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十五話
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「は、なんでそうなるのよ?」
「そうだ、そうだ。こんな奴誰が彼女にするか」
「え、でもお二人とても仲がよろしいではないですか?」
「そんなことない。それに私にはこんな最低男と違って優しい大人の彼氏がいるんだから」
そう勢いで言ってしまった私は、言い終わってから後悔した。
実はその彼とはここへ来る少し前に、ちゃんと話し合って別れることになったのだ。
理由は遠距離恋愛だと言うのと、お互いに良くお互いのことを知らなかった二つ。
彼のことよりか剛のことの方がよく知っているし、私のことも多分彼よりも剛の方がよく知っていると思う。
このことはまだ誰も知らない。
「嘘だろう?」
突然カノンが悔しそうに、テーブルに拳で殴りつける。
意外な反応に、私達はビックリした。
「カノン?」
「オレ、確かめてくる」
と、言ってカノンはまた勢いよく部屋を出て行った。
「お兄様、待って下さい」
カノンを追いかけチェリーも部屋を出て行く。
残された私と剛は、呆然と立ちつくしお互いの顔を見つめた。
「まさかカノンの奴、椛のことが好きなんじゃ?」
「かもしれない」
二人の意見は久しぶりに一致した。
カノンのあの態度は間違えなく、優一君に嫉妬している。
そう言えば私達が大人ってことが分かった時、カノンは椛ちゃんのことだけなかなか信用しなかったっけぇ?
一、二歳年上だと言うことは、カノン君でも分かっていた見たいなんだけど。
一、二歳年上と、子供と大人の差では偉い違いである。
あれはこう言うことだったんだ。
あたしはてっきり、自分の弟子が年上だったらかっこ悪いとかだったと思ってた。
カノンの年頃だったら、大人の女性に恋愛感情を持つなんて良くあること。
私もそうで、結局ほのかな憧れで終わったし。
でも相手はまだまだ幼さが残っている椛ちゃんだから、それは憧れだけじゃ終わらない可能性がある。
「そうなったらますます優には頑張って貰わないと駄目だな」
剛が聞き捨てならない言葉を、独り言のようにぼそっと呟く。
「それ、どう言うことよ?」
「え、どうやら優の奴どうやら椛に気があるらしい。確かにあいつは誰にでも優しいが、椛に対しては少し違うんだ」
と言うことは、二人はすでに両想いなんじゃ?
この際、剛でも良いから協力して貰うしかないな。
「やっぱりね。椛ちゃんも優一君のこと気になっている見たい。ただ一回優一君に振られたのを根に持ってそれ以上は押さえている感じだけどね」
「マジかよ。優はどこまで鈍感なんだ」
呆れ果てる剛だったが、優一君なら無理もない。
「だから、二人で応援しましょう?」
「そうだな。カノンには悪いけど」
剛の言う通りカノンよりも優一君の方が、椛ちゃんの恋人は適格である。
だって椛ちゃん見たいな単純で危なっかしい子供っぽい性格には、優一君のように優しく守ってくれる落ちついた人じゃないと駄目だと思うんだ。
カノンはすぐ頭に血が上ってしまう本当の子供だから、きっと喧嘩をしたら二人とも素直になれなく手に負えない状態になるのは目に見えている。
実際今日だってそうだったし。
無邪気で可愛い椛ちゃんには、幸せそうにいつでも笑っていて欲しい。
涙なんて似合わないんだから。
でも今椛ちゃんの一番近くにいる存在はカノン君だ。
この調子で行けば、椛ちゃんもカノンのことも意識してしまうのは時間の問題かも知れない。
そしたらこんな言い方したくないけど、先に椛ちゃんに告白したもんがちになってしまう。
そんなことになったら、大人しい優一君に勝ち目はない。
優一君、危うし。
こうして私の企みは剛の協力により、これからもっと拡大することになった。
それにしても椛ちゃんは知っているんだろうか?
この微妙な三角関係が出来ていることを。
いや知るはずがない。
十数分後。
「ちょっと芽李ちゃん達、カノン君にとんでもないこと言わないでよ」
「そ、そうだぞ。一体なんでそうなるんだよ?」
顔を真っ赤に染めた椛ちゃんと優一君が、恥ずかしそうに声を張り上げ戻ってきた。
私と剛は顔を見合わせ、クスクスと笑い合う。
「そうだ、そうだ。こんな奴誰が彼女にするか」
「え、でもお二人とても仲がよろしいではないですか?」
「そんなことない。それに私にはこんな最低男と違って優しい大人の彼氏がいるんだから」
そう勢いで言ってしまった私は、言い終わってから後悔した。
実はその彼とはここへ来る少し前に、ちゃんと話し合って別れることになったのだ。
理由は遠距離恋愛だと言うのと、お互いに良くお互いのことを知らなかった二つ。
彼のことよりか剛のことの方がよく知っているし、私のことも多分彼よりも剛の方がよく知っていると思う。
このことはまだ誰も知らない。
「嘘だろう?」
突然カノンが悔しそうに、テーブルに拳で殴りつける。
意外な反応に、私達はビックリした。
「カノン?」
「オレ、確かめてくる」
と、言ってカノンはまた勢いよく部屋を出て行った。
「お兄様、待って下さい」
カノンを追いかけチェリーも部屋を出て行く。
残された私と剛は、呆然と立ちつくしお互いの顔を見つめた。
「まさかカノンの奴、椛のことが好きなんじゃ?」
「かもしれない」
二人の意見は久しぶりに一致した。
カノンのあの態度は間違えなく、優一君に嫉妬している。
そう言えば私達が大人ってことが分かった時、カノンは椛ちゃんのことだけなかなか信用しなかったっけぇ?
一、二歳年上だと言うことは、カノン君でも分かっていた見たいなんだけど。
一、二歳年上と、子供と大人の差では偉い違いである。
あれはこう言うことだったんだ。
あたしはてっきり、自分の弟子が年上だったらかっこ悪いとかだったと思ってた。
カノンの年頃だったら、大人の女性に恋愛感情を持つなんて良くあること。
私もそうで、結局ほのかな憧れで終わったし。
でも相手はまだまだ幼さが残っている椛ちゃんだから、それは憧れだけじゃ終わらない可能性がある。
「そうなったらますます優には頑張って貰わないと駄目だな」
剛が聞き捨てならない言葉を、独り言のようにぼそっと呟く。
「それ、どう言うことよ?」
「え、どうやら優の奴どうやら椛に気があるらしい。確かにあいつは誰にでも優しいが、椛に対しては少し違うんだ」
と言うことは、二人はすでに両想いなんじゃ?
この際、剛でも良いから協力して貰うしかないな。
「やっぱりね。椛ちゃんも優一君のこと気になっている見たい。ただ一回優一君に振られたのを根に持ってそれ以上は押さえている感じだけどね」
「マジかよ。優はどこまで鈍感なんだ」
呆れ果てる剛だったが、優一君なら無理もない。
「だから、二人で応援しましょう?」
「そうだな。カノンには悪いけど」
剛の言う通りカノンよりも優一君の方が、椛ちゃんの恋人は適格である。
だって椛ちゃん見たいな単純で危なっかしい子供っぽい性格には、優一君のように優しく守ってくれる落ちついた人じゃないと駄目だと思うんだ。
カノンはすぐ頭に血が上ってしまう本当の子供だから、きっと喧嘩をしたら二人とも素直になれなく手に負えない状態になるのは目に見えている。
実際今日だってそうだったし。
無邪気で可愛い椛ちゃんには、幸せそうにいつでも笑っていて欲しい。
涙なんて似合わないんだから。
でも今椛ちゃんの一番近くにいる存在はカノン君だ。
この調子で行けば、椛ちゃんもカノンのことも意識してしまうのは時間の問題かも知れない。
そしたらこんな言い方したくないけど、先に椛ちゃんに告白したもんがちになってしまう。
そんなことになったら、大人しい優一君に勝ち目はない。
優一君、危うし。
こうして私の企みは剛の協力により、これからもっと拡大することになった。
それにしても椛ちゃんは知っているんだろうか?
この微妙な三角関係が出来ていることを。
いや知るはずがない。
十数分後。
「ちょっと芽李ちゃん達、カノン君にとんでもないこと言わないでよ」
「そ、そうだぞ。一体なんでそうなるんだよ?」
顔を真っ赤に染めた椛ちゃんと優一君が、恥ずかしそうに声を張り上げ戻ってきた。
私と剛は顔を見合わせ、クスクスと笑い合う。
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