巻き込まないで下さい!!オカルト令嬢の婚約破棄騒動

ロク

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10 オカルト令嬢、ですか?

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 そして学園では、ヴィヴィアンを巻き込んでの婚約破棄騒動の噂が、あっという間に駆け巡った。目撃者が多かったため、ヴィヴィアンは言い訳も説明も出来なかった。

 そして連日のように、ヴィヴィアンの元には交際を迫る令息がやって来るようになった。
 それに伴い彼らの婚約者たちから嫌がらせを受けるようになり、それに便乗したアスベルのファンからの嫌がらせも増えたのだ。


 ——————そしてこの話の冒頭に戻る。

 三人の女生徒に空き教室に呼び出され、アスベルに近づくなと突き飛ばされ、私は悪女?なんて明後日の方向に解釈をしていると、急にラップ音がした。

 パシッ!パシッ!

「な、何ですの?何か音がしましたわ!」

 廊下側の窓が突然ガラガラッと開いた。だけどそこには誰もいない。

「誰ですの?」

 私には学園内を漂っている霊たちが見える。そのうちの一人が面白がって窓を開け、こちらに顔を出したのだ。でも三人には見えなかったようで、物理的に開いた窓を見て青ざめガタガタと震えている。

「あーあ。なんだか学園の霊たちはあれからそわそわと落ち着きがないのよね。それに人も霊も私の周りが騒がしくって、とても疲れちゃうわ」

 ヴィヴィアンは呟きながら立ち上がると、制服の汚れをパンパンと手で払った。

「そろそろ失礼してもよろしいかしら?」

 女生徒に笑顔を向けて扉の方へ向かう。三人も慌ててヴィヴィアンの後に続いた。

「ちょ、ちょっとお待ちになって!こんな気味の悪い所に置いて行かないで頂戴!」

「そういえば貴女、悪女の他にオカルト令嬢って呼ばれてるんでしたわね。おお、怖い!これは貴女のせいなの?」

「さあ、どうでしょうか?私は何もしておりませんが?」

「ああ、もう!貴女も気味が悪いですわ。先ほど申し上げたこと、お忘れにならないで!よろしいですわね」

 女生徒たちはヴィヴィアンの前からバタバタと走り去った。取り残されたヴィヴィアンは廊下に置いてあるベンチに腰掛けて物思いにふけった。

「フウ。全く嫌になっちゃう。大人しく目立たなく過ごすつもりだったのに。何でこんな事に……って元凶はあの交霊会よね。あーあ、なんで首を突っ込んじゃったのかしらね?失敗したわ!でも、なんであんな高位の霊が降りたのかしら?」

「怪しいのはあの文字盤よね」

 そう結論づけて顔を上げると、目の前をふわりふわりと霊が流れていた。そう、霊は普段、あの時みたいに集まって同じ方向を向いたりしない。それぞれがそれぞれの次元にいるので、重なることもぶつかることもないはず。それなのにあの時は、同じ次元、同じ空間に、いたわよね。珍しい…というか初めて見たわ。

 死神が他の霊達を巻き込んだのかしら?

「まあいいわ。とりあえず、あの時の主催者の方に会って話を聞いてみたいわ」

 ヴィヴィアンは立ち上がると足早に教室に戻った。


 
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