黒虎の番

月夜の庭

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久しぶりの休息

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ラファエルの嫉妬が心地よく感じる自分に戸惑いつつ、今日はアンちゃんとパパンが冒険者ギルドに向かったのを2人で見送った。


『勇者パーティに加わった筈のパパンが、アンちゃんが好き過ぎて一緒に居ないから、良い機会だし仕事させようね』


一緒にお留守番をする事にしたラファエルに話しかける。


「そうですね。私達は働きっぱなしでしたから、お休みしましょう」


少し落ち着いたのか、ニコニコ微笑みながら休息を提案されている。


『そうだね。アンちゃんとパパンに気を使いすぎて、のんびり休んで無いもんね』


「はい。休息も大事です」


のんびり居間のソファで、ラファエルの膝枕状態で寛いでいました。


暖かい日差しが降り注ぎ、ポカポカとして心地が良い。


「ビアンカ様は、また少し大きくなられましたね」


『………可愛くない?』


小虎は間違いなく愛玩対象だけど、あまり大きな力なると個人の好みが別れる筈です。


アンちゃんから貰ったリボンが、結べるけど少し短く感じていました。


「いいえ。とても可愛らしく………美しいです。安心して早く大きくなって下さい。早く大人の貴女を愛したい」


何か口の中でモゴモゴ喋った気がします。


『最後の方が聞こえなかったんだけど』


「なんでもございません。さぁ少し お昼寝でもしましょう」


『異議なし』


「ははははっのんびりしましょう」



ラファエルは何も言わなくても、気持ちいい場所をピンポイントで優しく撫でてくれるから好きです。


虎をダメにするイケメンです。


ふにゃふにゃに、されてしまう。


『ラファエルに撫でられるの好き』


「………もう一度」


『ん?』


なんかポツリと言ったけど、声が小さくて聞こえなかった。


『至福って言ったの。ラファエルに撫でられるの好き』


なんか手が震えてる?


あたしを撫でる手が止まっていました。


閉じていた目を開けようとしたら、ラファエルの手で塞がれる。


『ラファエル?見えない』


「ちょっとだけ、待ってください」


『なんで?』


「………………とても………だらしない顔をしているので」


とてもの後が聞き取れないじゃん!


『夕方になったら、外にご飯を食べに行こうね』


「ビアンカ様は召し上がらないのに」


『あたしはいいの』


あたしは食事をしないから、味見もしないし、料理も出来ません。


『ラファエルも、良いお嫁さんが見つかるといいね』


パパンとアンちゃんのラブラブっぷりは、見ていて羨ましいです。


「聞きたくありません」


『ほぇ?だってラファエルのお嫁さんは人間「それ以上は聞きたくありません!」』


今までで一番大きな声で、怒鳴られ拒否される。


『ラファエル「ビアンカ様の口から、他の女の話を聞きたない!!」』


もしかして、ラファエルは女嫌い?


イケメンだし、優しいから女性にはモテそうだから、結構苦労しているのかな?


でも男の人が好きな気配もしない。


『もうしないから、目を押さえてる手を退けて欲しいんだけど』


「少しだけ待ってください」


『うっ……おぅ』


先程とは打って変わって、悲しそうな声が返ってきた。


もしかして”女性問題”はラファエルの地雷なのかな?


気をつけよう。


などと考えていたら、ラファエルの表情をみる余裕もなく揉みくちゃにされ、息も絶え絶えでグッたりしていました。


ラファエルって、凄い。


尻尾や羽根を触らなくても、ふにゃふにゃのメロメロにされていまう。


ラファエルに”嫁をもらえ”もしくは”彼女を作れ”とは二度と言わないと心に誓っていました。
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