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初恋
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「ま、まって、テオール!!」
「まーたーない!!ほら、行くよ!!マギー!!」
王城の端にある秘密基地のような奥まった庭園。高位貴族の子供たちは我儘王子のせいで常に、王子の遊び相手として登城させられていた。そしてそこでは、いつも2人の子供がひっそりと逢瀬を楽しんでいた。
鮮やかなマーガレットのようなオレンジ色のふわふわした髪に、空色の柔らかな瞳の少女と、漆黒の癖っ毛に、海のような青さの瞳を持つ少年だ。
2人はまだ4歳で、物事の分別がつく年齢ではない。
けれど、とても愛し合っていた。
2人は早すぎる初恋を迎えていたのだ。
「マギーね、おとなになったら、テオールのだんなさまになるの!!」
「じゃあマギーは、ぼくのおよめさんだね!!約束だよ!!」
「うん!!」
子供騙しの指切り、けれど、2人にとってはとても大切でかけがえのない約束だった。
▫︎◇▫︎
ぽろりと涙を流し目覚めた、20歳になった少女、マギーこと、マーガレット・ラグナートはゴシゴシと目を擦った。
「………テオール」
子供騙しの婚約を胸に、嫁き遅れとなってなお婚約者を作っていないマーガレットは、オレンジ色の髪を櫛で梳かして前髪を瞳を隠すように前に持ってきた。暗い色彩のドレスを身につけて、少しだけ背筋を曲げておけば、本来はとても美しいマーガレットのことを誰も気にしない。
マーガレットはそれをいいことに、ボソボソと食堂へと向かうために廊下を歩く。
毎日見る彼の夢に勇気をもらいながら、敵しかいない屋敷の中を歩くマーガレットには、昔のような明るさは全くなかった。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
読んでいただきありがとうございます(*´꒳`*)
最後まで楽しんでいってください!!
不定期更新です。
「まーたーない!!ほら、行くよ!!マギー!!」
王城の端にある秘密基地のような奥まった庭園。高位貴族の子供たちは我儘王子のせいで常に、王子の遊び相手として登城させられていた。そしてそこでは、いつも2人の子供がひっそりと逢瀬を楽しんでいた。
鮮やかなマーガレットのようなオレンジ色のふわふわした髪に、空色の柔らかな瞳の少女と、漆黒の癖っ毛に、海のような青さの瞳を持つ少年だ。
2人はまだ4歳で、物事の分別がつく年齢ではない。
けれど、とても愛し合っていた。
2人は早すぎる初恋を迎えていたのだ。
「マギーね、おとなになったら、テオールのだんなさまになるの!!」
「じゃあマギーは、ぼくのおよめさんだね!!約束だよ!!」
「うん!!」
子供騙しの指切り、けれど、2人にとってはとても大切でかけがえのない約束だった。
▫︎◇▫︎
ぽろりと涙を流し目覚めた、20歳になった少女、マギーこと、マーガレット・ラグナートはゴシゴシと目を擦った。
「………テオール」
子供騙しの婚約を胸に、嫁き遅れとなってなお婚約者を作っていないマーガレットは、オレンジ色の髪を櫛で梳かして前髪を瞳を隠すように前に持ってきた。暗い色彩のドレスを身につけて、少しだけ背筋を曲げておけば、本来はとても美しいマーガレットのことを誰も気にしない。
マーガレットはそれをいいことに、ボソボソと食堂へと向かうために廊下を歩く。
毎日見る彼の夢に勇気をもらいながら、敵しかいない屋敷の中を歩くマーガレットには、昔のような明るさは全くなかった。
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