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獣耳イケメン王子達とドキドキ学園ライフ
掛け金ヒロイン
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「私は花村 小百合です」
お風呂にゆっくり入って落ち着いたのか、一緒にオムライスを食べながら人間の女の子と二人きりで話をしていました。
お父さんは女子高の用務員をしていて、美人なお母さんにメロメロで見ている娘の方が恥ずかしいとか、お母さんの妹さんが有名な占い師で破天荒だとか楽しそうに話してくれました。
普通の女の子だなぁと思って聞いてみいました。
そして気になっていたのが、一緒に教室から出た時のジャスパーお兄様が小百合を見た反応が、みんなと違った事でした。
私の寮の部屋で面倒を見ると言えば、生徒会の人達はホッとした顔で喜んでいたのに、ジャスパーお兄様だけは彼女の顔を食い入るように見詰めながら真っ青な顔で微かに震えていた。
「今日は僕も帰るよ。とても仕事が出来そうにないから」
そう弱々しく言うと、フラフラした足取りで去っていきました。
「帰れないのかな」
小百合の呟きで、一気に現実に引き戻される。
「私が聞いた話だと召喚魔法は一回限定の使い切りだったらしくて、魔法自体が消えたらしいから難しいかもしれないの」
「そっか。なんか異世界召喚なんて夢物語だと思っていたけど、現実になると恐いものなんだね。お父さんもお母さん、心配してるかな」
あぁ、この子はゲームのキャラクターでも無ければ、ヒロインでも無い。幸せな家庭で育った普通の女の子だ。
私と同じ普通の女の子。
小百合が話してくれた代わりに、私の事も話して聞かせた。私が転生者でゲームをプレイした記憶が有るけど、これは現実世界だと認識したことも含めて話した。
普通のOLだった私が嵐の夜に死んで、遊んでいた乙女ゲームの世界に転生して、黒猫だった子供の頃の思い出やアンジェが暴走して大怪我をおって生死の境をさ迷った。ラベンダー色に変わってから学園に入学して、クラスメイトも友達になって楽しいことも全て話して聞かせた。
「元の世界に戻れるか分からないけど、私が力になるわ」
「サクラちゃん、ありがとう」
「明日からどうする?」
警戒心は無くなり、どこか落ち着きた小百合ちゃんがニコニコしながら立ち上がった。
「私も学園の生徒になりたい!できればサクラちゃんをモフ………友達になりたい」
これは思う存分、私をモフりたいって言いたかったのかな(笑)
「ゲームじゃ無いのも分かってる。だってアンジェに首を絞めりた時の痛みや苦しみは本物だった。でも震えるだけで終わるなんて勿体ないよね。魔法も使ってみたいし、サクラちゃんと、もっと仲良くなりたいもん」
「なら………小百合ちゃんも暫くは、この部屋に住む?」
「いいの?私は嬉しいし、有難いけど」
いきなり慣れない世界で、寮とはいえ一人暮らしは不便もあるだろうし寂しいと思う。それに同居人に適しているのは、私以外に考えられません。人間をよく知っているのは、今の所は私だけ…………あ…アンジェも人間の記憶が有りそうだけど、小百合ちゃんを近付けたくない。
「私の制服を貸すから、学園長に会いに行ってみようか?」
「うん。よろしくお願いします」
背丈も体格も、私の制服で良さそうです。
授業中の生徒が少ない時間帯を狙って、小百合ちゃんを学園に連れて行こうと思います。
あ………もしかしなくても、私って授業をサボった。
前世でも真面目だったので、病欠以外で休んだ事が無かった私は、生まれて初めて授業をサボっていることに罪悪感があるものの、胸がドキドキして、少しだけワクワクしていました。
お風呂にゆっくり入って落ち着いたのか、一緒にオムライスを食べながら人間の女の子と二人きりで話をしていました。
お父さんは女子高の用務員をしていて、美人なお母さんにメロメロで見ている娘の方が恥ずかしいとか、お母さんの妹さんが有名な占い師で破天荒だとか楽しそうに話してくれました。
普通の女の子だなぁと思って聞いてみいました。
そして気になっていたのが、一緒に教室から出た時のジャスパーお兄様が小百合を見た反応が、みんなと違った事でした。
私の寮の部屋で面倒を見ると言えば、生徒会の人達はホッとした顔で喜んでいたのに、ジャスパーお兄様だけは彼女の顔を食い入るように見詰めながら真っ青な顔で微かに震えていた。
「今日は僕も帰るよ。とても仕事が出来そうにないから」
そう弱々しく言うと、フラフラした足取りで去っていきました。
「帰れないのかな」
小百合の呟きで、一気に現実に引き戻される。
「私が聞いた話だと召喚魔法は一回限定の使い切りだったらしくて、魔法自体が消えたらしいから難しいかもしれないの」
「そっか。なんか異世界召喚なんて夢物語だと思っていたけど、現実になると恐いものなんだね。お父さんもお母さん、心配してるかな」
あぁ、この子はゲームのキャラクターでも無ければ、ヒロインでも無い。幸せな家庭で育った普通の女の子だ。
私と同じ普通の女の子。
小百合が話してくれた代わりに、私の事も話して聞かせた。私が転生者でゲームをプレイした記憶が有るけど、これは現実世界だと認識したことも含めて話した。
普通のOLだった私が嵐の夜に死んで、遊んでいた乙女ゲームの世界に転生して、黒猫だった子供の頃の思い出やアンジェが暴走して大怪我をおって生死の境をさ迷った。ラベンダー色に変わってから学園に入学して、クラスメイトも友達になって楽しいことも全て話して聞かせた。
「元の世界に戻れるか分からないけど、私が力になるわ」
「サクラちゃん、ありがとう」
「明日からどうする?」
警戒心は無くなり、どこか落ち着きた小百合ちゃんがニコニコしながら立ち上がった。
「私も学園の生徒になりたい!できればサクラちゃんをモフ………友達になりたい」
これは思う存分、私をモフりたいって言いたかったのかな(笑)
「ゲームじゃ無いのも分かってる。だってアンジェに首を絞めりた時の痛みや苦しみは本物だった。でも震えるだけで終わるなんて勿体ないよね。魔法も使ってみたいし、サクラちゃんと、もっと仲良くなりたいもん」
「なら………小百合ちゃんも暫くは、この部屋に住む?」
「いいの?私は嬉しいし、有難いけど」
いきなり慣れない世界で、寮とはいえ一人暮らしは不便もあるだろうし寂しいと思う。それに同居人に適しているのは、私以外に考えられません。人間をよく知っているのは、今の所は私だけ…………あ…アンジェも人間の記憶が有りそうだけど、小百合ちゃんを近付けたくない。
「私の制服を貸すから、学園長に会いに行ってみようか?」
「うん。よろしくお願いします」
背丈も体格も、私の制服で良さそうです。
授業中の生徒が少ない時間帯を狙って、小百合ちゃんを学園に連れて行こうと思います。
あ………もしかしなくても、私って授業をサボった。
前世でも真面目だったので、病欠以外で休んだ事が無かった私は、生まれて初めて授業をサボっていることに罪悪感があるものの、胸がドキドキして、少しだけワクワクしていました。
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