Rule of TRUMP

変人と忍ばないくノ一

Heyボーイ！聞いてくれよ、俺倒れちゃったHAHAHA！

息を吸うようにまばたきをした瞬間、次の司会に入ってきたのは、無機質な白い壁……もとい天井だった。

「あれ？俺……。」

いまさっきまで、日本史を受けていたはずなのに。

「おい、大丈夫か！影本！」

声のする方に体を向けると、そこには浅川と上條、真野が心配そうにこっちを見つめていた。

「こういうのって普通女の子が心配してきてくれるんじゃ……」

その瞬間、上條のチョップが俺の顔面をとらえた。

「全然大丈夫そうだな。」
「じゅびばじぇん(すみません)。」

浅川と真野はははは と笑っていた。というより、

「何で俺、保健室で横になっているの？」

少しダルい体を起こし、訪ねる。

「覚えていないの？影本くんが授業中にトイレに行ってくるって言って、そのままずっと帰ってこないから、僕らで休み時間に探しにいったら、トイレで倒れていたんだよ。」

なにそれ全然覚えていない。

「まったく覚えてないわ。怖っ。」 
「まあ元気そうだし、大丈夫だと思うよ。軽い貧血かな。」

時計を見ると下校時刻の5時を既に回っていた。それから俺たちは、荷物を整えていつもみたいにバカ笑いをしながら、楽しく帰った。







しかし、これは物語の序章ですらない。これから起こる出来事は、影本優樹の運命を大きく狂わせる。世界と歴史、そして人類の行き着く先を決める大きな闘いが始まる。