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弓弦と結婚しない場合も書いてみた

用務員編④

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「「………」」


リビングで甘い時間を過ごし、先に汗を流したくてお風呂に入ろうと鞄を開けて、私は固まってしまいました。


明日の着替えのワンピースに花柄のパジャマらしき物と洗顔セット………そして花菜が用意した下着が入っていました。


察しのいい人は、もう分かったかも知れません。


ブラは大丈夫そうだけど、ショーツの形がおかしい。

穴が3つでは無く、4つあります。


1番守らなければならない場所が隠せない構造のショーツをベッドの上に広げて固まっていた私を、中々来ないと心配しながら様子を見に来た将司さんが、その物体を見て固まってしまいました。


ここで選択は二択。


今履いているショーツを洗って次の日に履くのは決定です。


乾くまでの間、この破廉恥な何処で買ったか謎の下着を恥を忍んで履くか、履かずにやり過ごすか。


そこで、私はパジャマらしき物を広げて絶句した。


一見はルームワンピースなのに、色々な場所の布が足りません。


肩紐は両肩に細いレースが1本だけ、丈は短く胸の谷間の下から布が2つに割れている。


嫌な予感がしてブラを観察するように手に取ると、胸を覆い被す部分に割れ目が見えた。


「つっ………ツッコ所が分からない」


「あの、何か着る物を貸してください。Tシャツとかで良いので」


「あぁ」


将司さんの視線がアダルティなランジェリーセットに釘付けになっています。


「………気になりますか?」


「ぶはぁ!」


盛大に吹き出した顔が赤くなっていて可愛くて思えた。


「違う!想像した訳じゃない!」


これを着た私を想像していたそうです。


嬉しくて、腹立たしく内心は複雑でした。


「………今日だけですよ」


下着をかき集めて胸元に抱き締める。


「想像の私に嫉妬するとは思っていませんでした。目の前の私に反応して欲しいです」


想像なんかよりも、目の前の私に男性として、もっと反応して欲しいと思ってしまいました。


お風呂から出て、悪戦苦闘しながら何とか着れた下着は、割と大丈夫でした。


生地の割れ目も見え無く、ルームワンピースもそこまで大胆なもので無いように見えた。


ただし動かなければ。


鏡に映った私が少し動けばルームワンピースの裾が割れてお臍まで見えた拍子に、ショーツの股が割れたりして隠せない。


気になった前かがみになると、ほぼ胸の全貌が見えた。


「オースティンの時よりも、グレードがアップしてない?!何コレ!」


花菜の趣味が分からない。


使ったバスタオルを羽織って出て行った私を責めないで欲しいです。


そんな私を見た将司さんが、苦笑いしまいました。


「一瞬だけですよ」


「………無理はしなくていい」


「無理………じゃなくて。見たら責任を取ってください」


「責任?」


「もう、お嫁に行けない」


「………どこに嫁ぐつもりなんだ?」


「え?」


凄い勢いで立ち上がって、バスタオルを剥ぎ取り、抱き上げるように上向かれ唇を将司さんの唇が塞ぐ。


「責任ってなんだ?俺以外のヤツの嫁になるつもりだったのか?許さない」


初めて見る怒りを含んだ真剣な顔に、不謹慎にも胸の奥がザワザワして、お腹がキュンと掴まれた感じがした。


目の前の将司さんの視線だけで濡れた気がした。


「俺以外の選択肢など考えられないくらい愛してやる」


どうやら、将司さんの嫉妬や独占欲を刺激するスイッチを踏み抜いた様です。


デズモンド先生の時よりも少し男らしくなって将司さんの腕が私の背中を押し上げると、ルームワンピースの胸元がはだけてブラの薄い布が縦に割れて、肌とは違う色の頂きが見えた。


「美味しそうなピンク色だ」


右の布を手で限界まで広げるとパクリと口に含んで舌が転がす。


「くぅ………ふぅんっ………」


両手で自分の口を押さえても、隙間から少し甲高い声が盛れて、恥ずかしさが増していく。


強烈な刺激に腰が引けていまうけど、手がお尻を撫でながら引き寄せる。


ちゅぱっと音を立てて離された場所と、将司さんの口が糸を引いている。


「見守るだけなんて無理だ。デズモンドの時の様な選択は出来ない。百合が好きだ。触りたいしキスもしたいし………ドロドロに溶かして食べてしまいたい」


少し中性的な顔が、野性味を帯びて目をギラ付かせる姿に腰が砕けていまう。


力が抜けてしまった身体を強く抱き締められた。


「逃がしてやれない」


私は腕を彼の背中に回してピッタリくっ付く様に抱き締め返した。


「もっと触って下さい。将司さんで私を満たして」


「百合」


もう恥も外聞もありません。


まるで溺れ藻掻く様に、お互いが腕を伸ばし求め合い、そこが床でも気にならないくらい絡み合う。


花菜の思惑にハマっている気がするけど、気がつかないふりをする。


ずっと求めていた人の腕の中で、満たられる幸せに酔いしれていました。


********************


「仮に百合が処女でなかったても一晩中、床で抱き合えば腰も立たなくなるよな」


完全に抱き潰されてベッドに寝ていてもヘロヘロだけど、腰は重くて起きれないけど、幸せに満ちた気だるさを感じていました。


「まだ………お腹がジンジンします」


「痛くはないのか」


「はい」


「そうか」


ホッとした顔で額にキスをする将司さんの甘い空気に、胸がキュンキュンします。


「そんなに物欲しそうな顔をするな。寮に帰してやれなくなる」


「帰らなきゃダメですか?」


「………………可愛く言ってもダメだ」


「なら花菜が用意した下着が乾くまで可愛がって下さい」


グチャグチャになった下着は手洗い後、部屋の中に干してあります。


薄いので、直ぐに乾くかも知れません。


「添い寝だけだぞ」


「はい」


夕方までピッタリくっ付いて、キスをしたりしながら、ベッドに寝っ転がって過ごした。


寮に着いたのは門限ギリギリで、部屋ではニヤニヤした花菜達が待ち構えていました。


でも擦り剥いた膝にフリーズした花菜に、厚底サンダルの脅威を話したら、複雑そうな顔をしていました。


「ギャル以外の変装を考えねば。百合の体に傷が付くのは許せない」


花菜達の協力もあり、順調に愛を育んだ2人が、同棲を経て7年後に結婚して可愛い女の子をもうけるのですが、彼女が異世界に召喚されて獣人の番になるのは、また別の話。
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