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十七話
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「役場に届いているってことはないのか?」
「……可能性は低いです。ここは拾ってしまえば自分の物だという考えの人が多いのです」
浅居君の言葉に、チェリーちゃんはそう答えると再び泣き出してしまった。
なんて言う世界なのだろうか?
小さい村が盗賊が襲われるのも日常茶飯事で役所も動かないと言っているし、これではいつまで経ってもこの世界の治安は良くならないじゃない。
なんか最近日本の事件なんて、ここと比べたらたかが知れていると思うようになった。
「モミジ、ユウイチ。行くぞ」
と言うなり、カノン君は席を立ち出口に向かう。
「え、何処に??」
あたしは目を丸くして、カノン君に尋ねる。
「決まってんだろう? 仕事捜して前金貰うんだ」
「あ、そうか。その手があったわね」
カノン君の答えを理解した芽李ちゃんは手をポンと叩き、晴れ晴れした顔に戻る。
あたしと浅居君は顔を見合わせ、席を立ちカノン君の元に向かう。
「お兄様、有り難うございます」
チェリーちゃんは嬉しそうにカノン君を見上げると、カノン君の顔が少し赤く染まり素早く外に出てしまった。
照れ隠しをしている。
口ではあんなこと言っていたけれど、カノン君ってやっぱり妹思いの良いお兄さんなんだ。
「じゃ、ちょっと行ってくるから待っててね」
あたしはそう言って、芽李ちゃん達に手を振り外に出た。
「ここは、オレが責任を取って守から安心しな」
後ろで剛君の声が聞こえたと同時に、ゴツンと言う頭を小突く音が聞こえた。
芽李ちゃんに殴られたようだ。
あの日以来芽李ちゃんは剛君の監視はますます厳しくなり、組み合わせをする時も二人が一緒になって行動している。
今思い出したんだけど、このメンバーって気まずいんだよね。
だってこないだ、あたしが魔法を暴走して落ち込んでいた夜のこと。
たまたま泊まっていた宿の近くでお祭りをやっていたから、芽李ちゃんの提案で気晴らしに浅居君と二人だけで行ったの。
しばらく二人でいい感じで見物をしてたんだけど、突然ピリピリしたカノン君が現れて、「お前達付き合ってるって本当なのか?」って大きな声で言うんだもん。
もちろん「そんな分けない」って浅居君と速攻で否定して、その後すぐに噂の元である芽李ちゃんと剛君を怒ったんだけどあまり効果かなかった。
おかげで二日間ぐらいはお互い変に意識しちゃって、ろくに話せなかったんだ。
今はようやくいつもの調子に戻ったから良かったけど。
あたしはただ浅居君としゃべれるだけでいいから、もうあんなことになったら絶対にいやなんだからね。
そう、一生このまま友達でいたいから。
だけどなんであの時カノン君は、あんなに不機嫌だったのだろう?
外はすっかり暗くなっている。
「……可能性は低いです。ここは拾ってしまえば自分の物だという考えの人が多いのです」
浅居君の言葉に、チェリーちゃんはそう答えると再び泣き出してしまった。
なんて言う世界なのだろうか?
小さい村が盗賊が襲われるのも日常茶飯事で役所も動かないと言っているし、これではいつまで経ってもこの世界の治安は良くならないじゃない。
なんか最近日本の事件なんて、ここと比べたらたかが知れていると思うようになった。
「モミジ、ユウイチ。行くぞ」
と言うなり、カノン君は席を立ち出口に向かう。
「え、何処に??」
あたしは目を丸くして、カノン君に尋ねる。
「決まってんだろう? 仕事捜して前金貰うんだ」
「あ、そうか。その手があったわね」
カノン君の答えを理解した芽李ちゃんは手をポンと叩き、晴れ晴れした顔に戻る。
あたしと浅居君は顔を見合わせ、席を立ちカノン君の元に向かう。
「お兄様、有り難うございます」
チェリーちゃんは嬉しそうにカノン君を見上げると、カノン君の顔が少し赤く染まり素早く外に出てしまった。
照れ隠しをしている。
口ではあんなこと言っていたけれど、カノン君ってやっぱり妹思いの良いお兄さんなんだ。
「じゃ、ちょっと行ってくるから待っててね」
あたしはそう言って、芽李ちゃん達に手を振り外に出た。
「ここは、オレが責任を取って守から安心しな」
後ろで剛君の声が聞こえたと同時に、ゴツンと言う頭を小突く音が聞こえた。
芽李ちゃんに殴られたようだ。
あの日以来芽李ちゃんは剛君の監視はますます厳しくなり、組み合わせをする時も二人が一緒になって行動している。
今思い出したんだけど、このメンバーって気まずいんだよね。
だってこないだ、あたしが魔法を暴走して落ち込んでいた夜のこと。
たまたま泊まっていた宿の近くでお祭りをやっていたから、芽李ちゃんの提案で気晴らしに浅居君と二人だけで行ったの。
しばらく二人でいい感じで見物をしてたんだけど、突然ピリピリしたカノン君が現れて、「お前達付き合ってるって本当なのか?」って大きな声で言うんだもん。
もちろん「そんな分けない」って浅居君と速攻で否定して、その後すぐに噂の元である芽李ちゃんと剛君を怒ったんだけどあまり効果かなかった。
おかげで二日間ぐらいはお互い変に意識しちゃって、ろくに話せなかったんだ。
今はようやくいつもの調子に戻ったから良かったけど。
あたしはただ浅居君としゃべれるだけでいいから、もうあんなことになったら絶対にいやなんだからね。
そう、一生このまま友達でいたいから。
だけどなんであの時カノン君は、あんなに不機嫌だったのだろう?
外はすっかり暗くなっている。
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