巻き込まないで下さい!!オカルト令嬢の婚約破棄騒動

ロク

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11 二人の令嬢とお茶会へ

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 教室で待っていたアスベルにエスコートされて馬車置き場に向かう。その途中、マリアとサラがヴィヴィアンを待っていた。

「ヴィヴィアン様、ご機嫌よう。手紙は読んで下さいまして?今日の放課後、我が家にご招待申し上げたいと、昨日お誘いの手紙をお渡ししたと思うのですが?」

「あら、そうでしたわ!私ったらすっかり抜けてしまって。申し訳ありませんわ、マリア様」

 ヴィヴィアンは眉を下げて謝った。女生徒に絡まれて、うっかり手紙の事を失念してしまっていたのだ。

「アスベル様、申し訳ありませんが、私、今日はサラ様と一緒にマリア様のお屋敷に伺いますわ」

「私も行ってはダメかい?」

 マリアは大袈裟に驚き、とんでもないという風に答えた。

「まああ!今日は女子会ですのよ。ご婚約者のアスベル様といえどもご遠慮願いますわ」

「ねぇ!さあさあ、お姉様、参りましょう」

「それではアスベル様、ご機嫌よう!」「ご機嫌よう」

 サラとマリアはアスベルに礼をすると、にっこりと頷きあいヴィヴィアンに手を差し出した。
 ヴィヴィアンが二人の手を取ると、ヴィヴィアンを真ん中にして、二人と手を繋いで馬車置き場まで歩いた。



「ねえ、ヴィヴィアン様、ヴィヴィとお呼びしてもよろしくって?わたくしのことはマリアと呼んで下さいね。もっともっと仲良くなりたいんですの」

「あ、マリア様ったらずるいです!私も仲良くなりたいのに。お姉様、私のことはサラとお呼び下さいね」

「ふふ、わかりました、マリア。私のことはヴィヴィとお呼び下さい。サラ、私と貴女は同い年なんですよ。お姉様はおかしくないですか?できればヴィヴィと呼んで下さい」

「いいえ、私はお姉様とお呼びしたいんです、お姉様と!」

 ハミルトン家に向かう馬車の中で、三人の仲はグッと近くなった。ヴィヴィアンは交霊会の話をして二人を怖がらせたくなかったが、やはり気になり、主催者が誰か教えて欲しいと頼んだ。

「ああ、それでしたらフローラ・アガサ子爵令嬢ですわ。ウォルフ様の婚約者の。わたくし、彼女に誘われて参加しましたのよ。彼女がどうかしまして?」

「私も婚約者が声をかけられたんです。面白そうだと思って参加したんですが、あんな怖い目に遭うなんて思いもしませんでしたわ、本当に」

「そうだったんですね。実はあの時使っていた文字盤をどこで手に入れたのかお聞きしたいんですの」

「でしたら、彼女も今日のお茶会に呼びましょうか?彼女の家とは家族ぐるみのお付き合いで、私とは幼馴染なんですのよ」

「そうして頂けたらありがたいですわ。私一人ではきっとお話しして頂けないと思うので」

 ハミルトン家に着くとすぐに手紙をしたため、それをフローラに渡して欲しいと執事に頼んだ。そして彼女が来るまでの間、三人でお喋りを楽しみながら、侯爵家の美味しいお茶やお菓子を堪能した。
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