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8章(エピローグ)物語は続いていく
138.私は普通の女子高生!!
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「龍くん、おはよう。もう学校に行くの?」
「星歌、おはよう。ああ朝会の他にやり残したこともあるからな。んじゃ行ってくる。また後でな」
「いってらっしゃい」
用意を終え下に降りると、こちらもスーツ姿の龍くんと鉢合う。まだ7時前なのにもう出勤モード。軽く会話してすぐ出掛ける。
そう言えばあの時パパは、龍くんを無理矢理呼び出してた。つまりやりかけの仕事が残っているから、こうして早朝出勤。私達のせいなのに、何も言わない。
いつもながら一生龍くんには、頭が上がらないね。
「星歌、おはよう」
「おはようパパ」
リビングには、いつも通りの出社用のパパがいた。お母さんは料理を持ってきてくれ、そして席に座る。挨拶を交わし私も自分の席を座った。
今日の朝食は、レーズンと木の実のカンパーニュ。スクランブルエッグにウインナーとサラダ。そしてジャガイモのスープ。
どれも美味しそう。
『いただきます』
いつも通り手を合わせて、全員でいただきます。
家族だけの食卓はなんとなく物足りなさと淋しさを感じるけれど、元々はパパと二人だけの食卓が普通だった。
【セイカ、淋しいの? 今夜からフェイリルも呼ぶ?】
「そう言えばフェイリルは?」
私の顔を覗き込み心配してくれるチョピに、辺りを見回してフェイリルを探す。
いつもはすぐに
ガーレットは──窓辺で気持ちよさそうに日向ぼっこ中。
【フェイリルはルピ達と、おまつりの準備中】
「お祭り?」
「そう言えば明後日は判断の日だったな。フェイリルの使者が訪れ、選ばれたの者にお告げをくれる。伝統ある魔族の三大祭りの一つだ」
私の言葉だけでお母さんには分かったらしく、そんなことを教えてくれる。正しいのかチョピは深く頷く。
魔族の有名なお祭り。
お祭りと言うだけでも魅力的なのに、伝統があってしかも三大祭りの一つ。興味がわいて来て、私も参加したくなる。
どんな楽しいお祭りなんだろう?
「俺達も参加するか? 龍ノ介にも声を掛けてみる」
「うん。それなら私は太陽と黒崎を誘うね」
「だったらあたしは、みんなの魔族の民族衣装を用意する。アリア達にも声を掛けるか。もちろん参加ならお忍びでな」
珍しくパパが乗り気になっていた。もう私が魔族と深く触れ合うことに、そこまで抵抗がなくなったらしい。
お母さんは嬉しそうな笑顔を浮かべ、お祭りが更に楽しめるように用意を一段と張り切る。
ますます楽しみになっていく。
「三人ともいってらっしゃい」
『いってきます』
「あ、セイヤにはこれもな」
「え……」
玄関先でお母さんに見送られ学校に行こうとすると、パパだけ呼び止められ頬にキス。真っ赤に顔を染まらせ、嬉し恥ずかしそうなパパ。
私の両親は、ラブラブだ。
「パパ、幸せだね」
【セイカのパパ、嬉しそう】
「そうだな。まさかこんな結末を迎えるとは思わなかった」
「結末じゃないよ。これからもこの幸せが続くんだよ」
パパの言いたいことはよく分かるけれど、その言い方はどうかと思い軽く修正。
物語ならハッピーエンドでも、現実ではまだまだ続く。むしろこれからの人生の方tが長い。
「確かにそうだ。スピカにはこれから地球も好きになってもらおうな」
「うん。チョピにもね。だったら手始めに上野に行こうよ」
上野なら楽しみながら歴史も科学も学べて、ついでに可愛い動物達とも触れ合える。家族との思い出をたくさん作れる最高の場所。
我ながらグットアイデアだ。
「それいいな。いつにしようか? 父さんはいつでもいい」
「私もいつでもいいよ」
【ボクも】
声を弾ませ賛同してくれる。
即答で予定がないと言えるのは悲しいけれど、今はお母さんが地球になれてもらうためなるべく一緒にいたいと思う。
それに私は心配しなくても、友達・彼氏に恵まれいるリア充だ。
「あっそうだ。今日は帰ったら、お母さんとスーパーに買い出しに行ってくる。いろいろ買わないといけないし」
「重い物は父さんが買って帰るから、いつもの買い物で良いからな」
「うん、分かった。お米は絶対に買って来てね」
現在の我が家の冷蔵庫や収納棚はもちろん。日常品もすべてすっからかん。
トゥーランで代用できる物でなんとかしてたけれど、やっぱり日本製のは格別だって気づかされた。
特に日本のお米が最強。トゥーランのお米は最初良かったんだけれど、代用となると物足りなさと懐かしさが半端じゃない。
今夜は和食が良いかも? 塩おむすびとお味噌汁。それから西京焼き。
あ、お新香も。きゅうりは欠かせない。
「了解。それから話が変わるんだが、父さんと何か習いごとでもしないか?」
「え、習いごと? うんやりたい」
本当に話題が180度変わりちょっと驚いたけれど、それは嬉しい提案で二つ返事で頷いく。
パパと二人で習いごと。これからは家族三人が基本になると思っていたから、二人の時間を取ってくれるなんて嬉しい。
何がいいのかな?
せっかくだからペアで出来るものが良いよね?
「何かやりたいものはあるか?」
「そうだな? テニスとか卓球。あ、社交ダンスなんていいかも知れない」
「テニスと卓球は分かるが、なぜ社交ダンス?」
予想外な答えにパパは目を丸くした。私も自分で言っておきながら、なんで社交ダンスって言葉が出たのか不思議だった。
ちょっと前に社交ダンスの映画を観て多少憧れてるけれど、親子でペアはどうなんだろう? やるとしても私よりお母さんの方が良いのかな?
……でも私はパパと社交ダンスしたい。
「パパとやってみたいから。ダメかな?」
「そんなことない。だったら教室を調べておくから、見学に行こうな」
「うん」
パパは私に激甘だ。
私の無茶苦茶なお願いを除けば、こうして全力で応えてくれようとしている。
お母さんが来たことで劇的に何かが変わっていくと思っていたのに、実際はそんなに変わらないのかもしれないね。
当たり前だった地球での日常が、徐々に戻り初めて行く。
トゥーランでは聖女だから崇められる私だけれど、地球では普通の女子高生だから相手にもされない。
パパだって……ワイルドイケメンが更に増した分注目度がUPしそう。
眼鏡を掛ければ注目されないと勘違いしているけれど、それは殺気が半端ないだけで意味がない。
その証拠にこの前に町中でパパを見つけた時、殺気が怖くて近寄りがたかった。すぐに見つけられ殺気は消えたけれど。
そのことを後で教えてあげよう。
そしたらパパはもう眼鏡を掛けなくなるのかな? 眼鏡を掛けたパパは一番パパらしいからそれは勘弁だな。
「星歌、おっさん」
「星ちゃん、おじさん」
太陽の私達を呼ぶ弾んだ声が、背後から聞こえてくる。
今日は、どんな楽しい日になるんだろう?
普通で平凡な毎日でも、私はそんな日常が大好きだ。
おしまい
最後まで読んでいただきありがとうございます。
聖女となって、冤罪をはらします編が開始されて一年半。ようやく完結しました。
最初の方から実は母親が生きていることにしようとしてたのですが、弟は最後の方まで決めかねてました。最初の案だと聖女の力で過去に戻って、母親を助けてお持ち帰り。もしくはクリスタルに封印されてたとか(笑)
とにかくハッピーエンドに出来て満足です。
続編はあるとしたらほのぼの短編。長編なら陽と龍ノ介のラブコメかな?
でも書きたくなったら、また事件が起きるかも知れません。←おい。
「星歌、おはよう。ああ朝会の他にやり残したこともあるからな。んじゃ行ってくる。また後でな」
「いってらっしゃい」
用意を終え下に降りると、こちらもスーツ姿の龍くんと鉢合う。まだ7時前なのにもう出勤モード。軽く会話してすぐ出掛ける。
そう言えばあの時パパは、龍くんを無理矢理呼び出してた。つまりやりかけの仕事が残っているから、こうして早朝出勤。私達のせいなのに、何も言わない。
いつもながら一生龍くんには、頭が上がらないね。
「星歌、おはよう」
「おはようパパ」
リビングには、いつも通りの出社用のパパがいた。お母さんは料理を持ってきてくれ、そして席に座る。挨拶を交わし私も自分の席を座った。
今日の朝食は、レーズンと木の実のカンパーニュ。スクランブルエッグにウインナーとサラダ。そしてジャガイモのスープ。
どれも美味しそう。
『いただきます』
いつも通り手を合わせて、全員でいただきます。
家族だけの食卓はなんとなく物足りなさと淋しさを感じるけれど、元々はパパと二人だけの食卓が普通だった。
【セイカ、淋しいの? 今夜からフェイリルも呼ぶ?】
「そう言えばフェイリルは?」
私の顔を覗き込み心配してくれるチョピに、辺りを見回してフェイリルを探す。
いつもはすぐに
ガーレットは──窓辺で気持ちよさそうに日向ぼっこ中。
【フェイリルはルピ達と、おまつりの準備中】
「お祭り?」
「そう言えば明後日は判断の日だったな。フェイリルの使者が訪れ、選ばれたの者にお告げをくれる。伝統ある魔族の三大祭りの一つだ」
私の言葉だけでお母さんには分かったらしく、そんなことを教えてくれる。正しいのかチョピは深く頷く。
魔族の有名なお祭り。
お祭りと言うだけでも魅力的なのに、伝統があってしかも三大祭りの一つ。興味がわいて来て、私も参加したくなる。
どんな楽しいお祭りなんだろう?
「俺達も参加するか? 龍ノ介にも声を掛けてみる」
「うん。それなら私は太陽と黒崎を誘うね」
「だったらあたしは、みんなの魔族の民族衣装を用意する。アリア達にも声を掛けるか。もちろん参加ならお忍びでな」
珍しくパパが乗り気になっていた。もう私が魔族と深く触れ合うことに、そこまで抵抗がなくなったらしい。
お母さんは嬉しそうな笑顔を浮かべ、お祭りが更に楽しめるように用意を一段と張り切る。
ますます楽しみになっていく。
「三人ともいってらっしゃい」
『いってきます』
「あ、セイヤにはこれもな」
「え……」
玄関先でお母さんに見送られ学校に行こうとすると、パパだけ呼び止められ頬にキス。真っ赤に顔を染まらせ、嬉し恥ずかしそうなパパ。
私の両親は、ラブラブだ。
「パパ、幸せだね」
【セイカのパパ、嬉しそう】
「そうだな。まさかこんな結末を迎えるとは思わなかった」
「結末じゃないよ。これからもこの幸せが続くんだよ」
パパの言いたいことはよく分かるけれど、その言い方はどうかと思い軽く修正。
物語ならハッピーエンドでも、現実ではまだまだ続く。むしろこれからの人生の方tが長い。
「確かにそうだ。スピカにはこれから地球も好きになってもらおうな」
「うん。チョピにもね。だったら手始めに上野に行こうよ」
上野なら楽しみながら歴史も科学も学べて、ついでに可愛い動物達とも触れ合える。家族との思い出をたくさん作れる最高の場所。
我ながらグットアイデアだ。
「それいいな。いつにしようか? 父さんはいつでもいい」
「私もいつでもいいよ」
【ボクも】
声を弾ませ賛同してくれる。
即答で予定がないと言えるのは悲しいけれど、今はお母さんが地球になれてもらうためなるべく一緒にいたいと思う。
それに私は心配しなくても、友達・彼氏に恵まれいるリア充だ。
「あっそうだ。今日は帰ったら、お母さんとスーパーに買い出しに行ってくる。いろいろ買わないといけないし」
「重い物は父さんが買って帰るから、いつもの買い物で良いからな」
「うん、分かった。お米は絶対に買って来てね」
現在の我が家の冷蔵庫や収納棚はもちろん。日常品もすべてすっからかん。
トゥーランで代用できる物でなんとかしてたけれど、やっぱり日本製のは格別だって気づかされた。
特に日本のお米が最強。トゥーランのお米は最初良かったんだけれど、代用となると物足りなさと懐かしさが半端じゃない。
今夜は和食が良いかも? 塩おむすびとお味噌汁。それから西京焼き。
あ、お新香も。きゅうりは欠かせない。
「了解。それから話が変わるんだが、父さんと何か習いごとでもしないか?」
「え、習いごと? うんやりたい」
本当に話題が180度変わりちょっと驚いたけれど、それは嬉しい提案で二つ返事で頷いく。
パパと二人で習いごと。これからは家族三人が基本になると思っていたから、二人の時間を取ってくれるなんて嬉しい。
何がいいのかな?
せっかくだからペアで出来るものが良いよね?
「何かやりたいものはあるか?」
「そうだな? テニスとか卓球。あ、社交ダンスなんていいかも知れない」
「テニスと卓球は分かるが、なぜ社交ダンス?」
予想外な答えにパパは目を丸くした。私も自分で言っておきながら、なんで社交ダンスって言葉が出たのか不思議だった。
ちょっと前に社交ダンスの映画を観て多少憧れてるけれど、親子でペアはどうなんだろう? やるとしても私よりお母さんの方が良いのかな?
……でも私はパパと社交ダンスしたい。
「パパとやってみたいから。ダメかな?」
「そんなことない。だったら教室を調べておくから、見学に行こうな」
「うん」
パパは私に激甘だ。
私の無茶苦茶なお願いを除けば、こうして全力で応えてくれようとしている。
お母さんが来たことで劇的に何かが変わっていくと思っていたのに、実際はそんなに変わらないのかもしれないね。
当たり前だった地球での日常が、徐々に戻り初めて行く。
トゥーランでは聖女だから崇められる私だけれど、地球では普通の女子高生だから相手にもされない。
パパだって……ワイルドイケメンが更に増した分注目度がUPしそう。
眼鏡を掛ければ注目されないと勘違いしているけれど、それは殺気が半端ないだけで意味がない。
その証拠にこの前に町中でパパを見つけた時、殺気が怖くて近寄りがたかった。すぐに見つけられ殺気は消えたけれど。
そのことを後で教えてあげよう。
そしたらパパはもう眼鏡を掛けなくなるのかな? 眼鏡を掛けたパパは一番パパらしいからそれは勘弁だな。
「星歌、おっさん」
「星ちゃん、おじさん」
太陽の私達を呼ぶ弾んだ声が、背後から聞こえてくる。
今日は、どんな楽しい日になるんだろう?
普通で平凡な毎日でも、私はそんな日常が大好きだ。
おしまい
最後まで読んでいただきありがとうございます。
聖女となって、冤罪をはらします編が開始されて一年半。ようやく完結しました。
最初の方から実は母親が生きていることにしようとしてたのですが、弟は最後の方まで決めかねてました。最初の案だと聖女の力で過去に戻って、母親を助けてお持ち帰り。もしくはクリスタルに封印されてたとか(笑)
とにかくハッピーエンドに出来て満足です。
続編はあるとしたらほのぼの短編。長編なら陽と龍ノ介のラブコメかな?
でも書きたくなったら、また事件が起きるかも知れません。←おい。
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吏南さんも、無理はなさらず休みたい時は休むようにしてくださいね。
お久しぶりです。
読んでくれるだけでも大喜びなので、そんな気になさらないで下さい。
だんだん毛色が変わってしまい大丈夫かなと心配していたのですが、そう言ってくれると励みになります。
カイワレミミズクさんも読める時構いませんので、これからもよろしくお願いします。
Twitterで作品の紹介いただきありがとうございます。
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