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第170話:両兵衛の誓い
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1569年8月、山城国勝竜寺城。
大広間に通される一人の男。
「お初にお目にかかります。拙者、但馬国守護の山名祐豊でございます。」
私より一回り程年上のやつれ気味のその男が名乗った。
「私が山田大輔です。以降、お見知りおきを。」
「ありがたき幸せ。」
私の手渡した名刺を笑顔で見つめている。
「大輔殿のおかげで銀山を赤井から取り戻せましたぞ。右京太夫様(細川昭元)も生野の地にて血気盛んに政務に勤しんでおられる。このままゆけばかつての『室町殿』の頃の栄華も取り戻せるのではないかと。」
「そうですね。ともかく一刻も早く争いごとを無くして、人々が穏やかに暮らせる世の中を築き上げたい。山名殿のお力添えが必要でございますよ。」
私の言葉に平伏する山名祐豊。
失墜した我ら山名家を立ててくださるとは噂にたがわぬ御方じゃ・・・
「因幡の山名豊国は我が婿でございます。但馬、因幡は山田家の傘下に加えていただきたく存じ上げます。」
「傘下ではなく友として歩みましょう。」
「なんと・・・!?」
この男には野心というものがないのか・・・
「分かり申した、大輔殿。」
こうして但馬、因幡の山名家も同盟国となった。
讃岐の十河存保、越前の朝倉義景、近江の六角義定、伊勢の北畠具房、尾張の織田信忠と同盟国の輪が広がりつつある。
そんな折に播磨から竹中半兵衛重治が黒田官兵衛考高を伴って戻ってきた。
「拙者は播磨国国人の黒田官兵衛考高と申しまする。」
「おお・・・あなたが噂の黒田官兵衛殿ですか・・・」
私の目の前の男はドラマなどで見るようなイケメンではないが、聡明そうな顔の男であった。
しかし、私と考高の和やかな雰囲気を壊すようになずなが駆け込んでくる。
「殿!! お気を付けください!!」
「なずなちゃん?」
「大広間でのご無礼・・・どんな罰でも受けます・・・御免!!」
なずなはクナイを手にすると考高に飛びかかった。
「!?」
しかしそこに立ちふさがったのは重治。
慌てて寸前でクナイを止めたなずな。
「竹中様!!この者はあの夜に大友宗麟殿を襲った男でございます!!」
「わかっています・・・。だが、今は我らに降っているのです・・・とても重要な人物です。もしも殺めるならば私を斬り捨ててからにしてください。」
「・・・」
なずなは大きく深呼吸すると平静さを取り戻す。そして私に向かって平伏した。
「殿・・・ご無礼をいたしました・・・しからばこの命で・・・」
「なずなちゃん・・・やめなさい。」
「しかし・・・このような失態を・・・」
「ならば罰しようか・・・。」
私はなずなの隣へと歩み寄った。
「命令だ。生き続けなさい。死んだら許さない。私より先に死ぬことを禁ずる!!」
「え・・・」
「この命令は絶対だ!!」
「殿・・・♥」
なずなは顔を赤らめると上目遣いに私を見つめてくる。
こういう表情や仕草に弱い。特にモデル系美女の恥じらいはツボだ。
「殿ぉ・・・後でお時間いただけませんか♥」
「マジっすか・・・」
しかしそれを遮る重治の声。
「なずな殿より先に込み入った話がございます。」
「わかったよ、半兵衛。」
重治の言葉とその眼光から私が感じ取れたこと・・・
岳人のことか・・・
そして勝竜寺城本丸の茶室。
私と重治、考高、景兼はお茶を飲みながら話を始めた。
「殿・・・若君の御様子がおかしいのですが・・・」
「やはりそうか・・・」
「気付かれてましたか?」
「そりゃね・・・親子だから。」
私は重治にそう言うと昔のことを思い出していた。
あれはまだ現代の頃だった。
当時小学6年生であった岳人と関ヶ原の戦いの昔のテレビドラマを観ていたときのことだった。
「なんで石田三成がそんなに悪く描かれているんだろ?」
「どうした・・・岳人?」
「石田三成ってどう考えても豊臣家への忠誠のために戦っているんだし、それは悪いことじゃないよ。むしろ豊臣家を裏切っている徳川家康の方が悪のような気がするんだ。」
「なるほどな・・・でも徳川家康が勝ったからこそ、戦国時代が終わりを告げることができたんじゃないか?」
そんな岳人に対する私の言葉。
「でも関ケ原で西軍が勝って、豊臣家の政権が存続したら面白いことになるよ。」
「面白いこと?」
「色々な戦いが起こりそうじゃん。また朝鮮出兵もありそうだし・・・。」
「そんなのは日本国内やあっちの国々の民衆が困り果てるだけじゃないのか。」
私の言ったことは岳人には全く届いていなかった。
「僕が関ヶ原の戦いに西軍で参加していればまず負けることはないだろうな。」
「そりゃ結末を知っているからな・・・変える方法は幾つでも思い浮かぶだろう。」
「僕だったら石田三成を加藤清正や福島正則の前で・・・」
この歴史改変は私の前世である坂上田村麻呂によるものだということ。
決して好き勝手に書き換えまくれるものではない。
「殿・・・新参者の私でございますが、できれば若君のお側に仕えさせていただけませぬか?」
考高が口を開いた。
「なるほど・・・若君の監視役でございますな。」
「左様でございます。」
景兼の言葉にうなずく考高。
「私だって好きでこのように領地を広げて権力のようなものを得てしまったわけではないんだけどな・・・」
私は思わずつぶやいた。
「わかっております。殿は全ては繋がりのある方々の御為に動いてこられてきた。若君はそれによって得た力を勘違いされておるだけでしょう。もうまもなく市姫も御子が生まれる頃合いだというのに・・・」
景兼も嘆息するだけであった。
その頃、播磨国姫路城。
「ハァ・・・ハァ・・・」
本丸の一室で絡み合う二つの影。
岳人とみずはであった。
涙を流しながら官能的な表情を見せるみずはの姿に岳人はひたすら興奮を覚えていた。
「ふんッ・・・ふう・・・」
行為を終えた二人が裸で抱き合っている。
「・・・よ・・・よろしかったのですか・・・市姫様のことは・・・」
「余計なことは考えなくていいよ・・・僕に抱かれたかったんだろ?」
「わ・・・わたしはただのくのいち・・・んん・・・」
そんな声をふすまの向こうで聞いているもみじは死んだ目を見せていた。
なんで・・・若君は・・・若君はこんな風に変わってしまわれたのでしょうか・・・
立ち上がると虚ろな表情で歩き出す。
そこに源之進がやってきた。
「もみじ殿。若君は・・・」
「・・・」
「もみじ殿・・・?」
思わず源之進に抱きつくと大声で嗚咽するもみじ。
「なんと・・・若君・・・市姫様が大事な時に・・・」
源之進はため息まじりにつぶやく。
もみじはその隣で膝を抱えて顔をうずめていた。
「でも・・・みずはは若君を慕っていたから・・・幸せなんだと思う。」
「もみじ殿・・・まさか・・・貴女も?」
「あたしは違う!! 今の若君はあたしがお慕い申し上げた若君ではないの・・・市姫様をおろそかにさせてまで女の幸せなんて求めていないから・・・」
顔を上げたもみじは涙が溢れて止まらない。
「・・・そうですか・・・」
源之進は着物の袖でもみじの頬の涙を拭うとそのまま頭を撫でる。
「八滝様・・・」
「泣きたいだけ泣かれるがよい。私で良ければ気の済むまでお付き合いいたそう。」
「う・・・うわぁぁぁぁぁ!!」
源之進の笑顔にもみじはまた嗚咽を始めるのであった。
そして勝竜寺城。茶室での密談が終わって大広間に戻った私たちを慎之介が待ち受けていた。
「殿・・・ご報告がございます。」
慎之介が平伏している。
「どうした?」
そんな私の言葉に顔を上げた慎之介は満面の笑みであった。
「この度、この長滝慎之介、茶屋っ娘。のお彩殿を娶ることとなりました。」
「なんだと・・・それはめでたいではないか!!」
私は暗い話の後だったので喜びが大きかった。
「おお・・・慎之介も遂に伴侶を得たか!!」
控えていた大雅が喜びの声を上げる。
「長滝殿・・・・おめでとうございます。」
重治も笑顔を見せているが、ただ一人笑顔を見せていない男がいた。
「・・・」
天下の剣豪疋田豊五郎景兼その人であった。
こうやって・・・若君に続いて慎之介まで所帯を持つのか・・・私も齢三十二になるというのに・・・
「豊ちゃん・・・そろそろぶ豊ちゃんも決めないと。」
「決めたくとも相手がおらねばできぬでしょうが!!」
私の言葉に景兼がキレた。
「朋美様という方がおられるのに真紅殿にまで・・・」
「景兼・・・まさか・・・真紅のことが・・・」
「やかましいぞォォォ。その粗末なモノを斬り落としてくれようか!!」
「おいおいおい・・・やめてくれェェェ!!」
逃げ回る私を追いかけまわす景兼。
「官兵衛殿。これが山田家だ。天下の大剣豪も殿の色に染まってしまう。」
重治の言葉に考高は笑みを浮かべた。
「なんとも良いではないか・・・戦のない世の中とやらになればこのような光景が日常になるのだろうな。」
「いや・・・日常にまではならないと思うが・・・」
そう言いかけた重治だが、清々しい表情の考高を見ると笑顔になった。
「我が天命として山田大輔に仕えさせていただこう。半兵衛殿、共に知恵を絞り上げていくぞ。」
「よろしく頼む。」
黒田官兵衛考高、山田大輔の為に起つ。
激動の歴史改変の中で得たこの男の力に私はこれからも幾度となく助けられるのだろうな・・・
そんなことを思いながら、私は景兼に追い回されるのであった。
大広間に通される一人の男。
「お初にお目にかかります。拙者、但馬国守護の山名祐豊でございます。」
私より一回り程年上のやつれ気味のその男が名乗った。
「私が山田大輔です。以降、お見知りおきを。」
「ありがたき幸せ。」
私の手渡した名刺を笑顔で見つめている。
「大輔殿のおかげで銀山を赤井から取り戻せましたぞ。右京太夫様(細川昭元)も生野の地にて血気盛んに政務に勤しんでおられる。このままゆけばかつての『室町殿』の頃の栄華も取り戻せるのではないかと。」
「そうですね。ともかく一刻も早く争いごとを無くして、人々が穏やかに暮らせる世の中を築き上げたい。山名殿のお力添えが必要でございますよ。」
私の言葉に平伏する山名祐豊。
失墜した我ら山名家を立ててくださるとは噂にたがわぬ御方じゃ・・・
「因幡の山名豊国は我が婿でございます。但馬、因幡は山田家の傘下に加えていただきたく存じ上げます。」
「傘下ではなく友として歩みましょう。」
「なんと・・・!?」
この男には野心というものがないのか・・・
「分かり申した、大輔殿。」
こうして但馬、因幡の山名家も同盟国となった。
讃岐の十河存保、越前の朝倉義景、近江の六角義定、伊勢の北畠具房、尾張の織田信忠と同盟国の輪が広がりつつある。
そんな折に播磨から竹中半兵衛重治が黒田官兵衛考高を伴って戻ってきた。
「拙者は播磨国国人の黒田官兵衛考高と申しまする。」
「おお・・・あなたが噂の黒田官兵衛殿ですか・・・」
私の目の前の男はドラマなどで見るようなイケメンではないが、聡明そうな顔の男であった。
しかし、私と考高の和やかな雰囲気を壊すようになずなが駆け込んでくる。
「殿!! お気を付けください!!」
「なずなちゃん?」
「大広間でのご無礼・・・どんな罰でも受けます・・・御免!!」
なずなはクナイを手にすると考高に飛びかかった。
「!?」
しかしそこに立ちふさがったのは重治。
慌てて寸前でクナイを止めたなずな。
「竹中様!!この者はあの夜に大友宗麟殿を襲った男でございます!!」
「わかっています・・・。だが、今は我らに降っているのです・・・とても重要な人物です。もしも殺めるならば私を斬り捨ててからにしてください。」
「・・・」
なずなは大きく深呼吸すると平静さを取り戻す。そして私に向かって平伏した。
「殿・・・ご無礼をいたしました・・・しからばこの命で・・・」
「なずなちゃん・・・やめなさい。」
「しかし・・・このような失態を・・・」
「ならば罰しようか・・・。」
私はなずなの隣へと歩み寄った。
「命令だ。生き続けなさい。死んだら許さない。私より先に死ぬことを禁ずる!!」
「え・・・」
「この命令は絶対だ!!」
「殿・・・♥」
なずなは顔を赤らめると上目遣いに私を見つめてくる。
こういう表情や仕草に弱い。特にモデル系美女の恥じらいはツボだ。
「殿ぉ・・・後でお時間いただけませんか♥」
「マジっすか・・・」
しかしそれを遮る重治の声。
「なずな殿より先に込み入った話がございます。」
「わかったよ、半兵衛。」
重治の言葉とその眼光から私が感じ取れたこと・・・
岳人のことか・・・
そして勝竜寺城本丸の茶室。
私と重治、考高、景兼はお茶を飲みながら話を始めた。
「殿・・・若君の御様子がおかしいのですが・・・」
「やはりそうか・・・」
「気付かれてましたか?」
「そりゃね・・・親子だから。」
私は重治にそう言うと昔のことを思い出していた。
あれはまだ現代の頃だった。
当時小学6年生であった岳人と関ヶ原の戦いの昔のテレビドラマを観ていたときのことだった。
「なんで石田三成がそんなに悪く描かれているんだろ?」
「どうした・・・岳人?」
「石田三成ってどう考えても豊臣家への忠誠のために戦っているんだし、それは悪いことじゃないよ。むしろ豊臣家を裏切っている徳川家康の方が悪のような気がするんだ。」
「なるほどな・・・でも徳川家康が勝ったからこそ、戦国時代が終わりを告げることができたんじゃないか?」
そんな岳人に対する私の言葉。
「でも関ケ原で西軍が勝って、豊臣家の政権が存続したら面白いことになるよ。」
「面白いこと?」
「色々な戦いが起こりそうじゃん。また朝鮮出兵もありそうだし・・・。」
「そんなのは日本国内やあっちの国々の民衆が困り果てるだけじゃないのか。」
私の言ったことは岳人には全く届いていなかった。
「僕が関ヶ原の戦いに西軍で参加していればまず負けることはないだろうな。」
「そりゃ結末を知っているからな・・・変える方法は幾つでも思い浮かぶだろう。」
「僕だったら石田三成を加藤清正や福島正則の前で・・・」
この歴史改変は私の前世である坂上田村麻呂によるものだということ。
決して好き勝手に書き換えまくれるものではない。
「殿・・・新参者の私でございますが、できれば若君のお側に仕えさせていただけませぬか?」
考高が口を開いた。
「なるほど・・・若君の監視役でございますな。」
「左様でございます。」
景兼の言葉にうなずく考高。
「私だって好きでこのように領地を広げて権力のようなものを得てしまったわけではないんだけどな・・・」
私は思わずつぶやいた。
「わかっております。殿は全ては繋がりのある方々の御為に動いてこられてきた。若君はそれによって得た力を勘違いされておるだけでしょう。もうまもなく市姫も御子が生まれる頃合いだというのに・・・」
景兼も嘆息するだけであった。
その頃、播磨国姫路城。
「ハァ・・・ハァ・・・」
本丸の一室で絡み合う二つの影。
岳人とみずはであった。
涙を流しながら官能的な表情を見せるみずはの姿に岳人はひたすら興奮を覚えていた。
「ふんッ・・・ふう・・・」
行為を終えた二人が裸で抱き合っている。
「・・・よ・・・よろしかったのですか・・・市姫様のことは・・・」
「余計なことは考えなくていいよ・・・僕に抱かれたかったんだろ?」
「わ・・・わたしはただのくのいち・・・んん・・・」
そんな声をふすまの向こうで聞いているもみじは死んだ目を見せていた。
なんで・・・若君は・・・若君はこんな風に変わってしまわれたのでしょうか・・・
立ち上がると虚ろな表情で歩き出す。
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「もみじ殿。若君は・・・」
「・・・」
「もみじ殿・・・?」
思わず源之進に抱きつくと大声で嗚咽するもみじ。
「なんと・・・若君・・・市姫様が大事な時に・・・」
源之進はため息まじりにつぶやく。
もみじはその隣で膝を抱えて顔をうずめていた。
「でも・・・みずはは若君を慕っていたから・・・幸せなんだと思う。」
「もみじ殿・・・まさか・・・貴女も?」
「あたしは違う!! 今の若君はあたしがお慕い申し上げた若君ではないの・・・市姫様をおろそかにさせてまで女の幸せなんて求めていないから・・・」
顔を上げたもみじは涙が溢れて止まらない。
「・・・そうですか・・・」
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「八滝様・・・」
「泣きたいだけ泣かれるがよい。私で良ければ気の済むまでお付き合いいたそう。」
「う・・・うわぁぁぁぁぁ!!」
源之進の笑顔にもみじはまた嗚咽を始めるのであった。
そして勝竜寺城。茶室での密談が終わって大広間に戻った私たちを慎之介が待ち受けていた。
「殿・・・ご報告がございます。」
慎之介が平伏している。
「どうした?」
そんな私の言葉に顔を上げた慎之介は満面の笑みであった。
「この度、この長滝慎之介、茶屋っ娘。のお彩殿を娶ることとなりました。」
「なんだと・・・それはめでたいではないか!!」
私は暗い話の後だったので喜びが大きかった。
「おお・・・慎之介も遂に伴侶を得たか!!」
控えていた大雅が喜びの声を上げる。
「長滝殿・・・・おめでとうございます。」
重治も笑顔を見せているが、ただ一人笑顔を見せていない男がいた。
「・・・」
天下の剣豪疋田豊五郎景兼その人であった。
こうやって・・・若君に続いて慎之介まで所帯を持つのか・・・私も齢三十二になるというのに・・・
「豊ちゃん・・・そろそろぶ豊ちゃんも決めないと。」
「決めたくとも相手がおらねばできぬでしょうが!!」
私の言葉に景兼がキレた。
「朋美様という方がおられるのに真紅殿にまで・・・」
「景兼・・・まさか・・・真紅のことが・・・」
「やかましいぞォォォ。その粗末なモノを斬り落としてくれようか!!」
「おいおいおい・・・やめてくれェェェ!!」
逃げ回る私を追いかけまわす景兼。
「官兵衛殿。これが山田家だ。天下の大剣豪も殿の色に染まってしまう。」
重治の言葉に考高は笑みを浮かべた。
「なんとも良いではないか・・・戦のない世の中とやらになればこのような光景が日常になるのだろうな。」
「いや・・・日常にまではならないと思うが・・・」
そう言いかけた重治だが、清々しい表情の考高を見ると笑顔になった。
「我が天命として山田大輔に仕えさせていただこう。半兵衛殿、共に知恵を絞り上げていくぞ。」
「よろしく頼む。」
黒田官兵衛考高、山田大輔の為に起つ。
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