秘めごとは突然に ~地味な同僚くん、実はヤクザでした~

橘ふみの

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相変わらず

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 ── あれから数ヶ月後

 プロジェクトのほうも無事に成功して、大石さんに会うこともなければ颯真に会うこともなくなった。

「篠宮さん」
「ん?」
「明日休みだし一緒にお風呂入ろうか」
「だめ」

 ルンルンで抱きついてきた瀧川くんをひっぺがして脱衣所へ向かう私。拒否られて露骨にシュンッと落ち込む瀧川くんはノソノソと私の後ろについてきた。

「なんでダメなの? いいじゃん。ねえ、一緒に入ろっ」
「だって瀧川くんえっちなことばっかするんだもん。だからダメ」
「篠宮さんっ」

 脱衣所のドアをバンッと閉めて瀧川くんが入ってこれないよう鍵を閉めた。こうすれば無理やり入ってくることはない……はず。

「ふぅ~、きもちい~」

 ザァーッとシャワーのお湯が頭のてっぺんから爪先まで流れ、1日の疲れも洗い流してくれる。

 相変わらず瀧川くんの愛は重いし、ちょっと異常だし、致死量なんじゃないかってくらい愛を注がれて、嬉しい反面大変でもある。

 なにがって……瀧川くんは本当に絶倫すぎてやばい。私の身が本気まじで持たない。

 だからとにかく瀧川くんと一緒にお風呂へ入るのは危険すぎるの。それにお風呂って色々と響くし明るくて恥ずかしいし、いつもこれでもかってくらい愛をぶつけられて、のぼせちゃうっていうパターンがほとんどだし……。

 なんて考えていたらガラガラッと浴室のドアが開く音がして振り向くと、ニヤニヤしながら入ってきた瀧川くんとしっかり目が合った。

「いやぁ、篠宮さんがのぼせて倒れてないか心配でっ……ぶはっ!?」

 私は真顔で迷うことなく瀧川くんの顔にシャワーのお湯を浴びせた。

「のぼせるのは瀧川くんのせいでしょうが」
「ええ? そうかな~? ていうか篠宮さん、まだ恥ずかしいの?」
「恥ずかしいに決まってるでしょ!?」
「いつも見られてるのにまだ慣れない? ハハッ、可愛くてしんど。ほら、そういう可愛い反応するから止めらんなくなっちゃうんだよ? いいかげん学習しなきゃ、ね? 篠宮さん」
「そ、そんなの知らないっ!」
「はあー。可愛いなぁ、天使かな? こんな可愛い彼女がいるなんて幸せすぎて死にそうだよ」

 なーんて言いながら抱きついてきて、しれっと私の胸を揉んでくる瀧川くん。その手をギュイッとつねると嬉しそうに微笑みながら唇を奪ってきた、全てを喰らい尽くすように──。

「ひゃあっ!?」
「俺が隅々まで洗ってあげるよ」
「ちょっ!?」

 結局、あんなことやこんなことをされちゃう流れに。

 瀧川くんは背中の刺青をいまだに見せてくれない。セックスする時は必ず上を着たままだし、お風呂に入る時は絶っ対に背を向けない。それを見る隙すらも与えてくれないし、『へえ、俺の裸をそんなにも見たいだなんて篠宮さんってエッチだね。積極的なのは俺としても凄く嬉しいよ。ほら、いっぱいシしてあげるね』って、結局はえっちな方向に持っていかれて見れず仕舞い。

 私、刺青とか全く偏見ないし、怖いだなんて思わないのにな。

「考え事なんて随分と余裕そうだね、篠宮さん」
「そ、そんなことないっ……んんっ!」

 耳や首筋に舌を這わせながら甘噛みをしてくる瀧川くんにぞくぞくして、体が過剰に反応しちゃう。

「いやらしいなぁ、篠宮さん。感度良すぎ」
「んっ、やだ……そんなこと言わないでっ」
「ごめん、可愛すぎ」
「え? ちょっ……ひゃあっ!」

 しばらく瀧川くんに愛されまくって、くたくたになってしまった。脚に力が入らなくなってガクッと崩れそうになった私をしっかり支えてくれる瀧川くん。

「ハハッ、気持ちよすぎて立てなくなっちゃった?」
「はぁっはぁっ、もうっ……瀧川くんのバカ!」
「ククッ……たまんないねそれ、ほんっと可愛い。愛してるよ、篠宮さん。これからもずっと、致死量の愛を君に注ぐよ」

 耳元でそう囁く瀧川くんに、残り僅かな力を振り絞って私を支えてくれている腕をグイッとつねくった。

「ハハッ、痛いなぁ~」

 嬉しそうな声で全く痛くないくせに『痛いなぁ~』なんて言ってる瀧川くんは本当にイジワル。 

「瀧川くんのイジワル、最低」
「ええ? 最高の間違えでしょ? 本当に可愛いなぁ、君は」
「調子に乗らないの!」
「ハハッ、ごめんごめん。俺が綺麗に流してあげるからその後ゆっくり湯船に浸かろうか」
「いっ、嫌! 自分でやる!」
「遠慮しないでよ。ほらほら、いやらしいお股開いて?」
「ちょっ……!?」

 ガバッと強制的に広げさせられた脚。

「……っ! もう本っっ当に変態!」
「ククッ、そんなに褒めないでよ篠宮さん」

 ねえ、1ミリも褒めてないんですけどー!? 瀧川くんのばかぁぁ!! もう変態って言い振りましてやるんだからー!! って、誰に言い振りまわすんだって話だけど。
 
 そもそも会社で私と瀧川くんが付き合ってることを知ってる人はいないし、まあ……若干蛯原ちゃんと鎌倉くんには怪しまれてるけど、なんか恥ずかしくて付き合ってること言えないんだよね。瀧川くんは『さっさと言ったらいいのに、俺と付き合ってることそんなに隠したいの? 酷いなぁ、悲しいなぁ~』とか言ってすごく煽ってくる。

「ほんっと考え事が好きだなぁ、篠宮さんは。俺に集中できないなんて悪い子だね」
「ちがっ」
「ねえ、君の全身で俺だけを感じて? なにも考えられなくなるくらい俺に溺れて、愛されてよ」

 瀧川くんはあくまで私の体を綺麗に洗い流す行為をしているだけであって、これで感じちゃうのは恥ずかしすぎてムリ。敏感になってる私の体はガタガタ震えて、必死に声を押し殺すのがやっと。

「……っ」
「ねえ、篠宮さん。それは反則だよ、可愛すぎだって。そんなに俺を煽ってどうしたいの? 困った子だなぁ。俺が欲しい? 君が欲しいって言うなら君の気が済むまで気持ちよくしてあげるよ? ねえ……ほら、俺を求めて? たくさん愛してあげるから、もっと……もっと俺を欲してよ。これでもかってくらい俺で君を満たしたい」

 そんなことを耳元で囁いて、耳や首筋を舐めたり甘噛みしてくるんだもん。こんなの反則じゃん……瀧川くんのバカ。

「ねえ、どうする? 俺にどうしてほしい?」
「シて……っ、瀧川くん……っ」
「もっとちゃんとおねだりしなきゃ。ほら、言って?」
「いじわるっ……!」
「ククッ。ほんっと可愛くてメチャクチャにしたくなっちゃうなぁ、君のこと」

 ──たくさん抱かれた私は、瀧川くんの絶倫によって気絶した。
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