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15 旧校舎の図書館へ
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旧校舎の中は薄暗くひんやりとしていて、ひと月前の交霊会を思い出させた。
その中を五人は身を寄せ合って進んだ。図書館の扉の前に着くと、ウォルフが進み出てそっと扉を開けた。
室内は交霊会の時に死神とやり合ったそのままに、書架や椅子、本が散乱した状態だった。ただあの時のような不気味さもなく、忘れられた知識の塔として静かに佇んでいた。
ヴィヴィアンはクロードの手を離すと、スタスタと室内に入っていった。
「ヴィヴィアン、待て!」
ウォルフが慌ててヴィヴィアンの後を追う。他の三人は死神の恐怖を思い出して、入り口付近で立ち尽くしていた。
ウォルフは辺りに目を光らせ、危険がないかを確認している。ヴィヴィアンは気にせず窓際まで行くと、カーテンを次々と開けていった。少しでも明るくなると不気味な雰囲気が薄まり、散らかっただけの図書館になった。
「さて、と。あらまあ、こんなに散らかってたんですね。埃っぽいですし」
「あ、お姉様、大丈夫ですか?」
「ええ、怖いものは何もないわよ」
「ヴィヴィアン、お前は本当に勇気があるなぁ」
ウォルフはヴィヴィアンの手を取ると、感心したように微笑み、そのまま甲にキスをした。
「あ、よくも!カイザー、その手を離せ!」
遅れてやってきたアスベルが、入り口で固まっている三人を押しのけヴィヴィアンの元に駆け寄った。
「全く油断も隙もない!ヴィヴィも私の婚約者だという自覚と、異性に対してもう少し危機感を持ってくれ」
「そうね、善処しますわ」
ヴィヴィアンはにっこりと笑みをこぼすと、アスベルの腕に手を組み、文字盤の置いてあるテーブルに向かった。
アスベルはウォルフにキスされたヴィヴィアンの手を、ハンカチでゴシゴシと拭きながら、まだ言い足りないのかブツブツと呟いている。
「アスベル様、おやめになって。手が痛いです」
「あっ!すまない」
アスベルがパッと手を離したので、ヴィヴィアンはそのままテーブルの上にある文字盤を手に取った。
触った瞬間ピリッと電気が走ったが、不思議と手にしっくりと馴染む気がする。今は邪悪な感じはしないが、その分空っぽで心許ない。
「不思議だわ。ねえ、あなたはどこから来たの?」
問いかけても応えはない。
「司書室はどこかしら?」
ヴィヴィアンの問いに、恐怖から解放されたマリアがサラの手を引っ張ってテーブルにやって来た。それに釣られるようにクロードがマリアの後を追う。
「ヴィヴィ、こちらですよ。一緒に参りましょう」
マリアはヴィヴィアンの手を握り、書架の間を抜けて部屋の奥にある司書室へと向かった。その後をデュークが追い、その後をアスベルとウォルフが言い合いをしながら追いかけた。
その中を五人は身を寄せ合って進んだ。図書館の扉の前に着くと、ウォルフが進み出てそっと扉を開けた。
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「あ、よくも!カイザー、その手を離せ!」
遅れてやってきたアスベルが、入り口で固まっている三人を押しのけヴィヴィアンの元に駆け寄った。
「全く油断も隙もない!ヴィヴィも私の婚約者だという自覚と、異性に対してもう少し危機感を持ってくれ」
「そうね、善処しますわ」
ヴィヴィアンはにっこりと笑みをこぼすと、アスベルの腕に手を組み、文字盤の置いてあるテーブルに向かった。
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「アスベル様、おやめになって。手が痛いです」
「あっ!すまない」
アスベルがパッと手を離したので、ヴィヴィアンはそのままテーブルの上にある文字盤を手に取った。
触った瞬間ピリッと電気が走ったが、不思議と手にしっくりと馴染む気がする。今は邪悪な感じはしないが、その分空っぽで心許ない。
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マリアはヴィヴィアンの手を握り、書架の間を抜けて部屋の奥にある司書室へと向かった。その後をデュークが追い、その後をアスベルとウォルフが言い合いをしながら追いかけた。
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