャラリーからは二人が楽しそうに羽根突きをしているように見えていた。
「楓様と高井殿が良い感じではないか・・・。」
千之助が悲し気につぶやく。
そのときだった。
「きゃッ・・・!?」
楓が片足を板から踏み外してしまった。
バランスを崩して落ちかける。
「楓殿ォ!?」
義成が慌てて手を伸ばすも届かない。
「くッ!!」
楓は落ちながらも胸元から縄を取り出すと放り投げる。
先端の鉤爪が板に引っ掛かり楓は転落を免れたが・・・
「ああ~!?」
板が大きく軋んだため、バランスを崩した義成はお湯の中に落ちていく。
「義成・・・。」
「熱い・・・アツ・・・アツ・・・熱いッ!?」
悶え苦しむ義成を尻目に楓は板の上に立った。
「高井義成続行不可能なため、勝者は芝辻楓!!」
光秀の声に楓は一瞬だけお湯の中で苦しんでいる義成を見るも
「やったぁ!!」
喜ぶ楓の姿にギャラリーも沸く。
「義成・・・。」
「大丈夫、熱い温泉ぐらいの温度。人が死ぬ熱さではない。」
五右衛門が心配そうな私に声をかけてきた。
「もう・・・もう女子は信じないから・・・。」
何とか助け出された義成は涙目でつぶやいていた。
「第四試合、空中羽根突き対決・・・ぬお!?」
言いかけた光秀が朋美とお市に蹴り飛ばされる。
「小細工抜きで勝負よ・・・市姫。」
「はい・・・義母上様。」
二人は向かい合った。
戦いは一方的だった。
朋美に何とか食らいつくもお市は追い詰められていた。
「ハァ・・・ハァハァ・・・。」
ひざまずくお市。
「この程度で山田家の嫁が務まると思っているの?」
朋美はお市の前に仁王立ちする。
目に涙を浮かべながらも歯を食いしばり立ち上がるお市。
羽根突きと全く関係ないよね・・・家庭の事情って。
私と五右衛門はただ傍観するだけ。
「さあ、全身の毛穴を●ち開けろよ!!」
朋美が鋭い一撃をお市に向かって放つ。
しかし・・・
「!?」
なんとお市に打ち込んだはずの羽根が朋美の目の前に落ちていた。
「You still h●ve lots more to work on・・・(まだまだだね)」
お市の身体から白いオーラがほとばしっている。
「天●無縫の極み・・・フッ・・・。」
朋美は羽子板を地面に置くとお市に背を向ける。
「アタイの負けだよ・・・岳人の嫁にふさわしいってね。」
朋美はそのまま立ち去っていく。
「義母上様・・・。」
お市はその後姿にただ頭を下げていた。
ギャラリーから大拍手が起こる。
いや・・・なんでお市が英語をしゃべっていることに誰も突っ込まないの?
っていうかおかしいだろ!? 戦国時代だぞ!!
朋美さんってば、たかが羽根突きでそんな簡単にお市を認めちゃうの?
気がつけば既に日も暮れ始めていた。
もう羽根突きができる時間ではない。
大会は終了となり優勝者不在で幕を閉じることとなった。
ギャラリーたちも解散してそれぞれ帰っていった。
そして夜、多聞山城本丸御殿の庭園。
「やった!!」
美佳がガッツポーズして喜びを露わにする。
「さすが義姉上・・・参りました。」
お市は笑顔で地べたに座り込む。
「大したもんね。」
楓は大の字になって寝ころんでいた。
三人で羽根突きの決着戦をしていたのだった。
どうやら美佳が優勝したようだな・・・
私は寝ころびながら美佳たちの姿を眺めていた。
こんな穏やかな日々がずっと続けばな・・・
そんな私の願いは脆くも崩れ去ることになる。
1568年はまさしくこの書き換えられた戦国時代において激動の年となるのだ。
光秀の声でギャラリーが集まってくる。
絶対に白くならないわ・・・それに源之進如きに負けはしない。
美佳は殺気のこもった目つきで源之進を威嚇する。
うう・・・よりよって美佳様とは・・・。
しかし、思い出せ。私は・・・俺は・・・羽子板の源ちゃんと呼ばれていたことを。
宇陀の八滝の郷は国人衆の争いに巻き込まれては荒れ続けていた。
源之進は同年代の子供がいないまま、大人たちの中で育った。
そこで鍛え上げられたのが羽根突き。
そしてこの手作りのマイ羽子板。
負けるわけには・・・
「早く準備しなさい、準備準備!!」
回想中の源之進を現実に引き戻す光秀。
てめえ・・・回想を邪魔するとは邪道な・・・
憤怒の形相で光秀を睨む源之進。
本気になったみたいね。そうじゃないと始まらないよ。カッコいいとこ見せてよ。
美佳は一回り大きい爆弾羽根を手渡されると笑みを浮かべる。
「三本勝負です。二本取った方が勝ち抜けになります。爆弾を相手に当てて破裂させても一本です。」
光秀はそう言うと右手を上げた。
「始め!!」
「いくわよ・・・。」
美佳は素晴らしい力加減で爆弾羽根を打ちあげる。
「ムカつくんだよォォォどおおりゃあああ!!」
源之進はいきなり渾身の力で打ち返した。
爆弾羽根は真っすぐに飛んでいき光秀の顔面に直撃する。
ボンッという音と共に白い粉をまき散らしながら爆弾羽根は爆発した。
「ぶははは!!」
思わず美佳は笑い転げてしまう。
「ぷッ・・・」
源之進も口を押えると笑いを堪えるのに必死だ。
ギャラリーたちも笑い転げている。
「八滝殿・・・何しているのですか?」
光秀は顔面を真っ白にしたまま立ち尽くしていた。
「失格です。」
こうして第一試合は美佳が勝ち抜けた。
「第二試合、ヌルヌル羽根突きです。」
係員が光秀からなずなに代わった。
板敷の羽根突きの試合場に何やらヌルヌルしたものが大量に撒かれている。
「卑猥だわ・・・。」
朋美は顔を赤らめると私を見つめる。
「この時代にローションって本当にあったのかよ。」
驚く私の肩をポンポンと軽く叩くのは五右衛門。
「通和散という代物だ。まあ何というかそういうもんだ。」
ニヤついている五右衛門。
「なんかヌルヌルするわ・・・。」
おぼつかない足取りで清興の妻である茶々が羽子板を構える。
これって・・・殿・・・図りましたね♪
真紅は私の方を見るとニッコリと微笑んだ。
「始め!!」
なずなの声で羽根突きが始まった。
「いきますわ!!」
しかし、真紅は羽根を打とうとするも足を滑らせて転んでしまう。
「ああ・・・ヌルヌルする・・・立てないわ・・・」
ローション(通和散)まみれになった真紅は、着物も開けかけてしまい胸元や太ももが露わになる。
「ぶはッ!!」
私は思わず鼻から大量の血を噴出させてしまう。
その隣で朋美は冷たい視線を私に投げかけている。
「・・・。」
岳人も同じくそれを思わず凝視してしまう。
その隣でお市は顔を膨らませていた。
ギャラリーの男共はみな一様に顔を赤らめて真紅のあられもない姿を凝視するばかり。
このくのいちがわらわよりも注目を受けておる・・・負けてられぬ!!
島清興の妻である茶々は生来の負けず嫌いであった。
真紅が男共の視線を釘付けにしていることが許せなかった。
「真紅殿、大丈夫でございますか? 今から助けます・・・ああッ!?」
茶々は真紅を助ける振りをしてローションに足を滑らせて転倒した。
「ぶおッ!!若妻やべえ・・・」
さすがの五右衛門も鼻血を噴出させてしまう。
美女である茶々の露わになった胸元と太ももは、若妻の色気が全開だ。
「真紅殿と茶々様・・・ヤバい・・・。」
一馬たち若き家臣団は全員股間を抑えて中腰になっている。
「良かった・・・アレじゃなくて・・・。義成もそう思うでしょ・・・て!?」
次の試合の準備をしていた楓は顔を赤らめながら義成の方を向くも
「・・・」
義成は興奮のあまり卒倒していた。
もつれ合う美女二人・・・それが第二試合の係員であるなずなの闘争心にも火が点けていた。
殿がお二人を注視されてる・・・これはチャンス・・・側室になるチャンスだわ♪
「御二方。落ち着いて・・・ゆっくりと立ち上がって・・・ああッ!?」
真紅と茶々を助けようと近づいたなずなも転倒した。
「まるで極楽浄土ではないか・・・大和に来て心から良かったと思うぞ。」
秀吉は涙と鼻血を流しながらつぶやく。
秀長や蜂須賀正勝たち郎党も一様に鼻血を流していた。
美女三人がヌルヌルの上でもつれ合っている。
そのまさしく天国のような光景は急遽終わりを迎える。
「はい、真紅さん、茶々殿失格!! なずなさんも退場!!」
そこに怒りに満ちた表情の美佳が試合終了を告げたのだった。
「第三試合は水上羽根突きです。ただクレームが出たので真水ではなく熱湯羽根突きになりました。」
光秀は笑顔で楓に手を振る。
いや・・・これの方がヤバいでしょ・・・オッサン。
楓はドン引きしていた。
熱湯が注がれた巨大な釜の上に板を敷いて羽根突きをするのだ。
釜からは湯気が立ち上っている。
「恐れなどない・・・。」
義成は板の上に立った。
「やるのね?本当に・・・」
楓も羽子板を手に板の上に立つと義成と向かい合う。
「始め!!」
光秀の声と共に楓が羽根を打ちこむ。
それを華麗に返す義成。
二人のラリーは観る者を虜にするハイレベルなものであった。
「やるじゃん・・・義成。」
「楓殿こそさすがですな。」
ギャラリーからは二人が楽しそうに羽根突きをしているように見えていた。
「楓様と高井殿が良い感じではないか・・・。」
千之助が悲し気につぶやく。
そのときだった。
「きゃッ・・・!?」
楓が片足を板から踏み外してしまった。
バランスを崩して落ちかける。
「楓殿ォ!?」
義成が慌てて手を伸ばすも届かない。
「くッ!!」
楓は落ちながらも胸元から縄を取り出すと放り投げる。
先端の鉤爪が板に引っ掛かり楓は転落を免れたが・・・
「ああ~!?」
板が大きく軋んだため、バランスを崩した義成はお湯の中に落ちていく。
「義成・・・。」
「熱い・・・アツ・・・アツ・・・熱いッ!?」
悶え苦しむ義成を尻目に楓は板の上に立った。
「高井義成続行不可能なため、勝者は芝辻楓!!」
光秀の声に楓は一瞬だけお湯の中で苦しんでいる義成を見るも
「やったぁ!!」
喜ぶ楓の姿にギャラリーも沸く。
「義成・・・。」
「大丈夫、熱い温泉ぐらいの温度。人が死ぬ熱さではない。」
五右衛門が心配そうな私に声をかけてきた。
「もう・・・もう女子は信じないから・・・。」
何とか助け出された義成は涙目でつぶやいていた。
「第四試合、空中羽根突き対決・・・ぬお!?」
言いかけた光秀が朋美とお市に蹴り飛ばされる。
「小細工抜きで勝負よ・・・市姫。」
「はい・・・義母上様。」
二人は向かい合った。
戦いは一方的だった。
朋美に何とか食らいつくもお市は追い詰められていた。
「ハァ・・・ハァハァ・・・。」
ひざまずくお市。
「この程度で山田家の嫁が務まると思っているの?」
朋美はお市の前に仁王立ちする。
目に涙を浮かべながらも歯を食いしばり立ち上がるお市。
羽根突きと全く関係ないよね・・・家庭の事情って。
私と五右衛門はただ傍観するだけ。
「さあ、全身の毛穴を●ち開けろよ!!」
朋美が鋭い一撃をお市に向かって放つ。
しかし・・・
「!?」
なんとお市に打ち込んだはずの羽根が朋美の目の前に落ちていた。
「You still h●ve lots more to work on・・・(まだまだだね)」
お市の身体から白いオーラがほとばしっている。
「天●無縫の極み・・・フッ・・・。」
朋美は羽子板を地面に置くとお市に背を向ける。
「アタイの負けだよ・・・岳人の嫁にふさわしいってね。」
朋美はそのまま立ち去っていく。
「義母上様・・・。」
お市はその後姿にただ頭を下げていた。
ギャラリーから大拍手が起こる。
いや・・・なんでお市が英語をしゃべっていることに誰も突っ込まないの?
っていうかおかしいだろ!? 戦国時代だぞ!!
朋美さんってば、たかが羽根突きでそんな簡単にお市を認めちゃうの?
気がつけば既に日も暮れ始めていた。
もう羽根突きができる時間ではない。
大会は終了となり優勝者不在で幕を閉じることとなった。
ギャラリーたちも解散してそれぞれ帰っていった。
そして夜、多聞山城本丸御殿の庭園。
「やった!!」
美佳がガッツポーズして喜びを露わにする。
「さすが義姉上・・・参りました。」
お市は笑顔で地べたに座り込む。
「大したもんね。」
楓は大の字になって寝ころんでいた。
三人で羽根突きの決着戦をしていたのだった。
どうやら美佳が優勝したようだな・・・
私は寝ころびながら美佳たちの姿を眺めていた。
こんな穏やかな日々がずっと続けばな・・・
そんな私の願いは脆くも崩れ去ることになる。
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