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継母と義理の娘
優しい継母
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屋敷に帰ってくると、泣き腫らした顔のダリアンお母様が、私を見て抱き着いてきた。
ラフレアよりも青みが強い緑の目をした、淡い金髪の優しい顔の女性が泣いている。
「ごめんなさい。まさかリリアーヌの温情で無かった事にしてくれたのに、学校の中庭で抱き合うなんて…………あんな子に育てた自分が恥ずかしいわ」
私は優しくダリアンお母様の背中を撫でる。
「ダリアンお母様が、ご自分を責める必要はございませんわ。私はダリアンお母様が大好きよ」
「リリアーヌ……私の可愛い娘。不甲斐ない私を許してくれるの?まだ私を”お母様”と呼んでくれるの?」
「許すも何も、母を失った悲しみを埋め、暖かく包み込んでくれたのはダリアンお母様ですわ。セシル様とラフレアの事は、ダリアンお母様が責任を感じる必要なんてありませんわ。綺麗な お顔が腫れているではありませんか」
優しくダリアンお母様の頬を撫でた。
「ダリアンお母様の明るさと優しさに、私と父は救われたのです。感謝こそすれ、責めたりしませんわ」
「でもラフレアが」
「あの子はセシル様に夢中になって、きっと周りが見えてないのよ。それはダリアンお母様が責任を感じなくていい事だわ」
「こんなに優しく美しいリリアーヌに張り合うなんて…………馬鹿な子。私はこの屋敷を「出ていかないで!」」
ダリアンお母様なら、屋敷を出て行く選択をする事は分かっていた。
だからこそ、夜会の事を不問……無かった事にしたのに。
「私はダリアンお母様が大好きよ。夜会の事を無かった事にしたのだって、お母様を2回も失いたく無かったからよ!ダリアンお母様は………私のお母様でしょう?」
「リリアーヌ!!」
「ダリアンお母様は、私の本当のお母様よ」
素直に寂しいと言えば、暖かく包み込んでくれた優しい女性を嫌いになれるわけない。
私が3歳の時に母親が病気で亡くなり、翌年にダリアンの元夫が戦死して、寂しい心をお互いに埋めあっていた。
今ではダリアンが継母だと知る者も少なく、良好な関係の2人を本当の親子だと信じている人が大多数を締めている。
「ダリアンお母様」
「リリアーヌ」
屋敷の玄関が、暖かい空気で満ちていた。
「完全にリリアーヌに持って行かれたな」
執事達に混じって銀髪の髭紳士が、私達を見守っていました。
「ダリアンが思い詰める必要は無い。性行為は一方的にするものでは無い、相手があってこそだ。それにダリアンは間違いなくリリアーヌの母親で、俺の妻だ」
「旦那様」
「ラフレアの事は家族の問題だ。一緒に相談しよう。ラフレアも俺の娘だ」
そんな両親の気持ちは、心無いラフレアによってぶち壊される。
「辛気臭いババァが、私の母親ズラしないでよ!鬱陶しい!!」
こういう態度は初めてではなかった。
だからこそ、余計にダリアンはリリアーヌを可愛がっていたのかもしれない。
「私がアンタの子供じゃない事は知ってるのよ!男爵家の隠し子なんだから!!」
ヒロインって、男爵家が好きね?
このまま黙っていたら公爵令嬢なのに、わざわざ位の低い男爵令嬢になりたがるなんて、不可解な生き物ね………ヒロインというモノは。
よく調べたら本当に父親は男爵だった。
伯爵令嬢と一夜の過ちで産まれたラフレアは、兄であるダリアンの亡くなった夫が引き取り育てたらしいです。
伯爵家の血も流れているし、黙っていれば公爵家に居られるのに、あえて男爵家に引き取られる事を強く希望するラフレア。
癌が無くなり、ブルームフォンテーン公爵家は、落ち着きを取り戻し、幸せムードに包まれていた。
ラフレアよりも青みが強い緑の目をした、淡い金髪の優しい顔の女性が泣いている。
「ごめんなさい。まさかリリアーヌの温情で無かった事にしてくれたのに、学校の中庭で抱き合うなんて…………あんな子に育てた自分が恥ずかしいわ」
私は優しくダリアンお母様の背中を撫でる。
「ダリアンお母様が、ご自分を責める必要はございませんわ。私はダリアンお母様が大好きよ」
「リリアーヌ……私の可愛い娘。不甲斐ない私を許してくれるの?まだ私を”お母様”と呼んでくれるの?」
「許すも何も、母を失った悲しみを埋め、暖かく包み込んでくれたのはダリアンお母様ですわ。セシル様とラフレアの事は、ダリアンお母様が責任を感じる必要なんてありませんわ。綺麗な お顔が腫れているではありませんか」
優しくダリアンお母様の頬を撫でた。
「ダリアンお母様の明るさと優しさに、私と父は救われたのです。感謝こそすれ、責めたりしませんわ」
「でもラフレアが」
「あの子はセシル様に夢中になって、きっと周りが見えてないのよ。それはダリアンお母様が責任を感じなくていい事だわ」
「こんなに優しく美しいリリアーヌに張り合うなんて…………馬鹿な子。私はこの屋敷を「出ていかないで!」」
ダリアンお母様なら、屋敷を出て行く選択をする事は分かっていた。
だからこそ、夜会の事を不問……無かった事にしたのに。
「私はダリアンお母様が大好きよ。夜会の事を無かった事にしたのだって、お母様を2回も失いたく無かったからよ!ダリアンお母様は………私のお母様でしょう?」
「リリアーヌ!!」
「ダリアンお母様は、私の本当のお母様よ」
素直に寂しいと言えば、暖かく包み込んでくれた優しい女性を嫌いになれるわけない。
私が3歳の時に母親が病気で亡くなり、翌年にダリアンの元夫が戦死して、寂しい心をお互いに埋めあっていた。
今ではダリアンが継母だと知る者も少なく、良好な関係の2人を本当の親子だと信じている人が大多数を締めている。
「ダリアンお母様」
「リリアーヌ」
屋敷の玄関が、暖かい空気で満ちていた。
「完全にリリアーヌに持って行かれたな」
執事達に混じって銀髪の髭紳士が、私達を見守っていました。
「ダリアンが思い詰める必要は無い。性行為は一方的にするものでは無い、相手があってこそだ。それにダリアンは間違いなくリリアーヌの母親で、俺の妻だ」
「旦那様」
「ラフレアの事は家族の問題だ。一緒に相談しよう。ラフレアも俺の娘だ」
そんな両親の気持ちは、心無いラフレアによってぶち壊される。
「辛気臭いババァが、私の母親ズラしないでよ!鬱陶しい!!」
こういう態度は初めてではなかった。
だからこそ、余計にダリアンはリリアーヌを可愛がっていたのかもしれない。
「私がアンタの子供じゃない事は知ってるのよ!男爵家の隠し子なんだから!!」
ヒロインって、男爵家が好きね?
このまま黙っていたら公爵令嬢なのに、わざわざ位の低い男爵令嬢になりたがるなんて、不可解な生き物ね………ヒロインというモノは。
よく調べたら本当に父親は男爵だった。
伯爵令嬢と一夜の過ちで産まれたラフレアは、兄であるダリアンの亡くなった夫が引き取り育てたらしいです。
伯爵家の血も流れているし、黙っていれば公爵家に居られるのに、あえて男爵家に引き取られる事を強く希望するラフレア。
癌が無くなり、ブルームフォンテーン公爵家は、落ち着きを取り戻し、幸せムードに包まれていた。
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