我ら青春の海の子たち

上月 朗詠

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海の子教育隊へ

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合格発表から数ヶ月が過ぎ、季節は冬から春に向かっているというのに、
まだ肌寒い日が続く3月末

ボストンバックに着替え等を入れた孝之は、Y教育隊に行く他の候補生と一緒に電車に乗っていた
これから在来線から新幹線に乗換えて教育隊を目指すのだが
進んでいる方は小規模な新幹線駅の方角に走っていた。

孝之は、どちらかというと隣県にある新幹線の発着本数が多い、大規模ターミナルに行くと思っていたのだが
渡された乗車券は1時間に1、2本の新幹線が停まる駅からの切符だったため。
その駅に行くまで在来線で1時間以上かかる駅に、なぜ行くのかと疑問になりながら窓から外の景色を眺めていた。

周りを見ると候補生たちが5人ほど座っていた、孝之を除くと男女比は2:2で全員なんだかんだで喋っていた
2012年当時女性隊員の教育を行うのはY教育隊しかなかった(現在は全教育隊で教育訓練が可能)ため
乗り合わせていたのだった。

男尊女卑の精神など持ち合わせていない孝之にしても、体力・精神的にも男性比率が高い職場に進んでいく
彼女たちを見て大変だろうなと他人行儀なことを考えていたが、これから始まる訓練に比べれば
まだ甘い考えであったと後悔することになるとは、思っても見なかった。

孝之の地元の教訓として「川を一つ渡るごとに季節は逆戻りしていく」というように、
川を三つ渡ったあとの車窓は、雪国に迷い込んだ、錯覚になるぐらいの銀世界だった。

電車は新幹線乗換駅に到着、新幹線に乗り継ぎ2時間、また在来線に乗り換え30分たったころ、
孝之たち候補生たちは、教育隊の最寄り駅についていた

最寄り駅の近くには自衛隊の基地と米軍の基地が一望できる公園があり、また駅からすぐには
司令部がみえるという好立地なところである。

教育隊行きのバスを待っているとき、バスターミナルから見えたのは3年前に就役しゅうえきしたばかりのヘリコプター搭載護衛艦(DDH)だった。
どう見ても揚陸艦か空母にしか見えない外観は、カッコイイと同時に想像以上の大きさだったと
孝之の脳内に覚えたが、後日また見る機会があることを彼はまだ知らない。

バスで20分ほど揺られ外は夕暮れを迎えたころ、孝之たちは教育隊の門前に到着した。
Y教育隊は陸上自衛隊の駐屯地と、陸上自衛隊専門の高校と一緒になった基地でなため敷地面積は
結構広い。

門は2箇所あるが、一つは門扉で閉められており、現在は陸上自衛隊側の門を使用して
出入りすることになっている。

彼の海の子生活はこの門を一歩踏み入れたときから始まるのであった。

続く・・?
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