Rule of TRUMP

youki

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変人と忍ばないくノ一

よく山札を混ぜな!

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 皆はババ抜きというトランプの遊びをしたことがあるだろうか?といっても、ほとんどの人はやったことがあるだろう。簡単にルールを説明すると、順番に相手から一枚手札をとっていき同じ数のペアが出来たらそれを捨てる。そして、ババもといJOKERが残ったら、負けというものだ。大体人数は4~5人ほどが好ましい。ただの運だけでなく、相手の観察する力なども問われるゲームだ。

 トランプは世界中に広まっており、まさしくお手軽にできる娯楽や賭け事の手段としても強く根付いている。

 つまり何が言いたいかというと、

「またJOKERかよぉぉぉぉ!」

昼休みの教室に俺の声が響く。弁当を食べているクラスメイトたちはいつものことと、平然としている。

「相変わらず、影本はババ抜きが弱いな。」
「もはやここまでくると才能の一種だよね。」
「流石、自称ジョーカーに愛されている男、影本優樹さん!」
「全然嬉しくねぇ!」

上から順に 上條、浅川、真野、俺だ。3人とはクラスメイトで、よくつるんでいる仲間だ。真野は幼稚園、他の2人は高校からの仲だ。

「あーもうやめやめ。ババ抜きなんてクソゲーだ。」

興も削がれたので、持参のトランプをせっせと片付ける。

「大富豪だったら無敵なのにな、優樹さん。」
「まあな。最強カードが手札に必ず来たら、絶対勝てるからな。」

トランプを全てケースにいれてバッグの中に入れる。

「そういえば、最近ここら辺に変な人が出るって噂あるよね。」
「影本だろ。」

そう言って上條は俺の方を見てくる。

「んなわけあるか!ってかそもそも何で俺毎回変な人って言われているの!気になるんだけど!」
「今朝学校にスケボーで来てやつがどの口で言っている。」
「昨日の夜に通販から届いたから、早速乗り回したくて…。」

17500円もしたのだ。バイトをしていない自分にとってはかなりの出費だった。

「そして、先生の頭にダイビングアタックし、そのまま説教もといスケボーを没収とな。」

こめかみがピクピクしながら、上條は俺に言ってくる。
「まったく何がいけなかったんだろうか。」
「スケボーで学校に来たことから間違えてるよね…。」

浅川がそう呟いた。
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