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中央王国の章
第十五話 新章の始まり!! ツルギの異変!!
しおりを挟む前回……各地方の勇者を集めたツルギ、彼らは世界の闇を探るためにパーティを結成する。
しかし、高ランクダンジョンに行くためには冒険者協会の依頼をこなし、ランクを上げなければならない。
そうと知ったツルギ達は中央王国へ向かうのだった……!
「そういえばツルギ……お前今回は剣を売れなかったな」
「まぁ、東地方が無人地帯になったからな……売れないのは当然さ」
「村の方は大丈夫なの?」
「ああ、俺の送った8万ギガでしばらくは持つらしい」
「ずいぶん稼いだわねぇ……あとちょっとで国家予算レベルよ?」
「ツルギ様の村って南地方でしたよね? 南の勇者はいないんですか?」
「うーん……南地方は勇者なんていなかったはずだけど……」
「あんた南出身なのに知らないの?」
「実は南地方はわからないことが多すぎて調査団すら入れない状態なんだ」
スフィンがそう言うとサラとツバサは驚いた顔をする。
そう、南地方だけは古文書がなく遺跡も見つかっていないため謎なことが多く中央王国の地理学科や考古学者、さらにはトレジャーハンターにも注目されている。
しかし南地方はSランクを超えるような魔物がそこら辺にウロチョロしており探索は難航していた。
「まぁ、俺たちにとって魔物は生活に不可欠なパートナーだけどな」
「えっ!?手懐けてるってこと!?」
「そこら辺は文化の違いじゃないか?」
「でもあそこって普通の道を歩いていてもXランクの魔物に遭遇すると聞いたことがあります……!」
「あー、そういうのに出会ったら拳で捩じ伏せてたな」
「こ、拳で!?」
「姉さんもそうだったな~懐かしいぜ」
「あんたお姉ちゃんいたの!?」
「ああ、今は中央王国に住んでて四つ子の母だって聞いたな」
「へぇー! お子さんいるんですね!!」
「会ったことないけどな……姉さんの子供」
「これから中央に行くんだから会ってきたらどうだ?」
「そうだな」
俺たちは馬車に揺られてそんな会話をしていた。
気づいたらあっという間に四地方を巡ってしまった……早いもんだ。
だいたい10万ギガ以上稼げたしこれで村はしばらく安泰な気がする。
「すいませーん中央までどれくらいですかーっ!」
「だいたい5時間だベーっ」
「5時間か……寝てもいいかもな」
「私疲れた……おやすみ」
「俺も……」
「私もですぅ……」
「んじゃ、みんなおやすみ」
ーーーーーーー
その日の夜……俺は寝ずにそのまま夜空を眺めていた。
俺は寝顔のみんなを見つめる……みんなはいいなぁ……戦うことができて……いやいや何考えてるんだ?俺……
俺の心には初めての感情があった。
自分より優れてる他人を見ていると、何かこう……心がむずむずする……
するとどこからともなく声が聞こえた……
『そこの人間……力が欲しくないか?』
「誰だ!?」
『力があればお前の名誉が手に入るぞ……!』
名誉……俺の……?
「…………」
『さぁ……我の剣を作れ……』
俺は一瞬……名誉という言葉に飲み込まれそうになる。
「ツルギ君……」
「あっ!?えっ!?ユキ!?」
するとサラはいつのまにかユキになっていて僕に抱きついていた。
「……ん」
そのまま彼女は俺の膝を枕にして寝てしまう
「……ツルギ君……好き……」
彼女の寝言が俺を悪魔の囁きから遠ざける……それでも俺の心の闇は消えなかった……なんでユキは俺のことを好きでいてくれるんだ?こんな俺みたいな役立たずを
それでも彼女の寝顔は可愛らしく月の光に照らされてとても愛おしかった。
「俺も好きだよ……ユキ」
ついそんな言葉をこぼしてしまう……まぁ寝てるから多分聞こえてないけど
みんな大切な仲間だ……嫉妬なんてするもんか……!
『ふん……あの女め……!』
すると魂だけの存在はどこかへ消えてしまった。
目を覚ますと俺たちは中央王国に着いていた。
「”ゆうべはおたのしみだった”な!あんちゃん!!」
「げっ……!」
「ガッハッハっ!!幸せになれよーー!」
もしかしてあのイチャイチャがバレていたのだろうか……まぁいいや……
「わぁっ!! 賑やかですーっ!!」
ツバサは見るもの触るもの全てが初めてでとても楽しそうだった……
スフィンはそっと微笑み、サラはやれやれと首を振る。
俺達はそのまま城下町をいろいろまわった。
お菓子屋さんだったり服屋だったりうまいレストランだったり……あっという間に時間が過ぎていった……
いいな……あんな楽しそうで……
俺は中央王国でギルドにこきあつかわれた記憶を思い出す……
あの時は仲間だと思っていたのに…………仲間なんて…………こいつら……!
俺は一瞬だがスフィン達に怒りを覚えた……
(いやいや! 何を考えてるんだ!? みんなはあいつらとは違う!)
でも……もし、また切り捨てられたら? 散々剣を作らせて不要になったらまたポイされるのか?
今度は恐怖という感情が襲ってきた……俺は頭が痛くなる
すると……俺の後ろにはさっきいた魂だけの存在がいた……!
『もういいだろう……ツルギ……』
『貴様は素晴らしい働きをした……! なのに愚かな人間どもは自分をもっと上の領域へ上げるために自分より弱い人間を蹴落とそうとする……!』
「ち、違うっ!!あいつらはそんなことしない!!」
『なぜ……貴様が勇者のために犠牲にならなければならない……?』
「………!!」
俺は頭が痛くなり抱えてしまう。 意識も朦朧としてきた……
『あの女も貴様を捨てるかもしれんぞ?』
『所詮は幼い頃の約束……! もっと素敵な人間がきっといるはずだ……!』
「やめろ……!」
『貴様を思い通りに操るために色仕掛けをしているのだ……! 目を覚ませツルギ』
「やめろおおおおおおっ!!」
すると魂だけの存在が俺に突っ込んできて俺の体に吸収された!!
その瞬間激しい憎しみと怒りと苦しみが自分を襲った……!
「ぐうううううっ……!!う゛あああああああっ!!」
俺はお頭がおかしくなったかのように挙動不審になってしまう
「ツルギ君!?」
僕の異変をいち早く察知してくれたユキがサラの人格を押し除けこっちに向かってくる……!
「ツルギさん!! ツルギさん!!」
「あがあああっ!! グアアああっ!!」
「しっかりして!! 何があったんですか!?」
「大丈夫ですか!!」
中央王国の医者がやってくる……
「お医者さん!! ツルギさんが!!」
「いま病院へ運びます!!」
「担架だーーーーっ!! 早くしろーーーーっ!!」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「……………」
俺に吸収されたあの存在は……一体……!?
次回…… 悪化するツルギ……サラの思い
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