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第103話:秀吉の覚悟
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清州城の異変は狼煙によって、近隣の砦群にすぐに伝達された。
「増援が来る前に城を奪うのだ!!」
秀吉は刀で群がる敵兵を斬り伏せながら叫ぶ。
「木下殿、お任せください。」
そう声を上げると前方で敵兵を蹴散らし道を切り開くのは大宮景連。
「北畠の若造は恐ろしい強さじゃな。」
さすがの蜂須賀正勝も舌を巻く。
「ああ・・・敵には回したくないものだな。」
正史上で秀吉に生涯唯一の手傷を負わせた大宮景連である。
無意識ではあるが、その強さに秀吉は畏怖さえ覚えていた。
「本丸はすぐそこだ!!」
先行している慎之助たちは本丸を目の前にしていた。
そこに織田軍の鉄砲隊が立ちはだかる。
「ハァァァッ!!」
英圭がそこに飛び込んでいき鉄棒を振るうと次々と鉄砲隊は次々と吹っ飛ばされていく。
しかしその中の一人が英圭に至近距離から狙いを定めていた。
「!!」
瞬時に反応した重治が鮮やかな剣技でその兵を真っ二つにする。
「竹中殿・・・ここだけじゃなくてこっちも立つのだな。助かったぞ。」
英圭は重治に頭と腕のジャエスチャーを見せる。
「いえ・・・仁興殿が鉄砲隊に飛び込まねば皆がやられていたところ。」
重治は笑顔で答えた。
そのまま卓越した剣技で次々と織田兵を切り刻んでいく。
・・・私からすれば元は味方・・・その気持ちを汲み取っておるというのか・・・
躊躇しながら戦っていた利家は唇を噛み締めた。
その脇腹に肘を入れるのは慎之助。
「織田への忠誠があるならばどちらが織田の為になるのかわかるだろ?」
「ああ・・・そうだな。覚悟がまだ足りなかったということか。」
利家はそう言うと馬から飛び降りて槍を振るい本丸へと突入していく。
「又左殿に続け!!」
慎之助の声と共に先行した騎馬隊は、一斉に馬から降りると本丸へと続いていった。
激戦が続く中、山田軍の本隊が到着した。
その先頭に立つのは織田信忠。
清州城の守兵たちには、驚きの表情を見せる者も多かった。
「ワシは織田家嫡男である織田信忠じゃ。清州城に入らせてもらうぞ!!」
信忠は勇気を振り絞って大声で叫ぶ。
戦場にその声が響き渡ると、織田兵の中に戦いの手を止める者も現れはじめた。
激戦の末に、遂に利家や慎之助たちは本丸の占拠に成功する。
勝ちどきの声が上がる中、戦意を喪失した清州城の守兵たちに重治は声をかけた。
「このまま逃げて信長公に罰せられるか・・・それとも信忠様について命も俸禄も保障されるか・・・二つに一つ。勘違いされては困るぞ。信忠様は織田家の正統なる世継ぎだ!!」
その声を聞いて次々と降っていく守兵たち。
そして夜が明けた。
「油断はできないぞ。必ずすぐに城を取り返すべく攻めてくるはずだ。」
秀吉は兵たちに指示を出す。
早速、北の方角から攻めてくる軍勢があった。
尾張国野府城城主織田信治率いる二千の軍である。
「兄上の敵じゃ!!」
信長、そして信包の弟である信治は、兄の訃報を聞き怒り心頭であった。
同じく、尾張馬寄城城主で織田家家臣武藤舜秀も従軍していたが、疑念を抱いていた。
行方知れずの信重様と木下藤吉郎、又左・・・何があったというのか・・・
「あの旗印は武藤殿ではないか・・・。」
秀吉は清州城から攻め寄せてくる織田軍を見つめるとため息交じりにつぶやく。
「なるほど・・・武藤舜秀といえば織田家屈指の戦上手と言われている方ですね。」
重治がいつの間にか秀吉の隣に立っていた。
「・・・ということはそいつを討ち取れば総崩れってことだろ。」
慎之助と英圭も控えている。
「私に任せていただければすぐに終わらせます。」
大宮景連は自信に満ち溢れた表情。
「ここに集まっているのはそういう連中ばかりだ。私も含めてだけどな。藤吉郎に竹中殿、真っ向から迎え撃つぞ。」
「おう!!」
利家の声と共に慎之助たちは勝手に本丸を出ていく。
「それでは我らも行きますか・・・実は私もあれこれと思案するよりは何も考えず戦う方が好きなのです。」
「ふう・・・こんな奴らばかりだ・・・。」
そんな重治に秀吉は苦笑するしかなかった。
清州城から打って出た秀吉の軍は前面に盾隊を押し出している。
それを見た武藤舜秀は察知した・・・
盾隊を使う戦術は山田家・・・やはり山田が絡んでいる。
そして騎馬隊が主力という戦術は北畠・・・。
山田と北畠がこの戦には絡んでいるぞ。
「信治様、無闇に敵の懐に飛び込んではなりませぬ!!」
舜秀が声を上げるも
「兄上が討たれたのだぞ。者共ォ!! 我が兄織田信包の仇討ちじゃァァァ!!」
織田信治の声と共に鉄砲隊が前面に出ていく。
「撃てェェ!!」
織田軍の鉄砲隊が一斉射撃をする。
秀吉軍の盾隊が堪え切る。
「すぐに第二射だァ!!」
なんと織田軍が鉄砲三段撃ちをしてくる。
「チッ・・・真似するってか・・・竹中殿。騎馬鉄砲隊を左右から展開するぞ。」
慎之助が言う。
「織田の鉄砲隊の殲滅ですね・・・」
重治はうなずいた。
さすが山田の侍だ。しっかりとその場で策を講じられる・・・
「盾が持ちませぬ・・・」
盾隊の兵たちの悲鳴にも似た声が次々と上がる中、織田軍の三段撃ちが終わった。
「今だ!!」
慎之助と英圭率いる騎馬隊が正面から突撃をかける。
そこから左右に騎馬鉄砲隊が展開していき、織田軍の鉄砲隊を狙い撃ちしていく。
更にその背後から弓隊が現れると織田軍を包み込むように広がって動きながら矢を放っていく。
「鶴翼の陣・・・横陣からその場で鶴翼の陣だとォ・・・」
武藤舜秀には信じられなかった。
山田と北畠の寄せ集めの軍がここまで統率できていることに。
互いの歩兵もぶつかり合う乱戦の最中、舜秀の前に一人の騎馬武者が現れた。
「我こそは大和国越智家家臣薩摩伝五郎なり。名のある御方とお見受けいたす。」
薩摩伝五郎は頭を下げると槍を得物の三日月槍を振りかざす。
「織田家家臣武藤舜秀じゃ。まだ若いようじゃが戦場では手加減せぬぞ!!」
舜秀はそう言うと槍を構えた。
伝五郎と舜秀は数合打ち合うと互いに距離を取った。
「やるのう。」
舜秀は笑みを浮かべている。
つ・・・強い・・・隙がないぞ。
伝五郎は冷や汗をかいていた。
そこに飛び込んできたのは寺崎希信。
「我こそ越智家家臣寺崎希信だァ!! その首もらったァァッ!!」
槍を振り回しながら舜秀に襲い掛かる。
「おお・・・良い腕前だな。」
数合打ち合うと更に距離を取る舜秀。
「コイツ・・・半端ねえ・・・こんちくしょうが・・・。」
希信は踏み込めなくなってしまっていた。
「何やってんだァッ!! 越智家広様がお前らの醜態を見たら泣くぞォ!!」
そこに英圭がやってくる。
「来るか・・・なッ!?」
恐ろしい速さで間合いを詰めてきた英圭にたじろぐ武藤舜秀。
その鉄棒を槍で受け止めるも馬ごと吹っ飛ばされる。
「ぐぬッ・・・なっ!? 速すぎるゥ!?」
なんとか体勢を立て直した舜秀に次々と鉄棒を叩きつける英圭。
あの武藤殿が一方的に・・・仁興殿がここまで強いとは・・・
それを見ていた利家は驚きを隠せない。
「前田殿。私も伊勢においては並ぶ者がいないと自負しておりましたが、山田と共に戦うと知ることが多いのですよ。己自身が井の中の蛙だということを。」
大宮景連が次々と弓矢で織田軍の騎馬隊を射落としながら言う。
確かに・・・大和合戦においても驚くことばかりであった・・・
「ぐあッ!?」
槍を叩き折られた武藤舜秀はバランスを崩し落馬する。
「越智家のお二人さん・・・この方を捕らえよ。」
英圭の命令で伝五郎と希信は舜秀を捕縛した。
「織田家家臣武藤舜秀殿を捕らえたぞォォォ!!」
それを見た慎之助が声高らかに叫ぶ。
「ウオオオッ!!」
秀吉の軍の士気が一気に上がる。
逆にその慎之助の声を聞いたことで、明らかに動揺し統制を失いはじめる織田軍。
「無念・・・これでは埒が明かないぞ。退け・・・退くのじゃァァ!!」
織田信治は唇を噛み締めると大声で退却を指示。
そのまま織田軍は撤退していった。
そして再び1568年5月10日、尾張国清州城。
ここからだ・・・どのようにして信忠様を盛り立てていくのか・・・
そして殿の敵討ち・・・偽の織田信長の打倒だ・・・
秀吉は城内を見回す。
重治は元より、慎之助や英圭など大和からの兵は全員が清州に残っている。
北畠からの援軍も大宮景連は伊勢に帰還するもその兵たちは織田信忠の軍として残留してくれた。
わずか二千足らずだが・・・やれることはある。
必ず、耐え抜いて見せる。
そして大和に残してきたねねたちを笑顔で迎え入れられるように・・・
私は何があっても何をしてでも大切な家族を失う訳にはいかないのだ。
秀吉は空を見上げると拳を握り締めるのだった。
「増援が来る前に城を奪うのだ!!」
秀吉は刀で群がる敵兵を斬り伏せながら叫ぶ。
「木下殿、お任せください。」
そう声を上げると前方で敵兵を蹴散らし道を切り開くのは大宮景連。
「北畠の若造は恐ろしい強さじゃな。」
さすがの蜂須賀正勝も舌を巻く。
「ああ・・・敵には回したくないものだな。」
正史上で秀吉に生涯唯一の手傷を負わせた大宮景連である。
無意識ではあるが、その強さに秀吉は畏怖さえ覚えていた。
「本丸はすぐそこだ!!」
先行している慎之助たちは本丸を目の前にしていた。
そこに織田軍の鉄砲隊が立ちはだかる。
「ハァァァッ!!」
英圭がそこに飛び込んでいき鉄棒を振るうと次々と鉄砲隊は次々と吹っ飛ばされていく。
しかしその中の一人が英圭に至近距離から狙いを定めていた。
「!!」
瞬時に反応した重治が鮮やかな剣技でその兵を真っ二つにする。
「竹中殿・・・ここだけじゃなくてこっちも立つのだな。助かったぞ。」
英圭は重治に頭と腕のジャエスチャーを見せる。
「いえ・・・仁興殿が鉄砲隊に飛び込まねば皆がやられていたところ。」
重治は笑顔で答えた。
そのまま卓越した剣技で次々と織田兵を切り刻んでいく。
・・・私からすれば元は味方・・・その気持ちを汲み取っておるというのか・・・
躊躇しながら戦っていた利家は唇を噛み締めた。
その脇腹に肘を入れるのは慎之助。
「織田への忠誠があるならばどちらが織田の為になるのかわかるだろ?」
「ああ・・・そうだな。覚悟がまだ足りなかったということか。」
利家はそう言うと馬から飛び降りて槍を振るい本丸へと突入していく。
「又左殿に続け!!」
慎之助の声と共に先行した騎馬隊は、一斉に馬から降りると本丸へと続いていった。
激戦が続く中、山田軍の本隊が到着した。
その先頭に立つのは織田信忠。
清州城の守兵たちには、驚きの表情を見せる者も多かった。
「ワシは織田家嫡男である織田信忠じゃ。清州城に入らせてもらうぞ!!」
信忠は勇気を振り絞って大声で叫ぶ。
戦場にその声が響き渡ると、織田兵の中に戦いの手を止める者も現れはじめた。
激戦の末に、遂に利家や慎之助たちは本丸の占拠に成功する。
勝ちどきの声が上がる中、戦意を喪失した清州城の守兵たちに重治は声をかけた。
「このまま逃げて信長公に罰せられるか・・・それとも信忠様について命も俸禄も保障されるか・・・二つに一つ。勘違いされては困るぞ。信忠様は織田家の正統なる世継ぎだ!!」
その声を聞いて次々と降っていく守兵たち。
そして夜が明けた。
「油断はできないぞ。必ずすぐに城を取り返すべく攻めてくるはずだ。」
秀吉は兵たちに指示を出す。
早速、北の方角から攻めてくる軍勢があった。
尾張国野府城城主織田信治率いる二千の軍である。
「兄上の敵じゃ!!」
信長、そして信包の弟である信治は、兄の訃報を聞き怒り心頭であった。
同じく、尾張馬寄城城主で織田家家臣武藤舜秀も従軍していたが、疑念を抱いていた。
行方知れずの信重様と木下藤吉郎、又左・・・何があったというのか・・・
「あの旗印は武藤殿ではないか・・・。」
秀吉は清州城から攻め寄せてくる織田軍を見つめるとため息交じりにつぶやく。
「なるほど・・・武藤舜秀といえば織田家屈指の戦上手と言われている方ですね。」
重治がいつの間にか秀吉の隣に立っていた。
「・・・ということはそいつを討ち取れば総崩れってことだろ。」
慎之助と英圭も控えている。
「私に任せていただければすぐに終わらせます。」
大宮景連は自信に満ち溢れた表情。
「ここに集まっているのはそういう連中ばかりだ。私も含めてだけどな。藤吉郎に竹中殿、真っ向から迎え撃つぞ。」
「おう!!」
利家の声と共に慎之助たちは勝手に本丸を出ていく。
「それでは我らも行きますか・・・実は私もあれこれと思案するよりは何も考えず戦う方が好きなのです。」
「ふう・・・こんな奴らばかりだ・・・。」
そんな重治に秀吉は苦笑するしかなかった。
清州城から打って出た秀吉の軍は前面に盾隊を押し出している。
それを見た武藤舜秀は察知した・・・
盾隊を使う戦術は山田家・・・やはり山田が絡んでいる。
そして騎馬隊が主力という戦術は北畠・・・。
山田と北畠がこの戦には絡んでいるぞ。
「信治様、無闇に敵の懐に飛び込んではなりませぬ!!」
舜秀が声を上げるも
「兄上が討たれたのだぞ。者共ォ!! 我が兄織田信包の仇討ちじゃァァァ!!」
織田信治の声と共に鉄砲隊が前面に出ていく。
「撃てェェ!!」
織田軍の鉄砲隊が一斉射撃をする。
秀吉軍の盾隊が堪え切る。
「すぐに第二射だァ!!」
なんと織田軍が鉄砲三段撃ちをしてくる。
「チッ・・・真似するってか・・・竹中殿。騎馬鉄砲隊を左右から展開するぞ。」
慎之助が言う。
「織田の鉄砲隊の殲滅ですね・・・」
重治はうなずいた。
さすが山田の侍だ。しっかりとその場で策を講じられる・・・
「盾が持ちませぬ・・・」
盾隊の兵たちの悲鳴にも似た声が次々と上がる中、織田軍の三段撃ちが終わった。
「今だ!!」
慎之助と英圭率いる騎馬隊が正面から突撃をかける。
そこから左右に騎馬鉄砲隊が展開していき、織田軍の鉄砲隊を狙い撃ちしていく。
更にその背後から弓隊が現れると織田軍を包み込むように広がって動きながら矢を放っていく。
「鶴翼の陣・・・横陣からその場で鶴翼の陣だとォ・・・」
武藤舜秀には信じられなかった。
山田と北畠の寄せ集めの軍がここまで統率できていることに。
互いの歩兵もぶつかり合う乱戦の最中、舜秀の前に一人の騎馬武者が現れた。
「我こそは大和国越智家家臣薩摩伝五郎なり。名のある御方とお見受けいたす。」
薩摩伝五郎は頭を下げると槍を得物の三日月槍を振りかざす。
「織田家家臣武藤舜秀じゃ。まだ若いようじゃが戦場では手加減せぬぞ!!」
舜秀はそう言うと槍を構えた。
伝五郎と舜秀は数合打ち合うと互いに距離を取った。
「やるのう。」
舜秀は笑みを浮かべている。
つ・・・強い・・・隙がないぞ。
伝五郎は冷や汗をかいていた。
そこに飛び込んできたのは寺崎希信。
「我こそ越智家家臣寺崎希信だァ!! その首もらったァァッ!!」
槍を振り回しながら舜秀に襲い掛かる。
「おお・・・良い腕前だな。」
数合打ち合うと更に距離を取る舜秀。
「コイツ・・・半端ねえ・・・こんちくしょうが・・・。」
希信は踏み込めなくなってしまっていた。
「何やってんだァッ!! 越智家広様がお前らの醜態を見たら泣くぞォ!!」
そこに英圭がやってくる。
「来るか・・・なッ!?」
恐ろしい速さで間合いを詰めてきた英圭にたじろぐ武藤舜秀。
その鉄棒を槍で受け止めるも馬ごと吹っ飛ばされる。
「ぐぬッ・・・なっ!? 速すぎるゥ!?」
なんとか体勢を立て直した舜秀に次々と鉄棒を叩きつける英圭。
あの武藤殿が一方的に・・・仁興殿がここまで強いとは・・・
それを見ていた利家は驚きを隠せない。
「前田殿。私も伊勢においては並ぶ者がいないと自負しておりましたが、山田と共に戦うと知ることが多いのですよ。己自身が井の中の蛙だということを。」
大宮景連が次々と弓矢で織田軍の騎馬隊を射落としながら言う。
確かに・・・大和合戦においても驚くことばかりであった・・・
「ぐあッ!?」
槍を叩き折られた武藤舜秀はバランスを崩し落馬する。
「越智家のお二人さん・・・この方を捕らえよ。」
英圭の命令で伝五郎と希信は舜秀を捕縛した。
「織田家家臣武藤舜秀殿を捕らえたぞォォォ!!」
それを見た慎之助が声高らかに叫ぶ。
「ウオオオッ!!」
秀吉の軍の士気が一気に上がる。
逆にその慎之助の声を聞いたことで、明らかに動揺し統制を失いはじめる織田軍。
「無念・・・これでは埒が明かないぞ。退け・・・退くのじゃァァ!!」
織田信治は唇を噛み締めると大声で退却を指示。
そのまま織田軍は撤退していった。
そして再び1568年5月10日、尾張国清州城。
ここからだ・・・どのようにして信忠様を盛り立てていくのか・・・
そして殿の敵討ち・・・偽の織田信長の打倒だ・・・
秀吉は城内を見回す。
重治は元より、慎之助や英圭など大和からの兵は全員が清州に残っている。
北畠からの援軍も大宮景連は伊勢に帰還するもその兵たちは織田信忠の軍として残留してくれた。
わずか二千足らずだが・・・やれることはある。
必ず、耐え抜いて見せる。
そして大和に残してきたねねたちを笑顔で迎え入れられるように・・・
私は何があっても何をしてでも大切な家族を失う訳にはいかないのだ。
秀吉は空を見上げると拳を握り締めるのだった。
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