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十六話
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いきなりですが、路銀がなくなりました。
「本当に申し訳ありません、私の不注意でした」
涙目のチェリーちゃんはあたし達の前で土下座をする。
食堂の客達は不思議そうにこちらを見つめている。
ただでさえあたし達は変わった言葉でしゃべっているので目立ちまくっているのに、こんな愛らしい少女が土下座をしているとなれば注目されるのは当然だろう。
神様に会いに北へ進むあたし達は一行がたどり着いたのは、カノン君達と出会った町と神様が住んでる【祈り山】のちょうど中間地点にある町【トリス】。
まだ数日しか経っていないのに、今日まで本当にいろんなことがあった。
まず魔法のこと。
カノン君に教えてはもらっているんだけれど、まったくと言って良いほど使えこなせません。昨日も魔法が暴走させてしまい山火事に発展させてしまい、カノン君とチェリーちゃんのおかげで無事沈下。その後大間玉を食らい中級攻撃魔法は言うまでもなく禁止となった。
初級魔法でも使いこなせないあたしにはきっと魔法の才能がないとは思うんだけれど、魔法を使うのは長年の夢だったから諦めたくはない。
そして問題はカノン君。
カノン君が短気で売られた喧嘩は買うタイプで、何かある度いざこざが絶えなくて波瀾万丈の日々が続いている。
カノン君は言うだけあって実力は確かで浅居君もいるから、今の所はなんとかなっているんだけど静かな毎日を送りたいと願ってしまう。
ここに来る前は波瀾万丈の日々を夢見ていたはずなのに、何にもスキルを持ってない私には無理だと身をもって学んだ。
「もういいよ。誰にだって失敗はあるんだから」
「そうだよ。ここはこれからのことを考えるべきだろう?」
あたしと浅居君が優しくチェリーちゃんを慰める。
「何甘いこと言ってんだよ。大体、財布を落とす奴なんて馬鹿しかいねぇんだよ」
一人だけカンカンに怒っているカノン君が、チェリーちゃんを怒鳴りつけ睨む。
ますますチェリーちゃんが小さくなる。
あたしはその言葉が、胸にグサとささった。
あたしも良く財布を落とすんですけれど……。
「そんなことないよ。あたしも良くあるし……。誰にでもあるよね?」
あたしはそう言いながら芽李ちゃん達に訴えたけど、誰も返事をしてくれない。
それよりか、なんか呆れられているし。
「ほら見ろ。モミジは、馬鹿でドジだからあるんだよ」
そんな周りの表情を見たカノン君は、勝ち誇った口調であたしにそう言い切る。
ここまで言い切られると、黙っている訳にはいかない。
「じゃぁカノン君は、一度も失敗したことないの?」
「ああ、オレはしっかり者だから失敗なんて一度もねぇよ」
「嘘だ。カノン君がしっかり者だったら、世界中の人達全員しっかり者になっちゃうよ」
「一番いい加減なお前なんかに言われたかねぇよ」
「なんですって<」
頭にきたあたしは、思わずその場を勢いよく立ち上がり声を上げた。
売り言葉に買い言葉。
完全にあたしとカノン君の言い合いは、趣旨がずれ始めている。
最近芽李ちゃんと剛君の言い合いより、あたしとカノン君の低レベルな口喧嘩の方が多かったりする。
「二人共、今はそれどころじゃないでしょう? ここのお代をどうするかってことが先決よ」
芽李ちゃんは、あたし達と綺麗に食べ終わったお皿を見て大きな溜息を突く。
「まぁな。ここさえ乗り切れば後は自給自足でも行けるからな」
続けて剛君も、苦笑いをしながら溜息を突く。
そうだった。
危うくそのことを忘れて、カノン君とくだらない言い争いをするとこだった。
「本当に申し訳ありません、私の不注意でした」
涙目のチェリーちゃんはあたし達の前で土下座をする。
食堂の客達は不思議そうにこちらを見つめている。
ただでさえあたし達は変わった言葉でしゃべっているので目立ちまくっているのに、こんな愛らしい少女が土下座をしているとなれば注目されるのは当然だろう。
神様に会いに北へ進むあたし達は一行がたどり着いたのは、カノン君達と出会った町と神様が住んでる【祈り山】のちょうど中間地点にある町【トリス】。
まだ数日しか経っていないのに、今日まで本当にいろんなことがあった。
まず魔法のこと。
カノン君に教えてはもらっているんだけれど、まったくと言って良いほど使えこなせません。昨日も魔法が暴走させてしまい山火事に発展させてしまい、カノン君とチェリーちゃんのおかげで無事沈下。その後大間玉を食らい中級攻撃魔法は言うまでもなく禁止となった。
初級魔法でも使いこなせないあたしにはきっと魔法の才能がないとは思うんだけれど、魔法を使うのは長年の夢だったから諦めたくはない。
そして問題はカノン君。
カノン君が短気で売られた喧嘩は買うタイプで、何かある度いざこざが絶えなくて波瀾万丈の日々が続いている。
カノン君は言うだけあって実力は確かで浅居君もいるから、今の所はなんとかなっているんだけど静かな毎日を送りたいと願ってしまう。
ここに来る前は波瀾万丈の日々を夢見ていたはずなのに、何にもスキルを持ってない私には無理だと身をもって学んだ。
「もういいよ。誰にだって失敗はあるんだから」
「そうだよ。ここはこれからのことを考えるべきだろう?」
あたしと浅居君が優しくチェリーちゃんを慰める。
「何甘いこと言ってんだよ。大体、財布を落とす奴なんて馬鹿しかいねぇんだよ」
一人だけカンカンに怒っているカノン君が、チェリーちゃんを怒鳴りつけ睨む。
ますますチェリーちゃんが小さくなる。
あたしはその言葉が、胸にグサとささった。
あたしも良く財布を落とすんですけれど……。
「そんなことないよ。あたしも良くあるし……。誰にでもあるよね?」
あたしはそう言いながら芽李ちゃん達に訴えたけど、誰も返事をしてくれない。
それよりか、なんか呆れられているし。
「ほら見ろ。モミジは、馬鹿でドジだからあるんだよ」
そんな周りの表情を見たカノン君は、勝ち誇った口調であたしにそう言い切る。
ここまで言い切られると、黙っている訳にはいかない。
「じゃぁカノン君は、一度も失敗したことないの?」
「ああ、オレはしっかり者だから失敗なんて一度もねぇよ」
「嘘だ。カノン君がしっかり者だったら、世界中の人達全員しっかり者になっちゃうよ」
「一番いい加減なお前なんかに言われたかねぇよ」
「なんですって<」
頭にきたあたしは、思わずその場を勢いよく立ち上がり声を上げた。
売り言葉に買い言葉。
完全にあたしとカノン君の言い合いは、趣旨がずれ始めている。
最近芽李ちゃんと剛君の言い合いより、あたしとカノン君の低レベルな口喧嘩の方が多かったりする。
「二人共、今はそれどころじゃないでしょう? ここのお代をどうするかってことが先決よ」
芽李ちゃんは、あたし達と綺麗に食べ終わったお皿を見て大きな溜息を突く。
「まぁな。ここさえ乗り切れば後は自給自足でも行けるからな」
続けて剛君も、苦笑いをしながら溜息を突く。
そうだった。
危うくそのことを忘れて、カノン君とくだらない言い争いをするとこだった。
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