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変人と忍ばないくノ一
切り札に愛された男
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「授業始めるぞー。さっさと席につけ。」
教室の扉をだるそうに開けて入ってきたのは、日本史の男性教員、白鳥だ。25歳と若いことから女子に人気があるが、本人はいつもだるそうにしている。
合わせていた席をもとに戻して、自分の席につく。
「じゃあ今日は第二次世界大戦からいくぞー。」
覇気など微塵もない声なので、昼飯で腹がふくれていることもあり、眠気を誘う。だが、それに負けないように目を掻いて、バッグから教科書を取り出す。
「さてと…ん?」
教科書を開こうとすると、自然とあるページが開かれた。そのページは今日やるところなのだが、何か紙が一枚挟まっていた。
「(というより、トランプか?)」
さっき全部きれいにしまったはずなのにと思いつつ、カードを手に取り裏返す。
そのカードはJokerだった。しかし、自分の持っているトランプとは明らかにデザインが違った。自分の持っているのは、よく市販されているプラスチックで白くツヤツヤのカードなのだが、これは白というよりも黄色くくすんだ色をしている。
Jokerの絵も、道化師が描かれているものでなく、何かゾンビのようなものが雷雲に向けて手を伸ばしているデザインであり、なにかと不気味である。
そして、俺はそのカードを
「きめぇ。」
といい、ポケットにしまった。
教室の扉をだるそうに開けて入ってきたのは、日本史の男性教員、白鳥だ。25歳と若いことから女子に人気があるが、本人はいつもだるそうにしている。
合わせていた席をもとに戻して、自分の席につく。
「じゃあ今日は第二次世界大戦からいくぞー。」
覇気など微塵もない声なので、昼飯で腹がふくれていることもあり、眠気を誘う。だが、それに負けないように目を掻いて、バッグから教科書を取り出す。
「さてと…ん?」
教科書を開こうとすると、自然とあるページが開かれた。そのページは今日やるところなのだが、何か紙が一枚挟まっていた。
「(というより、トランプか?)」
さっき全部きれいにしまったはずなのにと思いつつ、カードを手に取り裏返す。
そのカードはJokerだった。しかし、自分の持っているトランプとは明らかにデザインが違った。自分の持っているのは、よく市販されているプラスチックで白くツヤツヤのカードなのだが、これは白というよりも黄色くくすんだ色をしている。
Jokerの絵も、道化師が描かれているものでなく、何かゾンビのようなものが雷雲に向けて手を伸ばしているデザインであり、なにかと不気味である。
そして、俺はそのカードを
「きめぇ。」
といい、ポケットにしまった。
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