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動き出す攻略対象者達
朝のお迎え
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清々しい朝。
美味しい朝食を大好きな家族と食べ、学校に向かう馬車に乗り込もうと玄関を出ると、モーガンとジャスパーが待っていた。
「ウッス」
「おはよう、リリアーヌ様」
手を挙げて挨拶するモーガンに続き、ジャスパーが微笑みながら手を差し伸べた。
「昨日はコイツの家に泊まったんだ」
「商家とはいえ、平民の屋敷に平気で泊まるのはモーガンだけだよ」
「そうか?」
昨日は混乱していたけど、朝から2人のやり取りを見ていたら、気持ちが軽くなり癒された気がする。
「ふふっ……おはようございます。お二人共、馬車にお乗りになって?遅れてしまうわ」
3人で乗り込むと、正面にモーガンがドカッと座り、私の隣にジャスパーが座った。
「着いたら起こせ」
寝息を立てるモーガンに、呆れながらジャスパーを見ると、私の手を握られた。
ちょっと嫌な予感がする。
「一度寝付くと、起こすまでモーガンは起きないよ」
「知っておりますわ。子供の頃から一緒で…んっ」
喋っている途中の口をで、不意にジャスパーの唇が塞いだ。
離れたくても馬車の中では、思う様に距離が取れない。
「昨日はモーガンが失恋したって泣き付いて来たから泊めたんだ。ダメだよ………空き教室は、中庭から良く見えるんだから」
「ジャスパー?」
「モーガンは、エドワード様に”兄上から取り戻す”とか言って、無理矢理キスされるリリアーヌ様を見ていたんだ…………僕と一緒に」
「一緒……に?」
「実は僕も東洋の文字が読めるんだ」
「え?………あっ…………限られた交易」
「モーガンはゼロに勝てないって落ち込んでいたけど、僕はリリアーヌ様争奪戦に参加する気満々だから。ラフレアがヒロインなんて嫌だけど、リリアーヌ様なら話は別だよ」
馬車の壁に追い詰められ、鼻にキスをされる。
「なぁ~んてね」
ジャスパーが距離を取った。
「無理矢理キスして、上がるか分からない好感度なんて気にしても、リリアーヌ様の気持ちが僕に向かないのは分かっているよ」
「ジャスパー………」
「でも諦めた訳じゃ無いから」
微妙な空気のまま、学校まで来ると、ラフレアが凄い勢いでモーガンに抱き着いた。
ホッとした顔が、私を見た瞬間に般若に変わった。
「リリアーヌ……アンタ何かしたの?!」
凄い剣幕で私に掴みかかりそうになり、ジャスパーが背中に庇ってくれ、モーガンがラフレアの腕を掴んで引き離した。
「なんで………なんでモーガン以外に触れないのよ!?」
「知るかよ!………って言うかオレだけかよ!!」
ラフレアがジャスパーに手を伸ばすと、バチンっと音を立てて弾かれた。
「やり捨てられて消える予定だったモブのくせに、ヒロインの私を差し置いて!オースティン先生なんか、近寄る事もできなかったじゃないの!!何したのよ!?」
「言い掛かりは止めなよ。リリアーヌ様が何かをしたんじゃないって気が付きなよ。中学生の時に中庭で男の公開SEXする様な女に、男が惹かれる訳無いだろ?何人の男に抱かれてるか分かんない女……………相手にするのなんて身体目当ての変態だけに決まってんじゃん」
ジャスパーが声を荒げて怒る姿は、初めて見ました。
「お前は………とっくに舞台から転げ落ちてるのに、まだ気が付いて無いのかよ。失せろ阿婆擦れ」
「酷い!……嫉妬してリリアーヌが私を虐める」
「馬鹿なの?リリアーヌ様は、一言も言葉を発してないのに。勝手にイチャモンをつけるなよ!」
ラフレアは私を睨み付けると、モーガンの腕に抱き着いた。
だから、なぜ私を睨む?
「私……怖いの…………リリアーヌが虐めるの。モーガンなら、助けてくれるでしょう?」
「はぁ?無理!」
「そんな事を言わないで?私を好きにしても良いのよ?」
「…………キモッ」
「冷たくしないで?モーガン」
「相変わらず言葉が通じねぇ女だな」
ラフレアの腕を振りほどき、ドンと音が聞こえるくらい、強く押し退けた。
「怖いのは、お前だ。嫌われてる事に気が付けよ」
騒ぎを聞き付けたオースティン様とランスロット様が事情を察してくれて、私達3人を教室に行くように助けてくれた。
「君の迷惑行為は目に余る。今日は帰宅し自宅謹慎しなさい」
ラフレアは学校から追い出される様に帰らされて行きました。
美味しい朝食を大好きな家族と食べ、学校に向かう馬車に乗り込もうと玄関を出ると、モーガンとジャスパーが待っていた。
「ウッス」
「おはよう、リリアーヌ様」
手を挙げて挨拶するモーガンに続き、ジャスパーが微笑みながら手を差し伸べた。
「昨日はコイツの家に泊まったんだ」
「商家とはいえ、平民の屋敷に平気で泊まるのはモーガンだけだよ」
「そうか?」
昨日は混乱していたけど、朝から2人のやり取りを見ていたら、気持ちが軽くなり癒された気がする。
「ふふっ……おはようございます。お二人共、馬車にお乗りになって?遅れてしまうわ」
3人で乗り込むと、正面にモーガンがドカッと座り、私の隣にジャスパーが座った。
「着いたら起こせ」
寝息を立てるモーガンに、呆れながらジャスパーを見ると、私の手を握られた。
ちょっと嫌な予感がする。
「一度寝付くと、起こすまでモーガンは起きないよ」
「知っておりますわ。子供の頃から一緒で…んっ」
喋っている途中の口をで、不意にジャスパーの唇が塞いだ。
離れたくても馬車の中では、思う様に距離が取れない。
「昨日はモーガンが失恋したって泣き付いて来たから泊めたんだ。ダメだよ………空き教室は、中庭から良く見えるんだから」
「ジャスパー?」
「モーガンは、エドワード様に”兄上から取り戻す”とか言って、無理矢理キスされるリリアーヌ様を見ていたんだ…………僕と一緒に」
「一緒……に?」
「実は僕も東洋の文字が読めるんだ」
「え?………あっ…………限られた交易」
「モーガンはゼロに勝てないって落ち込んでいたけど、僕はリリアーヌ様争奪戦に参加する気満々だから。ラフレアがヒロインなんて嫌だけど、リリアーヌ様なら話は別だよ」
馬車の壁に追い詰められ、鼻にキスをされる。
「なぁ~んてね」
ジャスパーが距離を取った。
「無理矢理キスして、上がるか分からない好感度なんて気にしても、リリアーヌ様の気持ちが僕に向かないのは分かっているよ」
「ジャスパー………」
「でも諦めた訳じゃ無いから」
微妙な空気のまま、学校まで来ると、ラフレアが凄い勢いでモーガンに抱き着いた。
ホッとした顔が、私を見た瞬間に般若に変わった。
「リリアーヌ……アンタ何かしたの?!」
凄い剣幕で私に掴みかかりそうになり、ジャスパーが背中に庇ってくれ、モーガンがラフレアの腕を掴んで引き離した。
「なんで………なんでモーガン以外に触れないのよ!?」
「知るかよ!………って言うかオレだけかよ!!」
ラフレアがジャスパーに手を伸ばすと、バチンっと音を立てて弾かれた。
「やり捨てられて消える予定だったモブのくせに、ヒロインの私を差し置いて!オースティン先生なんか、近寄る事もできなかったじゃないの!!何したのよ!?」
「言い掛かりは止めなよ。リリアーヌ様が何かをしたんじゃないって気が付きなよ。中学生の時に中庭で男の公開SEXする様な女に、男が惹かれる訳無いだろ?何人の男に抱かれてるか分かんない女……………相手にするのなんて身体目当ての変態だけに決まってんじゃん」
ジャスパーが声を荒げて怒る姿は、初めて見ました。
「お前は………とっくに舞台から転げ落ちてるのに、まだ気が付いて無いのかよ。失せろ阿婆擦れ」
「酷い!……嫉妬してリリアーヌが私を虐める」
「馬鹿なの?リリアーヌ様は、一言も言葉を発してないのに。勝手にイチャモンをつけるなよ!」
ラフレアは私を睨み付けると、モーガンの腕に抱き着いた。
だから、なぜ私を睨む?
「私……怖いの…………リリアーヌが虐めるの。モーガンなら、助けてくれるでしょう?」
「はぁ?無理!」
「そんな事を言わないで?私を好きにしても良いのよ?」
「…………キモッ」
「冷たくしないで?モーガン」
「相変わらず言葉が通じねぇ女だな」
ラフレアの腕を振りほどき、ドンと音が聞こえるくらい、強く押し退けた。
「怖いのは、お前だ。嫌われてる事に気が付けよ」
騒ぎを聞き付けたオースティン様とランスロット様が事情を察してくれて、私達3人を教室に行くように助けてくれた。
「君の迷惑行為は目に余る。今日は帰宅し自宅謹慎しなさい」
ラフレアは学校から追い出される様に帰らされて行きました。
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