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「ちゃんちゃら」番外編9話
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「ちゃんちゃら」番外編9話
「ところで、二人はなんで一緒にいるんすか?」
空島の問いに流川と大知は顔を見合わせ、カードの束を見せてくる。
「流川のお兄ちゃんとカードゲームしてた。」
「今日も僕の圧勝でしたね。」
「もう少し手加減してくれてもいいのにー」
「こういうのは正々堂々なのがいいんですよ。」
どうやら楽しく一緒に遊んでいるようだ。聞けば、クリスマス騒動以来、二人はよく一緒に遊ぶようになったという。
「いつもどっちから誘うんだい?」
鳥舟の質問にまるで先生に答えるかのように大知は元気良く挙手した。
「僕がいつも誘ってる!」
「そうなんだ。流川くんと遊ぶの好きなんだ。」
「うん!」
「困りますなぁ」と流川は隣で唸る。「金城家の坊ちゃんと会ってるとは、周りにあまり知られたくないのです。」とブツブツ悪態をついている流川に大知は澄ました顔で「会いたい人と会ってなにが悪いの?」と言っていた。
大知の大胆な発言に空島も鳥舟も呆気に取られた。流川は動揺しながらも大知の発言は受け流した。無かったことにするかのように流川は咄嗟に思いついたのか、鳥舟に話題を振る。
「その眼鏡良いですね。」
鳥舟が自分の眼鏡を触る。
「これ?安物だよ。」
「度数入ってるんですか?」
鳥舟が頷くと、流川は羨ましそうに鳥舟の顔を凝視してくる。
「いいなぁ。僕も黒縁にしてみましょうかね。」
「コンタクトでもいいんじゃない?」
いきなり横から大知が混ざってくる。流川は「えー」と嫌そうな声を出す。
「お手入れが面倒です。」
「でも、冬は眼鏡が曇って大変って言ってたじゃない。」
流川は「そんなこと言われましても」と腕組みをして唸る。しかし、大知は食い下がる。
「僕は流川の顔、ちゃんと見たいなぁ。」
流川の顔を覗き込むながら大知は足をブラブラさせる。流川はそんな大知を手で優しく押し除けた。
「こ、これだから最近の子どもは!最近の子どもは!!」と流川は地団駄を踏んでいた。公園に植えられている桜の花びらが話を聞きに来たかのように、こちらへ風が運んでいた。
二人に手を振りながら空島たちは散歩の続きを始める。
「あの子、αだよね。」
「あ、鳥舟さんもそう思います?」
空島は公園に植えられた桜を公園の外側から改めて眺める。
「まだ第二性検査してないでしょうけど、そんな感じっすよね。」
「流川くんはΩだよね?」
「そうっす。」
鳥舟は楽しそうに笑った。
「あれは、大知くんが大人になったら流川くん逃げられないだろうね。すごいαになりそうだから。」
鳥舟は公園でまだカードゲームをしている二人のαとΩを眺めて言った。
「君といると面白いことが起きるねぇ」
体は大人なのに表情はまるで子どもみたいにウキウキしている鳥舟を見て、空島は彼に愛らしさを感じていた。しかし、すぐに自分が彼のことをそう思ったのはαという存在に惹かれてるからだ、と考え直した。
「空島くんは僕のことはαだって気づかなくて、大知くんって子どものαは見抜けるんだなぁ。やっぱり、僕のフェロモンが薄いのかもね。」と鳥舟は独り言のように呟いている。まるで、新しい物語のネタをピースで繋ごうとしてるかのようだ。
その言葉に空島は頭を捻る。確かに、大知はαだと思う。しかし、子ども相手に警戒心は湧かなかった。流川は大人だし、自分がΩだということには気をつけている為、自分の二の舞にはならなそうだが、それでも万が一のことはある。それでも、不思議とあの二人に対しては危機感を感じられなかった。
まあ、鳥舟の言う通り大知が流川を狙っているのは一目瞭然だが。
それなのに、どうして自分はこんなに鳥舟というαの男をαとして見ると心がざわついてくるのだろう。
空島は引き続き、鳥舟の隣を歩きながら次の目的地へ向かった。
「ところで、二人はなんで一緒にいるんすか?」
空島の問いに流川と大知は顔を見合わせ、カードの束を見せてくる。
「流川のお兄ちゃんとカードゲームしてた。」
「今日も僕の圧勝でしたね。」
「もう少し手加減してくれてもいいのにー」
「こういうのは正々堂々なのがいいんですよ。」
どうやら楽しく一緒に遊んでいるようだ。聞けば、クリスマス騒動以来、二人はよく一緒に遊ぶようになったという。
「いつもどっちから誘うんだい?」
鳥舟の質問にまるで先生に答えるかのように大知は元気良く挙手した。
「僕がいつも誘ってる!」
「そうなんだ。流川くんと遊ぶの好きなんだ。」
「うん!」
「困りますなぁ」と流川は隣で唸る。「金城家の坊ちゃんと会ってるとは、周りにあまり知られたくないのです。」とブツブツ悪態をついている流川に大知は澄ました顔で「会いたい人と会ってなにが悪いの?」と言っていた。
大知の大胆な発言に空島も鳥舟も呆気に取られた。流川は動揺しながらも大知の発言は受け流した。無かったことにするかのように流川は咄嗟に思いついたのか、鳥舟に話題を振る。
「その眼鏡良いですね。」
鳥舟が自分の眼鏡を触る。
「これ?安物だよ。」
「度数入ってるんですか?」
鳥舟が頷くと、流川は羨ましそうに鳥舟の顔を凝視してくる。
「いいなぁ。僕も黒縁にしてみましょうかね。」
「コンタクトでもいいんじゃない?」
いきなり横から大知が混ざってくる。流川は「えー」と嫌そうな声を出す。
「お手入れが面倒です。」
「でも、冬は眼鏡が曇って大変って言ってたじゃない。」
流川は「そんなこと言われましても」と腕組みをして唸る。しかし、大知は食い下がる。
「僕は流川の顔、ちゃんと見たいなぁ。」
流川の顔を覗き込むながら大知は足をブラブラさせる。流川はそんな大知を手で優しく押し除けた。
「こ、これだから最近の子どもは!最近の子どもは!!」と流川は地団駄を踏んでいた。公園に植えられている桜の花びらが話を聞きに来たかのように、こちらへ風が運んでいた。
二人に手を振りながら空島たちは散歩の続きを始める。
「あの子、αだよね。」
「あ、鳥舟さんもそう思います?」
空島は公園に植えられた桜を公園の外側から改めて眺める。
「まだ第二性検査してないでしょうけど、そんな感じっすよね。」
「流川くんはΩだよね?」
「そうっす。」
鳥舟は楽しそうに笑った。
「あれは、大知くんが大人になったら流川くん逃げられないだろうね。すごいαになりそうだから。」
鳥舟は公園でまだカードゲームをしている二人のαとΩを眺めて言った。
「君といると面白いことが起きるねぇ」
体は大人なのに表情はまるで子どもみたいにウキウキしている鳥舟を見て、空島は彼に愛らしさを感じていた。しかし、すぐに自分が彼のことをそう思ったのはαという存在に惹かれてるからだ、と考え直した。
「空島くんは僕のことはαだって気づかなくて、大知くんって子どものαは見抜けるんだなぁ。やっぱり、僕のフェロモンが薄いのかもね。」と鳥舟は独り言のように呟いている。まるで、新しい物語のネタをピースで繋ごうとしてるかのようだ。
その言葉に空島は頭を捻る。確かに、大知はαだと思う。しかし、子ども相手に警戒心は湧かなかった。流川は大人だし、自分がΩだということには気をつけている為、自分の二の舞にはならなそうだが、それでも万が一のことはある。それでも、不思議とあの二人に対しては危機感を感じられなかった。
まあ、鳥舟の言う通り大知が流川を狙っているのは一目瞭然だが。
それなのに、どうして自分はこんなに鳥舟というαの男をαとして見ると心がざわついてくるのだろう。
空島は引き続き、鳥舟の隣を歩きながら次の目的地へ向かった。
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